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CEATEC2024レポート:「定点観測する」ということ

はじめに

先日、CEATEC2024が行われ、今年も参加してきました。

今年で25回目とのこと

以前、CEATEC2019の記事も書きましたが、私はなるべく同じ展示会をずっと行くようにしています。これは私の勉強法(の一つ)と言えるかもしれません。今回はこのテーマについて書いていきます。


技術の「定点観測」

以前、ハイプサイクルを題材に「先端テクノロジーの進化」について書きました。

ハイプサイクルの本質は「技術の定点観測」です。個別技術の流行り廃りを瞬間だけで見てもあまり意味がありません。やはり数年単位の「線」で見ることをお勧めします。

たとえば、このサイトでは「空中ディスプレイ」という技術にずっと注目していますが、その技術の展示自体は2019年にもありました。そして、その後も毎年いろいろなブースで展示されています。

空中ディスプレイ @ CEATEC(2019~2024)

たとえば、2019年のものは工場で活用する三菱電機の空中タッチディスプレイでした。「工場の人はボタン押下でマニュアルが見たいだけじゃなくて、メモが書きたいんだと思います」というような会話をした記憶があります。

2023年はアルプスアルパイン社のものですが、木目調にプリントされた板の上にボタンが浮かんで見えるといったタイプの空中ディスプレイです。

「市場」の定点観測

2024年は、空中ディスプレイをずっと研究されている宇都宮大学のブースがありましたが、どちらかというと展示が減ってきた印象です。そもそも、この技術が一気に注目されたのは2020年頃から、すなわちコロナ禍の頃ですが、要するに

「触れる」ことを嫌がるという市場ができる(かもしれない)

という期待から注目度が増したわけです。その市場規模は「日本で3兆円規模、アジア全体では3兆ドル」などと言われましたが、2024年時点でそのような兆候はまだ見られません。

空中ディスプレイは、技術の進展とは全く別の軸で、社会からの要請によって注目されましたが、コロナ禍が落ち着くにしたがって、その社会的要請度も落ち着いてきました。展示会に行くと、このあたりがブースの盛り上がりという点を、文字通り「体感する」ことができます。

なお、過去に書いた空中ディスプレイの記事は以下をご参照ください。

おわりに

今回は、CEATEC2024のレポートを通じて、「定点観測」について書きました。私が同じ展示会をずっと行くようにしている理由は

  • 一つの技術を見て、その進化を見て学びを深めていく

  • 類似技術の出展数を見て、メガトレンドを把握する

という二つです。この勉強法は非常に効率的なので、おすすめします。ぜひ展示会に訪れてみてください。

(おわり)

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