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StartPassを利用してみた話

本記事は 株式会社パタンナー アドベントカレンダー 2021  15日目の記事です。

前回に引き続き、キャッシュエンジン事業を並行しているスタートアップにつきまとう葛藤について振り返りたい。

前回は、キャッシュエンジン事業に取り組むと、キャッシュを確保することによってスタートアップとして最も重要なリソースである時間を失ってしまい、その結果スケールできない状態に陥ったことについて反省した。

最近、腹が決まった。おカネよりも時間が大切だ。

StartPassとは

経営支援プラットフォーム | StartPass

サブスクリプション方式(月額課金)のスタートアップ支援サービスである。公式HPの文章をお借りすると、「採用」「VCとの接点」「PR/広報」など、それぞれのフェーズで立ち塞がる課題を株主ではない立ち位置から支援するサービスである。

キャッシュエンジン事業で失うのは時間だけでなく、スタートアップ精神である

おカネを稼ぐという行為は、シンプルな利他的行動だ。人間って自分のために時間を投じることをサボるのが得意な気がする。キャッシュエンジン事業をやれば簡単に自分を忙しくできる。忙しくさせて向き合うべきことに向き合えていない自分を正当化する魔法をかける。そうして失うのは時間だけでなく、スタートアップ精神だ。

あなたの周りの5人の平均があなたである。

ジム・ローンさんという起業家の言葉だ。5人の法則やつるみの法則なんて呼ばれている。自己啓発には興味もないし、科学的根拠なんて知らないが、これはなかなか当たっている気がする。

スタートアップ起業家ってスタートアップ界隈内でワイガヤやっていらっしゃる感じで正直苦手だった。ワイガヤやらないスタートアップ起業家はワイガヤしないから出会う機会も少ない。インドア同士は出会えないから本当に人生はむずかしい。

ワイガヤって言ってたけど、スタートアップって日本社会全体でみるとごく少数。ほんの僅かだ。だから、普通に出会う人たちに事業アイデアも事業づくりのプロセスも理解されづらい。マジでモチベーションが下がるような発言に出会う確率が異常に高い。

逆にスタートアップ起業家の話を聞ける機会に触れると自分自身が触発される。こういった機会はコロナ渦において起業した自分にとって重要な機会だ。

利用したこと

StartPassで利用した(している)ことは主に3つある。

  1. スタートアップ価格での各種提携サービス利用(StartPLUGIN)

  2. スタートアップ起業家のウェビナー聴講(スタートアップウェビナー)

  3. 私のわがままを実現していただいた”日報チャンネル”

StartPLUGIN

アドベントカレンダーで紹介した複業クラウドはStartPass経由で利用した。スタートアップにとって便利なサービスって多いんだけど、法人価格ってなかなか高い。同じ起業家である以上、払えるなら払いたいんだが、キャッシュに限界がある。でもスピード感を持って事業を推進させたい。

StartPLUGINと呼ばれるサービスは、そんな起業家の悩みを解決してくれる素晴らしいサービスだ。

かゆいところに手が届いているサービスだ。各事業者がスタートアップ向けに特典を出していても探す時間がない。StartPassは成長フェーズやサービスカテゴリ別に利用サービスをキュレーションしている。特に0→1フェーズの起業家は自社の事業開発にフォーカスしたいと思うから、サービスを探す時間を圧縮できると死ぬほど助かる。私はとても助かった。

スタートアップウェビナー

スタートアップウェビナーは、ベンチャーキャピタルのウェビナーもあれば、資金調達やM&Aを達成したスタートアップ起業家の事例紹介ウェビナーもある。内容は時期やタイミングによってさまざまである。

特に有り難いのは、リアルタイムで参加できなくても過去のアーカイブを視聴できることだ。キャッシュエンジン事業をやって(しまって)いる起業家の私にとっては非常にありがたい。

このウェビナーの何が良いのか?というと、スタートアップ精神の醸成だ。オンラインで画面越しだけれども、どこか近くでまだ世の中にないサービスを作っている起業家がいるって思うだけで、俺もやったったろう!という気持ちになる!

アーカイブで見ればいいやって思うと、スタートアップ精神は醸成されない。見れるときはリアルタイムで見るようにしている。正直、スケールする事業アイデアにたどり着いていない起業家は退屈になることもあるかもしれない。逆に言えばそれくらいスタートアップであることにフォーカスしている内容と言える。

私の場合、第三四半期を終えてからウェビナーの楽しさが段違いに上がった。多分、自分が少し成長して、スタートアップをやることに覚悟が決まってきて、スケール事業に向き合いはじめたからだとおもう。

p.s. マジでふっつーにアツい話する起業家が多すぎて、若干ビビる。

日報チャンネル

私が日報チャンネルをリクエストしたときのFacebookメッセージ

ワイガヤは苦手なんだが、起業家が近くにいないと起業家としての自分の視座が上がらないことも自覚していた。フリーランスだとフリーランスの知り合いは増えるけど、スケール事業については話せないのだ。友達にはなれなくても、直接話せなくても、他のスタートアップ起業家の考えていることに触れていけば、その平均に近づけるだろう。そうおもった。

実際のところ、私よりも日報を続けている起業家がほとんどである。アクセラレータに採択されたり、採用やプロジェクトが進んだり、利用ユーザー数が増えたり、たまに新しい起業家がチャンネルに参加したり、この一年足らずでもスタートアップ起業家の変化量が大きくて刺激になる。

おわりに

これは本来直接言うべきなんだが、StartPassに参加したおかげでベンチャーキャピタルとスタートアップに対するアレルギーが改善した。StartPassの小原さんに話を聞いていただいたり、ウェビナーで登壇されるベンチャーキャピタルの方のお話を聴講することで、ベンチャーキャピタル側の考え方や課題を理解できた。そうすると、ベンチャーキャピタルの壁打ちフィードバックの意図や背景がわかるようになった。

スタートアップもそうだ。スタートアップと一言でいってもいろんな起業家、経営者がいる。インターネット上には広報力があるスタートアップのポジティブ()な情報ばかりが溢れているから、同じタイプの人間にはなりたくないって思うことも正直ある。実際、自分自身がスタートアップで働いたときに、スタートアップ界隈の怖さを目の当たりにしたこともあって、今でもちょっと怖い。

でも、もっと愚直にやっているスタートアップ起業家はたくさんいる。自分自身がなりたい起業家像だけを見ていればいいと思えたのも、StartPassのおかげである。本当にありがとうございました。

来期は何かしらの成果や進捗を出して、自分自身が他のスタートアップ起業家の役に立つ情報を提供できる立場になりたいし、今頑張っている起業家と同じかそれ以上にスケールする事業を作り上げたい。作り上げる!



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