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【不定期連載】 #在宅勤務制度 始まったので、2年6ヶ月ほど使ってみた結果 -歩数の見える化編-

「#在宅勤務制度 始まったので使ってみた」シリーズ

このシリーズは、全社員対象の在宅勤務制度が利用可能になったある企業のサラリーマンが使ってみた結果を不定期に書いていくシリーズです。

3ヶ月使ってみた
4ヶ月使ってみた
6ヶ月使ってみた
2年使ってみた
・2年6ヶ月使ってみた(今ここ)

はじめに

私の勤める会社に在宅勤務制度がありまして、この制度を使い始めてから2年6ヶ月経ちました。制度利用に関しては、これまでも何度も書いてきましたので、今回のnoteは別の観点で記したいと思います。それは

通勤しなくなったことで、いかに歩かなくなったか?の見える化

です。

私は、普段「IoTデータ活用による見える化」を仕事にしています。在宅勤務制度により「通勤しなくなって、歩かなくなる」ことを定性的に書いた記事はしばしば見かけますが、本気で歩行データを集計して、見える化して、分析までした記事は(私は)見たことがありません。

今回は、普段から持ち歩いているiPhoneの歩数計の値を2年6ヶ月分取りまとめ、さらに通勤実態(すなわち、在宅勤務なのか、出社なのか、休みなのか、…)と突き合わせ、歩数の見える化を行いました。

そもそも、なぜこんな見える化をしたくなったのか

「在宅勤務による歩数減少の見える化」などと大層な話をしていますが、結論から言えば

健康診断により体重の増加を指摘された

からです。そして、この指摘によりもう一つ重要な変化が起こりました。それは

在宅勤務時にウォーキングするようになった

のです。これにより、なんとなくですが歩数が増えているのはわかります。きっかけはともかく、歩数が増えていることがビジュアライズされると、モチベーションに繋がりますよね。今回はそんな目的で見える化を行いました。

見える化(1) 在宅勤務日数と出社日数の推移

まず、在宅勤務日数と出社日数の推移です。これは前回丸2年の時に作成したものと基本的には同じグラフです。(※ なお、以降の集計と話を合わせる都合上、集計開始日を月初に変更しました)

在宅勤務日数と出社日数の推移(1810-2103)

2020年2月過ぎにコロナ禍が認識されるようになり、それを機に在宅勤務の利用が増加。いまや出社日数と在宅勤務日数が逆転する(在宅勤務の方が多くなる)という状況になったことがよくわかるグラフです。

見える化(1') 在宅勤務/出社日数と平均歩数の推移

次に、ここに今回注目したい「歩数」の情報を加えます。ここでは、一ヶ月の平均歩数を採用します。

在宅勤務日数と出社日数+月平均歩数の推移(1810-2103)

このグラフで分かることは

在宅勤務が増えてきたら、歩数が減ってきた

という、いわゆるメディアでよく見る話のように見えるのですが、一方で2020年6~8月頃の値を見ると、

在宅勤務でない=出張や休みが多い月はそれなりに歩数が稼げている

という様子が見えます。どうやら単に「会社に出社したかどうか」だけで歩数の増減を判断するのではなく、より細かく見ていく必要がありそうです。

さらに、このグラフを見ると、

いつからウォーキングを始めたかも明らか

だと思います。すなわち、いつ健康診断の指摘を受けたかもわかりますね(笑)

見える化(2) 項目別平均歩数の推移

次に、それぞれの日がどんな日だったかの情報を追加します。各日を「出社(青)」「在宅(紫)」に加え、「出張(緑)」「休み(赤)」の4種類に分け、それぞれで1ヶ月の平均歩数がどうなるかを見える化しました。

項目別平均歩数の推移(1810-2103)

これはいわゆるバブルチャートというもので、横は各月、縦にその月の平均歩数、またバブルの大きさはその月の各項目が何日発生したかを示しています。

例を挙げると、たとえば2018年11月の「出張(緑)」は、画面上に小さいバブルがありますが、これは「その月の出張は少なく、出張時の歩数は多かった」という意味になります。また同月の「在宅(紫)」は、画面下に大きいバブルがありますが、これは「その月の在宅は多く、在宅時の歩数は少なかった」という意味になります。

歩数について特に2021年以降に注目してほしいのですが、

青と紫のバブルがともに上昇している

のが見えるでしょうか? 私は「在宅勤務時にウォーキングするようにした」ので、在宅(紫)が上に行くのは分かります。しかし、実際には青も上がっているのです。おそらくですが

通勤時も無意識に(多少)遠回りに歩くようになった

のではないでしょうか? 確かに「歩きたい、歩数を稼ぎたい」という意識は持っているのですが、それが通勤時も無意識に働いているのは少し驚きでした。

見える化とは「見えないものがわかること」

このように見える化をすると、ある出来事に対するbefore-afterの推移、あるいはそれに対する施策の効果などがはっきりとビジュアライズされます。また、無意識に取っている行動が思わぬ形で顕在化することもあります。実は、

無意識を顕在化できたら、見える化は成功

と言えます。わかっていることをグラフ化しても、そりゃそうだよねとなるだけなので。よく勘違いされますが、ありきたりのグラフを作るだけでは見える化は不完全なのです。グラフ化はできても、気づきが得られないと、それは単なるグラフなのです。

今回は、「在宅勤務時にウォーキングするようになったら、実は通勤時も無意識に歩数を延ばすようにしていた」という気付きを得たのがよかったです。

おわりに

今回は、自身の2年半の歩数データと勤務実績データをすべて書き出し、

在宅通勤により歩行しなくなったが、気を付けると歩行するようになった

ことが明らかになりました。

今後もこのデータは継続的に取得し、さらに推移・変化について分析を進めていきたいと思います。

(おわり)

2021/10/05追記

半年後の記事を書きました。こちらもご覧ください。


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