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逃避の散歩 165.夜の中川遊歩道から蘆花恒春園まで

夜風が気持ちいいなと思ったら、京王井の頭線久我山駅を降りていた。そして人見街道を西へ進み、7分に三鷹市に入ったところで牟礼橋の歩道を挟んた都道14号・東八道路へ移り、14分に三鷹台団地南口交差点に着く。東八道路は何度か横切ったりしているけどいつかきちんと端から端まで歩きたい。

この交差点には中川遊歩道という暗渠道の始点がある。途中で世田谷区に入ると川の名称が水無川に変わり、下流の蘆花恒春園まで続く道を歩く。以前に世田谷区側から上流のここまで昼間に何度か歩いたことはあるが、今回初めて夜に上流から下流へ歩く。

横断歩道を渡り始点(トップ画像参照)を過ぎる。道の左右に植栽があるため道幅が狭くなっている。街灯があるものの薄暗い箇所が意外と多く、カメラの夜間撮影モードが働いて数秒間そのまま立ち止まらなければならないくらいだ。

そのせいでいつもよりスローペースになるけど、たまにはいつもより速度を遅めに歩くのも悪くない気はする。いまは人通りもなく、歩いているのは自分だけだ。

歩いて2分で道幅が広くなるが、左右を仮囲いに挟まれる。以前気になって調べてみたらこの地下に東京外かく環状道路が通るそうだ。地上部も道路として整備されるらしく、完成するのはまだ先の話だろうけど、こうして通り抜けられるのは今のうちだというのも間違いない。

仮囲いの間を抜けると狭い路地との交差点を経て、農地の間を左へ曲がりながら抜けていく。それを抜けた5分に1車線の一般道路と交差する。ここで車輪止めが初めてお目見えする。この先もいくつか同じような交点があり、それぞれ起伏があるので何かの橋跡だったのかなと思いながら先へ進む。

今度は右へカーブし、次の交差を過ぎたところで直線かとおもいきや、道の中で左右へ細かく蛇行するように整備されている。ちょっと平衡感覚が狂いそうになりながら、次の車輪止めがある交差点に差しかかるところで蛇行した上り坂になる。

薄暗くて歩きづらく感じつつ交差点を過ぎると、また右へ大きく曲がりつつ歩道は細かく蛇行する。

次の交点に差しかかるところで直前の蛇行するあたりでは暗くて視界も悪くなり、交点を越えるあたりでやっと街灯で先が分かる。カーブミラーがある先を進むと、右に曲がり50メートルほど進んだところで左へ3段階で大きく曲がった後に直線となる。

昼に歩くと気にならなくても、この遊歩道のように左右を住宅に挟まれて細かく蛇行する上に視界が悪い道を夜に通ると月の位置が分からなければ「どのあたりを歩いているんだろう」と方向感覚が狂う人がいてもおかしくないなと思いながら先を進む。

また交点を一つ越えると藤棚が見えてくる。これを通り過ぎてさらに交差点を一つ過ぎてやや左へカーブしていくと、この遊歩道が終わりに近づく。

16分で中川遊歩道は終わり、中央高速の高架前に出る。左前に見える高架下をクランク状に抜け、左折して二つの角を越えると車輪止めがある細い道が見えてくる。

19分、この車輪止めを越えて世田谷区に入る。それと同時にこの先は川の名称も水無川に変わるが、「~遊歩道」のような名称はつかない自転車歩行者道として続く。東京電力の烏山変電所がある最初の角を過ぎると道幅が少し広くなる。

さらに一つ角を経て都立世田谷泉高校の裏側を抜けつつ、左へカーブしながら区立給田水無公園の前を過ぎる。このあたりで今まであった閉塞感から開放され、月の位置もはっきりわかるくらいになる。ちなみに、この公園前には水無川についての説明が記された案内板がある。

続けて区立給田四丁目緑地前と次の角を過ぎ、区立給田小学校の北側を抜けたところでまた道幅が狭くなり、住宅の間を通り抜けつつ右へカーブしていく。直前で少し左へ曲がりつつ合流した道を右折する。「交差点注意」の幕が張られた車輪止めがある先を進んでいく。

農地の横を抜けつつ32分に国道20号・甲州街道の給田歩道橋を渡る。ここからまた狭い道になり、途中で細い一般道路と並行して進む。またさらに左へカーブして36分に旧甲州街道へ出る。

正面に区立の駐輪場が見え、車通りが多くそのまま渡れないので進行方向から見て左側、関東バス西烏山停留所とその先にある信号付きの横断歩道を渡って迂回する。

区立北烏山自転車等駐車場がこの暗渠道の続きとなっている。最初は左へカーブし、道路を挟んだ先で右へカーブを抜けた先は街灯の間隔が短いため意外と明るい。緩やかな蛇行をしていくとここでやっと人とすれ違う。その理由はすぐにわかる。

41分に京王線千歳烏山駅の北側に出る。ホーム下に川が流れている様子が見える。当然だがこのまま真っすぐは進めないので、左折してすぐのところにある地下通路から南側へ抜けて線路沿いに右折。

京王線の高架工事の仮囲いがされた味気ない区画にその続きがあるのだが、これまでとまた少し違う様子が一目でわかる。

たまに暗渠跡で見かける、名称板の付いた小さな標柱が左右についている。光がその後ろから当たっているので読みづらいが、「水際の散歩道」と記されている。

入って最初の角で橋跡であることを示す橋名板が付いているのに気付く。最初に過ぎるのは天神橋。先を進むと道の中央に木の植栽があり、それによって街灯のあかりが遮られて薄暗くなる。これを考えた人は、明らかに夜に人が歩くことを想定していないんじゃないかと思う。

次のさかりはし跡でも広めの2車線道路に出る。先がガードレールに遮られていることもあり、そのまま渡らずに左側にある横断歩道から迂回して進む。続けて次のみなみみずなしはし跡も2車線道路が通っているため、また左側の横断歩道から迂回する。

四つ目のめぐみはし跡から交差する道路が1車線道路になる。そのまま横断して雲雀ひばりはし跡、西之橋跡、境橋跡を過ぎ、栄橋跡で一般道路と並行する歩道となる。

左へカーブし、57分に小田急バス粕谷区民センター入口停留所がある新大橋跡に出る。この通りは夜間でも車が通る2車線のため、右側にある交差点を迂回して先へ。次の粕谷橋跡で一般道路と並行する区間がいったん終わる。

ここから次の原の橋橋跡までの右へカーブする間の区間に人工のせせらぎがつくられている。そして、さっき通った区立給田水無公園の前にあった案内板がここにもある。

区粕谷区民センターの西側に出て、1時間1分に区道の粕谷区民センター通りとの交点となる原の橋跡前にある横断歩道を過ぎる。再び一般車道と並行するが街灯が少なく木々もあって薄暗い道になり、左へカーブして中之橋跡を過ぎるとまた並行区間は終わる。

1時間4分に水際の散歩道の最下流に位置するつきどいばし跡に出る。区内7駅ラリー(87回)で小田急線千歳船橋駅から京王線千歳烏山駅へ向かう際に通った千歳通りと合流しており、左側に三角形の交通島が特徴の芦花公園西交差点がある。

芦花公園西交差点は信号の切り替わりが早く、待ち時間が長い。交通島を中心に京王バス蘆花恒春園停留所と小田急バス蘆花恒春園前停留所、二つの路線バスの停留所があることも関係しているのだろう。そのおかげで100メートルほどの迂回路なのに先へ進むまでに3分は時間を食った。

迂回が終わると暗渠は一般車道に変わり、「蘆花通り」という区道の名称が付く。

右へカーブしながら自動車教習所の裏側を抜けると、視線の先に知る人ぞ知るガスタンクが見えてきた。ゴールは間近だ。1時間9分に蘆花恒春園の西側に位置する交差点の横断歩道を渡る。ここからは同園に沿って右へ大きくカーブしながら進んでいく。

園内から虫の声が聞こえる。思わず進める歩も止めてしまいそうになるほどわずかな贅沢を感じるが、もうゴールに着いた。

1時間14分、環状八号線の千歳台交差点に到着。歩道橋で対角線の角に渡ると、烏山川緑道(54回)の始点に出る。

この歩道橋を渡った交差点の対角線側に烏山川緑道(54回)の起点がある。さて、まだ電車があるようなのでどこから乗っていこうか。ここから左へ行けば京王線八幡山駅、右へ行けば小田急線千歳船橋駅がある。いや、いっそのこと小田急線経堂駅に行くか。

今回のルートはこちら。