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子育て世代が直面”小1の壁”「小学校があと30分早く始業したら」を考える
関西テレビが報じた”子育て世代が直面“小1の壁” 「小学校があと30分早く始業だったらな…」とため息も 朝も夕方も時間との戦い 首相も「喫緊の課題」と認識 一方で"勤務は午後4時まで"の子育てに優しい会社も
には、多くの学校の先生から厳しい意見がSNSを中心に寄せられています。
多くの学校の先生から「小学校は子守りの場ではない」「教員の仕事量はもう限界」「ふざけるな」と批判的な投稿が目立ちます。
ただ、インタビュー対象者には責任は無く、真に心の声なのでしょう。
出勤時間と登校時間の間(はざま)で苦しんでいる保護者のお気持ちもわからないでもありません。
そして、限界まで追い詰められている先生方の思いも理解できます。
そもそも、もうすぐ47歳になる私の小学生時代も登校時間は今と変わりませんでした。
この間、人口動態や社会のあり方は大きく変わりました。
核家族化、少子化、人口の都市部への集中、働き方の多様化などです。
なのに、学校の登校時間、下校時間、学校行事や役員のあり方等についてはほとんど議論されて来なかったのではないでしょうか。
登校時間の課題
まず、登校時間ですが、私の中の結論から言うと、これ以上早めることはできないでしょう。
教員だって労働者です。
当然ですが先生も家庭では家庭の役割がありますし、本来業務に専念してもらうためにはこれ以上の無理強いは絶対にしてはいけません。
学校行事や保護者の関わりの課題
次に学校行事や役員については、一旦ゼロベースで考え直す必要があるかもしれません。単に「毎年やっている」から行事をするのでは無く、また、いらぬ軋轢や負担感を生むPTA役員のあり方も十分に議論の余地があるでしょう。
ただこれは私が育った田舎では学校行事がすなわち地域行事になっていて、地域の方々が積極的に手伝ってくれる場合もありますから、一概に良いも悪いも言えません。
地域の特性に応じた柔軟な考え方が教育に反映されると良いと思います。
放課後の過ごし方の課題
そして、放課後の過ごし方ですが…。
これは保育者養成校の教員としては大いに反省すべきことがあります。
例年、保育者を養成している大学・短大等には多くの放課後児童クラブから求人が来ます。
しかし、多くの学生は保育所・幼稚園に進路を求め、どうしても放課後学童クラブの求人に応じる学生が限られてきてしまいます。
いくつか要因がありますが、私が最大の要因だと思っているのが保育士養成カリキュラムが幼児教育・保育の学びが中心で、学齢児に関する学びの機会が極めて少ないということ、そして、その教授内容も幼児教育のテクニックに偏りすぎていることが挙げられます。
もちろん、私が反省したところで教授内容やカリキュラムを決めるのは私では無く、厚労省(今後はこども家庭庁か?)やその中央省庁に検討を委嘱された方々なのですが…。
では、私にできることは、、、
児童福祉法第18条4に保育士は、『保育士の名称を用いて、専門的知識及び技術をもって、児童の保育及び児童の保護者に対する保育に関する指導を行うことを業とする者をいう。』とあるとおり、保育士のカバー範囲は乳幼児ではなく、「児童」なのだということをしっかり伝えていくこと、そして今回の関西テレビの報道のような問題意識をしっかり持つ保育者を養成することだと思います。
まとめ〜子育ての喜びを実感できる社会に〜
少子化対策はおそらく「今」がラストチャンスでしょう。
当然財源の問題も生じますから、限られた予算の中で、どの予算に重点を置くのか。
防衛負なのか、社会保障費なのか
国債なのか増税なのか
あの箱物は今必要なのか、やはり学童や保育所に資本を投下すべきなのか
あくまで生活の便利さを追求するのか、ある程度の不便を社会が甘受して子育てに優しい国づくりをしていくのか
いろいろな議論があると思います。
しかし「仕事と子育ての両立」が間違いだったのは明白で、あくまで目指すべきは「調和」です。
「両立」は足し算(仕事+子育て)、
「調和」は「(仕事+子育て)÷2」です。
どうか先生方も保護者の方も疲弊せずに子育ての喜びを実感できる社会になるようにと強く願い、今回は終わりにします。
相変わらずの長文を読んでいただき、ありがとうございました。