Excelがアイデアの書き出しツールに向かないわけ
はじめに
よく、打ち合わせとかでアイデアを書き出す時にExcelを開いて書き出す人がいませんか? しかし、Excelはアイデアを書き出すためには向かないソフトです。それは、「Excelというソフトが悪い」というより、そもそも
「表形式でアイデアを書き出す」という行為が良くない
のです。今回はその点について書いていこうと思います。
表形式のデータ構造=テーブル
Excelは行と列の2次元でデータを格納します。ちなみに、このような「レコード(行)」と「カラム(列)」から成るようなデータ構造をテーブルと言います。
ちなみに、データベースという言葉がありますが、
ちなみに、そのようなテーブル(表)同士を操作することでデータを管理するものをリレーショナルデータベース(RDB)と呼びます。
テーブルとは、データを「管理する」形式
なぜRDBの話をしたかというと、RDBとはまさにテーブルから別のテーブルを作れる仕組み、つまり
整理済みのデータを管理して、価値を生み出すための仕組み
なのです。決して、「何か新しいデータをポンポン生み出す」ことを狙った形式ではありません。これが今回のテーマである、Excelがアイデアの書き出しツールに向かないと主張する理由です。
大事な点として、
アイデアの書き出し時点では「まだ不完全で未整理なデータ」しかない
ということを理解しておかないといけません。すなわち、正しく分類も行われていなければ、項目が揃っているわけでもないということです。テーブルで言うと、行も列も揃っていない状態になります。
行も列も揃っていないのに、それを行と列しか持っていないツールにはめ込もうとすると、どうしても無理が出てきます。頻繁に並び替えをしたくなりますが、
並び替えはアイデア書き出しの本質ではありません。
それは最終のアウトプットとして、見せたい人に分かりやすく表現するために行うことであり、もっと後工程で行うことです。最終のアウトプットでは、行や列の形式で整理されている方が見やすいのは事実ですが、議論の途中でそれを考えながらアイデアを書き出すのは難しいし、むしろアイデア出しの邪魔になることも多いです。
アイデア出しにはアイデア出し専用のツールを
おススメはマインドマップ用のツールです。たとえば、XMindというフリーのツールがあります。
以下に利用例を示します。
これは「DXを実現する企業」というテーマで10分くらいアイデア出ししたものです。内容はともかく、
行も列も揃っていない内容を書き出したり
グルーピングしたり(し直したり)
場合によっては吹き出しをつけたり…
といったことをするために使うツールです。これらはExcelよりもこういった専用ツールの方が圧倒的に得意です。
アイデア出しにおいて大事なことはアイデア出しに集中すること
です。最初に書き出された内容はExcelでも他のツールでも変わりませんが、少なくともアイデア出しに集中できるかどうかはツールによって大きく異なると言えると思います。
おわりに
今回は、「Excelでアイデアを書き出す」という行為は良いことがないと書いてきました。Excelはデータを整理するには良いツールですが、逆に言うとExcelは構造化されていない状態のデータを書くのには向いていません。それは、Excelが悪いのではなく、そもそも
表という形式は、アイデア出しにはそもそも向いていない形式だから
なのです。データ書き出しには、専用のツールを用いて、よいアイデア出しを行いましょう!
(おわり)