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玉水物語

「玉水物語」(たまみずものがたり)は日本の御伽草子のひとつです。
御伽草子というのは、鎌倉時代末から江戸時代にかけて成立した、当時としては新奇な短編の絵入り物語です。一寸法師とか浦島太郎とか、有名な昔話がそれです。
某日、インターネッツで調べ物をしていたときに、偶然このお話を知りました。
じつはそこそこ有名なお話のようです。ただし、ほかの昔話のように絵本などで知られているのではなくて、最近(2019年)、大学入試センター試験の国語の問題として冒頭部分が出題されて話題になったという理由です。

お話は、あるお嬢様に心を奪われた狐が人間に化けて、そのお嬢様にお仕えするというもの。
作者不詳です。
一般的な異類婚姻譚ですと、姫を見初めた狐は男に化けて姫と恋愛関係になるのですが、このお話では敢えて女性(同性)に化けて姫のもとにお仕えする、という形になっています。
管理人は、当初はセンター試験の問題文だけを読んだのですが、内容があまりに尊いので、ネットで検索して全容を学び、ついでにアマゾンで電子書籍まで買ってしまいました。

電子書籍の「玉水物語(現代語訳)」は、水谷悠歩さんがKindle版でUPしています。

御用とお急ぎでない方は、いちど読んでみると人生の糧になるかもです。
管理人がこのお話に心を動かされたのは、昔の受験を思い出したからです。
40年以上昔のことですが、某S大学の入試問題で、英語の長文読解がこれに似たお話でした。
いわゆる異類婚姻譚で、メスの狐が男のもとに姿を変えてやってくるお話でした。舞台は中国で、おそらく出典は聊斎志異などの古典だと思われます。
いまだに覚えているのは、出題が試験問題のわりに面白くて正解を書けたからだと思います。
その大学に合格できたのは、狐のお話のおかげかもしれない。
ということで玉水物語。
受験生の方は、勉強の息抜きに読んでみよう。

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