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2023年12月期 第1四半期 ひとり全社会議

2023年春のひとり全社会議

ひとり全社会議とは、会社で取り組んだことを勝手に株主に報告する会議ののことである。言わずもがな、エクイティ調達をしていない弊社には、株主は私しかいない。

ひとり全社会議とは

23/12期 1Q ハイライト

第1四半期は年初から新規受注に支えられ、四半期売上高は過去最高収益を達成しました。成長要因はチームメンバーに任せられるプロジェクト件数が増加したことです。その結果、一時的に月商ベースが上昇しました。

製品開発のリソースコントロールにより、営業損益も過去最高益で着地しています。また、新年度より新規プロダクトの開発に着手しています。

業績以外のトピックは次の3つです。まず、(1)母校での非常勤講師業務を終えました。昨年秋から毎週地元に帰っておりました。詳細は後述します。つぎに、(2)これまでお世話になった方との再会が多い3ヶ月でした。さいごに、このような(3)noteの投稿が新規プロジェクト受注に繋がったことです。すべて書くと長くなってしまうので、今回は(1)について筆を執ります。

ミッション

私たちのミッションは「ひとつの企業にひとつの分析組織を。」という言葉で表現されています。私たちの事業活動を通じてアウトプットされるプロダクトやサービスは、すべて「どんな企業にでも、分析組織がある状態」に着実に近づくことを願って企画・開発しています。

今期も継続してこのミッション達成のために、事業開発に邁進しています。

業績

売上高の推移(四半期)

急速なスケールの波に乗れていない組織では、ミッションという会社の存在理由が会社組織が存在していい理由にはならないのが現実です。実現したい社会をつくるためのパワー(原資)が必要です。そういうわけで、まずは売上高について。

過去最高の四半期売上高を達成しました。振り返ってみれば山あり谷ありです。昨年の今頃は絶望していました。(そこで腐らずに愚直にやってきてよかったです。)

3期目にはいると、棒グラフの数も増えてきます。着実に成長できていることを自覚できるグラフになっていることにちょっぴり安堵しています。(そしてまた谷にはいることを覚悟しているのである…)

売上高成長率

売上高成長率は、前年同期比236%でした。成長率が高く見えるのは、ポジティブに言えば成長ポテンシャルのある事業領域であること、そして当社自身が実際に成長できた事実の表れであると言えます。

しかし、ネガティブに言えば前年もっとがんばれた。前年度が弱すぎたから今年度がよく映っている。成長率というのは、そういう捉え方もできます。実際そうした側面があります。前年上期の課題は小さくありませんでした。

営業利益率

さいごに営業損益について。営業利益率は大幅に改善しました。要因は開発原資のリソースコントロールによるものです。補助金等や稼働時間管理によってエクイティ調達未実施の組織でもプロダクト開発を継続できる財務状況にできています。数値としては良い数値です。しかし、当社は急成長しているスタートアップになる(なりたいではない。なるという宣言である。)ので、こういう状況に甘んじてはいけません。

進撃の巨人のテーマソングの歌詞を借りるならば、家畜の安寧、虚偽の繁栄ではならないのです。決算上売上が伸びていれば安心。そういう意識ではいけない。

売上が伸びていれば安心してしまうのは家畜の安寧です。儲かっていれば良いのではなく、我々がやりたい形で、誇りを持てるやり方で、顧客に提供価値を届けて収益を得てこそ、本当の成長です。

こういう気持ちを捨ててしまえば、売上が伸びているように見せるために力を尽くしてしまい、虚偽の繁栄が企業体質になってしまいます。

経営管理

外部向けなので軸は非表示にしています。

データ利活用を顧客とともに推進していく弊社は、言わずもがな経営数値もダッシュボード化しています。私たちは未上場であっても、いつだってIR情報を公開できる状態で経営をおこなっています。

自分がもし投資家ならば、自分なら正しく資金を管理して、正しく使ってくれそうな起業家に投資したいからです。

何を以て成長したと言いたいのか

こうした経営指標が良い数値だから報告もできるわけで。悪い数値のときは報告はほんとーにしたくないものです。かっこ悪い自分を見せるのは本当に恥ずかしいです。そうするとですね、成長率を引き続き更新していきたい気持ちにもなってくるんですね。でも、弊社は売上高成長率にコミットしすぎないようにしています。

当社はソフトウェアを提供する企業として社会の役に立つ野望があるからです。それは、ソフトウェア収益によって同数値を達成しなければならないことと同義です。これはまだ未達なのです。

業績以外のトピック

業績以外のトピックとは業績に直接的に関係はない、私個人の気づき力を貸してくれた人たちに感謝をするトピックです。今回は、非常勤講師での経験や想い、考えを伝えることにしました。

第1四半期は非常に濃い3ヶ月でした。他にも伝えたいことがあるのですが、冗長になってしまうので割愛しました m(_ _)m

非常勤講師に取り組んだ理由

この図解で機械学習プログラミングと伝統的プログラミングの違いを初めて説明してくれたエンジニアは神ofGodsと言えよう!(ちゃんと引用元を書いてるよ)

理由1: 不合理に屈してほしくないから

データサイエンス教育は人手不足が深刻な地方のほうが都心部よりも重要度が高いと考えています。所得を得る機会が都心部よりも少ないからです。

今、大学生である若者は高校生時代に青春を制限されていた世代です。日々の学生生活はもちろん、修学旅行だったり。いろんなことを諦めた世代です。自分のせいじゃないのに。

彼らが何かに挑戦したいとおもったとき、彼らは20歳になっています。途端に自己責任の世界に足を踏み入れます。そうして、彼らはアルバイトやインターンをはじめます。しかし、コロナで飲食店のアルバイトをはじめとする所得機会が減っています。どうしたものでしょうか。

他方、データサイエンス業界は人手不足。リモートワークも可能です。いま大学で学んでいる学生に、データを分析して世の中の役に立つ楽しさに気づいてもらえたら、彼らの所得機会を増やすいい機会になるかもしれません。

私は東大松尾研で人工知能を研究していた人ではありません。でも、そういう世代に、今の自分でもできる最大のことをやりたいと心底思っています。私自身が悔しい思いをすることが多かったからです。機会を得るためのコストは低ければ低いほうがいいはずです。(収益性の観点から、スタートアップ経営者としては本来やるべき決断ではないとはおもいます。)

理由2: 追究する楽しさに気づいてもらう行動は、気づいている側のミッションだから

世の中の人間のほとんどは楽しみ方がわからないから、楽しめていないだけなんじゃないか?そう思うことがあります。別にやる気がないわけじゃーない。

AutoMLを利用して肌で機械学習モデルを体感できる講義にした。講義室PCにはカメラがなかったので、いい機会だからインタラクティブな講義になるようにやってみた。

学生が偏差値の低い大学に進学する理由のひとつに、心のどこかで学びの大切さを自覚している側面があると思っています。きっとまだ自身の中で確信していないから、積極的な行動(学問を追求すること)はできていないだけで。感覚的に、直感的に、その大切さを自覚している気がするのです。

これって社会人になっても同じだと思うんです。仕事の楽しさだって、結局、誰かとの出会いに依存すると思うから。上司や先輩、同期。クライアントと仲間だなって思える機会がないと、社会人になっても仕事の醍醐味を味わうことは難しい。

わたしがこの市場でサバイブできているのは、スキルではなくマーケットのおかげです。オープンソースでデータサイエンスに挑戦できるライブラリを提供している世界中のエンジニアのおかげです。

わたしはまだこの業界にソフトウェアで貢献はできていません。けれども、今できる範囲でマーケットを大きくする貢献をしようこの業界とその業務の魅力を日本一楽しくわかりやすく伝えよう。そう決めました。楽しさや魅力を伝えるのはわたしにもできると思ったから。

実はこの決断、こんなことを書いていながらウジウジ悩んでいました。やっぱりスタートアップ企業の経営者だって胸を張るなら、他にやるべきことがあるのは明白だからです。でも、ひょんなことから一緒にごはんを食べる機会があった超カッコいい某コピーライターさんが「毎月一個だけ。たくさんやっちゃうと本業が疎かになるから。でも一個。自分が役に立てる、役立ちたいと思うものがあったら、自分からコピーを自分に書かせてもらえませんか。ってアクションしている。」というお話を聞きました。収益性と社会性どっちも取ってみようと決断できました。(当然、収益性があるものに社会性が全く含まれていないわけではないですが。)

今後の経営方針

フロンティアになる

こうした機会とご縁をくださった方はデジハリ大はジーズアカデミーさんとプライム上場企業であるサツドラHDさんです。本当にありがとうございました。そして、最終的にわたしはごめんなさいと言わねばなりません。今年度からは継続しないことを決めたからです。

教育は、登山で言えば最後尾(しんがり)的な性質をもっています。後ろから支えるリーダーです。わたしはこれまで多くの企業のデータ分析基盤構築やデータマネジメントのお仕事をさせていただきました。そんなわたしは企業の最先端の課題にふれる機会に恵まれているはずです。だとしたら、その課題を解決することに尽力すべきで、先頭を歩くべき。フロンティアになるべきだと思いました。

今年度の挑戦と、やらないこと

積み上がった業績も簡単に得られた結果ではありません。当然、失いたくないです。しかし、やらないことを決めなければ、新しいことに挑戦する時間も増えません。

早く世の中を変えるためには、早く製品やサービスをつくり提供しなければならない。時間を圧縮する工夫が必要です。3期目に入った現在、一層焦りを感じています。タイミングを逃せば、自分の仮説を他人に検証されてしまう可能性すらあります。

エクイティ調達をすることでスケールする事業体になるため、第1四半期は次のような行動に移しました。

  1. 研修事業を一時的にやらない

  2. 既存ソフトウェアのアップデートをやらない

  3. 新しいデータカタログという新プロダクトをつくる

  4. アクセラレータープログラムへのアプライ(応募)

しんがり的な経験や機会をいただいたからこそ、今期からフロンティアになる決断ができたとおもっています。このような機会とご縁をくださり、本当にありがとうございました。

第1四半期はまだ芽が出ていませんが、第2四半期以降に具体的な成果や進捗になるように、また3ヶ月がんばります。よろしくおねがいします。

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