面接における「経験」と「スキル」と「能力」とは何か
過去振り返ると1万人以上は面接や面談をしてきました。
今でも仕事柄年間で数百人単位で面接もしてますし、CasterRecruitingというベンチャー、中小企業に特化したオンラインリクルーターサービスで累計80社以上の採用業務を請け負ってるので他社の採用面接のやり方などを見る機会が多いのですが、面接において「経験」と「スキル」と「能力」がごちゃごちゃになってしまってしまうなと感じることが多々あります。
正解のない話ですし、人によって解釈は違うと思いますが、私なりに面接場面におけるこの3つを整理してみたいと思います。
3つの言葉を整理すると
まずよく一緒くたに使われがちなのが「経験」と「スキル」です。
この2つの言葉はよくセットで使われます。
ただ私はこの2つを明確に以下のように定義して使ってます。
経験
言葉の通り「経験」してきたこと。事実として過去やってきたこと。(営業を3年やってたら、営業経験が3年あるという使い方です。)
スキル
経験を通してできるようになったこと。武器のして世の中に提供できるようになっている力のこと。
以上のように分けて使っています。
なので、その職種の経験者の採用面接でも
・経験がありその経験がスキルにつながっている人
・経験があるが、その経験がスキルにつながっていない人
の2つが存在することになります。
そしてこの2つの言葉をわけて考えたり面接で見極めないと「経験もあるしできるだろう」として採用した人が全然活躍しなかった、みたいなことになります。
そしてもう1つの言葉である「能力」です。この能力をどこまで見極め項目に入れるかどうかで会社による採用力は大きく変わるのですが、そのあたりの詳細はまた後述します。
私はこの能力をこう定義付けてます。
能力
経験をスキルに変える力
上記の定義でいくと少ない経験から多くのスキルや早くスキルにできる人が「能力」が高い人になります。
評価時の3つの言葉の関係性
3つの言葉を定義できたとしてどのように面接時の評価に活用していくかの話をします。
すでにお察しの人もいるかと思いますが、採用してはいけないのは
「経験はあるがスキルになっていない人=能力のない人」です。
逆に採用すべきは「経験に比べてスキルが高い人=能力の高い人」ですね。
この「能力」というものの正体は一般的にもよく使われている地頭、論理的思考力、自走力などの力の総称なのですが、要は「経験をどういう形でスキルに変えるのが得意か?」という力です。
論理的思考力が高い人は、経験を論理的に捉え理解し、スキルに変えていく力があるという感じで評価しています。
要はどんなに経験だけあってもダメで、それをスキルに変える力があるかどうか=能力が高いかどうかを見極められるかがポイントになります。
能力が高い人は過去の話を聞いても、何かしらの業務経験をスキルに変えています。
私は面接や面談の中で、どういうスキルに変えたのか、スキルに変えた上で何の能力が秀でているからできたのか?を見いだすことにほとんどの質問を集中させています。
もちろん目の前の人が活躍できるかどうかはこの3つだけでなく、
・能力を使う気があるか(マインドセット)
・能力の使い方を知っているか(思考法)
・その能力をフルに発揮できそうか(カルチャーフィット)
などの要素もとても大事です。
ですが、経験とスキルと能力の3つを正しく理解し、使い分けることで「経験あるから採用したのに全然ダメだった」となる確率を下げることはできるのかな、とは思います。
本日は以上です。