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単一指向性マイクの性能検証

今回は周囲の音を拾いにくいマイクを探すお話です。

自宅からWeb会議に参加すると、自分の声だけでなく、周囲の音まで拾ってしまいます。

私は最近になって、生活環境が少し変わったため、周囲の音を拾いやすくなりました。ちょうど、対策を考えているところです。

マイクの指向性

最近、ふとした拍子に、マイクには指向性があることを思い出しました。
次のものがよく見られます。
単一指向性マイク:前方から来た音を拾うマイク
無指向性マイク:全方向から来た音を拾うマイク
※その他、双指向性などもあるそうです。

周囲の音を拾いたくない場合には、単一指向性のマイクが向いています。

思い出したのは子供の頃の体験です。
実家には結構立派なカラオケセットがあり(昭和の田舎あるあるです)、両親がカラオケの歌声をカセットテープ(!!)に録音していました。
周りで私が騒いでいても、その音が全く記録されていないことに、小学生ながら驚いたのを覚えています。

カラオケは増幅した声をスピーカーから出して歌うので、マイクに単一指向性がないとハウリングで困りますね。

というわけで、アマゾンで格安の単一指向性マイクを購入しました。
ここで製品を紹介したいところですが、性能が今一つだったため、詳細は伏せておきます。

実験

「単一指向性」がどの程度か確認したくなったため、簡易的に測ってみました。

今回は、スマホのスピーカーから正弦波を出しながら、マイクの周囲50cmぐらいを1周したときの音を録音し、結果を音声エディタで確認しました。
騒音だらけの部屋で素人が手操作によって測定するので、参考程度にしかなりませんが……。

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結果は以下の3つの製品で比較します。
単一指向性マイク:今回購入したマイク
Webカメラ:大昔に3000円ほどで購入したUSB接続のWebカメラ
スマホのマイク:数年前のAndroidスマホに内蔵されているマイク

波形の計測結果

以下は、実際に録音して音声エディタで表示した結果です。
全体の録音時間は5秒程度、波の振幅は音の大きさです。

単一指向性マイク
単一指向性を謳う製品だけあって、確かに背後からの音は拾いにくい傾向があります。

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Webカメラ
Webカメラは、同じ音を鳴らし続けると自動的にレベル調整されるようでしたので、一定間隔で音を消しながら計測しました。
単一指向性マイクに比べると、背後からの音も拾いやすい傾向があります。

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スマホのマイク
スマホのマイクは変動が激しいですが、音量の変化というよりは共鳴で音が波打っている感じでした。
この機種はWebカメラより全方向の音を拾いやすいようです。

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3つの比較
画像の上で波の平均的な幅をトレースして重ね合わせるてみました。
単一指向性マイクの特性が分かります。

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まとめ

波形の比較では単一指向性マイクが周囲の音を拾いにくいと分かりました。

ただし、実際の印象では、もう少し正面以外からの音をカットしてほしいというのが正直なところでした。
案外、人間の耳は性能がいいようです。

いずれにせよ、Webカメラのマイクよりは良く、Web会議などに活用できそうな印象でした。