「キャリアの一貫性」とやらと個人の想いは関係ない
朝晩冷え込むようになってきましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?先週、note当番だったのに全然書けずこっそり週明けにnoteを書いている石倉です。
さて、弊社ではApplyという「求職者のエージェント」事業を運営していることもあり、多くの個人の方のキャリアについてお話しする機会が増えてきました。また自分ももともと採用担当の仕事をしてましたし、今も人事や採用に携わる方とお仕事する機会は多いのですが、その中で出てくる言葉として違和感を覚えている言葉があります。
それは
「キャリアの一貫性」という言葉です。
「キャリアの一貫性」は採用場面でよく使われる言葉です。
書類選考で不合格になってしまう理由として多いものでもあります。「優秀な人かもしれませんが、、キャリアに一貫性がないので...」のような感じで。おっしゃりたいことはわからんでもないです。
ただ、キャリアの一貫性ってなんでしょうね。
ずっと同じ職種の仕事であること?業界が同じであること?みんなが納得するようなキャリア選択の理由があること?...
少なくとも、会社規模ややっている仕事がその時々で変わり、それが一般的にみた「みんなが歩みそうなルート」ではない時に、一貫性がない、という評価になっているのではないかと思います。
正直、どれが正解かわからないですし、なにをもって「キャリアの一貫性」というかは人それぞれなんだろうな、と。
そして、キャリアの一貫性ってなんで必要なんでしょうね?
その時の仕事やキャリア観、家族などの状況によって「仕事から何を得たいのか?」は変わりますし、「仕事にどのくらい比重を置くか?」も変わっていきます。
その瞬間は、その人にとって最善の選択をしてきたかもしれないけど、それでも周囲から見ると「一般的ではない」キャリア、経歴になっている方というのはたくさんいるのではないか、と思います。
会社員とフリーランス、複業などを行ったり来たり、いろんな規模や職種や働き方を経験してきた人ほど「キャリアに一貫性がない」といった理由で書類選考に落ちてしまったり、転職エージェントでなかなか良い案件を紹介してもらえないことがありますが、これって本質的ではないよなぁと。。
自分でも会社をやっていて思いますが、
究極的には「必要なポジションで求めている仕事ができるかどうか」でしかないよな、と思います。
そのポジションや仕事に最適な人が、前がフリーランスだとか時短だとか、いろんな職種を経験してきただとかは正直どうでもいいことなはずなんですよね。
突き詰めて考えていくと、
出来るだけ同じような仕事をずっとしてきた人がいいのではないか?という幻想だったり、転職エージェントであれば受かりやすい人を出来るだけ優先したいという事業構造の問題によって「キャリアの一貫性大事説」が生まれてきているのではないかな、と思っています。
また個人にとって俗にいう「キャリアの一貫性」があったとしても、それと個人の想いは別であり、キャリアに悩んでいる方もたくさんいます。
例えば、ずっと営業〜営業企画の仕事を一貫してやってきて大手からSaaSのスタートアップまで経験している方がいます。
この方は「キャリアの一貫性」はあるわけですが、本人としたら「営業」という職種から転向して、PdMにチャレンジしたい、そういうチャンスがある場を探していることもあります。
ただ、逆に営業や営業企画としてキャリアの一貫性があるがゆえ、転職エージェントにいっても営業や営業企画に関連する仕事の紹介が多くなったり、自分で媒体経由で受けた会社もどうしても営業や営業企画の関連職種になってしまう。
このようにキャリアの一貫性があったとしても、本人の想いやチャレンジしたいことと異なった時に、キャリアチェンジするのは一筋縄では行きません。むしろ、同じ職種や経験が長く、キャリアが一貫していればいるほど、キャリアチェンジするのは難しくなってしまう現状もあると感じています。
こんなに変化が早い時代です。
HR系の仕事をしていて思いますが、毎年のような新しいポジションや仕事が生まれ続けていますし、企業の求める人材も多様なバックグラウンドになってきています。
そんな中でいわゆる「キャリアの一貫性」とやらはそろそろ終わりを告げ、あまり意味のない価値基準なのでは?と思いますし、むしろどんな職種や仕事にでも柔軟にフィットしていったり、多能工化していくことの方が求められてくるようにも思います。
ただし、
現在の転職エージェントや採用の仕組みはそこに追いついていません。
転職エージェントは約2万社あると言われていますが、その中で「キャリアの一貫性なんてどうでもいい。」と言い切って、その人の実力やスキル、そして想いに向き合って、仕事をする事業が1つくらいあってもいいかなと思い、Applyというサービスを作っています。
ないなら作ってしまおう、自分たちでチャレンジしてみようと始まったものではありますが、ぜひちょっと話聞いてくれよ、という方がいましたらお気軽に以下からお問い合わせくださいー!
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