【2022/11/08~2024/02/27 Vol:4】
パートナーと一緒に暮らす団地は5階建て
最上階に住んでいる遥を送り届け事務所兼寝床に戻る
何かあったら駆け付けられるように枕元には電話を置いておく
代替療法を施し終えると送り届けるのだが
それも2週間ほど経ってからは帰る事もままならない
体力が衰えてて事務所兼寝床で共に過ごすようになる
仕事帰りに彼氏が立ち寄り一緒にご飯を食べて
彼氏は帰っていく
悔しながら彼氏が立ち寄ると遥は幾分元気になる
それはまっとうな姿
二人きりの時間が必要だろうと思い
時々たばこを買いに出かけたり
コーヒーを買いに出かけたり
戻ってきたら手を繋いで優しい表情で遥に寄り添う彼氏
美しい二人の姿にトイレに籠り涙を流してしまう
今日施した治療の話やその後の体調の変化
彼氏とひとしきり話を終えたら疲れて横になる
彼氏が帰りまた親子二人っきりの時間になる
夜中に嗚咽と便意で起き
そのままトイレに駆け込む
一晩に何度も何度も
もはや吐き出すものなどないのだが
薬の副作用で嗚咽が止まらない
背中をさすりうがい用の水を手渡し
一晩中トイレにしゃがみ込む遥
その背中が日に日に痩せていく事は私が一番わかる
それでも希望を捨てちゃだめだと思い直し
翌日の体調を聞きながら
治療を決めて行う
この頃から食も細くなり
一日食べてもせいぜいリンゴ半分程度
果物が好きで果物だったら食べることが出来た
柿が体にいいと聞けば柿を剥いて差し出す
『柿ばっかり』と言われながら身体に優しい物で
出来るだけ消化に良い物を
妻も一緒に三木の米ぬか酵素風呂に行ったときには
妻がいる安心感から帰りがけに温泉に入り
ご飯を食べて帰る
家ではご飯も食べられなくなっているから
食べたいものを食べたいときにという想いしかなかった
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