逃避の散歩 125.八王子市内4駅?ラリー(都内駅ラリー完結編)
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東京都内の鉄道駅前を訪れて通過するラリーの対象駅も残すところ4駅。
思えば都電荒川線全駅(5、6、7回)から鉄道駅前を通過する散歩を始め、板橋区(41、42回)から鉄道がある各自治体内の駅前を通過することも並行しはじめた。そして足がけ3年弱、ついに大詰めに来た。
残るは八王子市内の4駅。今回はそれらを踏破することで都内すべての駅前を訪れたことになる。
今回は市内6駅と町田市2駅のとき(123回)に通過した京王高尾線山田駅からウォームアップをする。
改札口から見て左側の下りに進み、最初の角を左折。そこから線路沿いの道に入る。最初は歩行者1人分の幅しかない狭い道だが、1分ほど歩くと車が通れるくらいの幅がある道と合流する。跨線橋を1つ越えて4分経過したところで下りとなり、左側に線路のガードがある坂下で右折する。
そして最初の角を左折し、小さな川に架かる山王橋を渡って少し進むと丁字路の交差点があり、そこに立てられている案内板でさっきの山王橋が架かる川の名称が山田川だと知る。交差点を左折し、京王高尾線のガード下を通過してすぐ右折。線路沿いの上り坂を進むと奥に階段が見える。
階段を上り切ったところから見て左側の教会が見える角へ進む。そこからしばらくは平坦な道が続き、跨線橋が見える十字路を越えると、京王めじろ台マンションの前を通過する。奥側にあるA棟の入り口を過ぎたところに自由通路があり、その奥を覗くと駅名板が見えたので、その方向へ。
今回の始点となる駅のロータリーと出入口が見えてきた。
18分で京王高尾線めじろ台駅に到着。
ここから改めてカウント開始。今回の通過する駅はたった4駅。通過する順番は以下の通り。
京王高尾線めじろ台駅→京王高尾線狭間駅→高尾駅→京王高尾線高尾山口駅
京王めじろ台マンションA棟東側にある交差点の歩道橋を渡って左折。下りになっている道を進み、最初の交差点を右折。上下二車線の住宅街の通りを進み、3つ目の十字路を越えたところから上りになる。坂上で国立東京工業高等専門学校の前に突き当り、左折して坂を下る。
坂下で椚田遺跡公園通りの国立東京高専交差点に出る。この通りは京王高尾線山田駅の南側、八王子斎場東交差点から西へ延びている市道だ。交差点を右折してこの通り沿いに進み、国立東京高専西交差点を右折する。
地形的に考えたら当たり前なのだが、道は上り坂になる。坂上にある跨線橋前を左折し、100メートルほど進んだところで次の駅が見えてきた。
19分経過、京王高尾線狭間駅改札口前を通過。この向かいには市の総合体育館・エスフォルタアリーナ八王子がある。
このまま線路沿いに進み、ホームの西端を過ぎたところで狭間公園に差しかかる。そこで道は左右に分かれる。グーグルマップによると、左は公園の外郭を抜け、右は公園の間を抜ける。右の道を選び、S字カーブの下り坂を進んでいき、坂下で線路のガード下を抜けて左折。東浅川交差点へ出る。
このまま高架沿いに進めば次の高尾駅南口に出るが、あえて今回は少し遠回りし、見栄えのいい北口へ向かうことにする。
同交差点を右折して都道47号・町田街道を北上。東浅川小学校前交差点を過ぎてJR中央線のガード下をくぐってすぐの所にある階段を上り、北側の角を左へ入り、道なりに進んで駐輪場の前を通過すると車両を一時的に停めるための留置線と駅舎が見えてくる。
37分経過、高尾駅北口前を通過。南口に京王高尾線の改札口があり、そして北口から見て先は国道20号・甲州街道が通っている。これで残り1駅だ。
バス乗り場を通過し、赤沢郵便局前の横断歩道を渡って先へ。左右に曲がる住宅街の道を進んでいき、左側見える墓地の前を過ぎるとJR中央本線の線路沿いに出る。そこからは完全に歩道となり、さらに進むと通り抜けができないアーチ型で赤煉瓦造りのガードの前を通る。
そのアーチの前を通り過ぎて44分経過、南浅川に架かる両界橋に出る。この橋を通るのが毎度おなじみの甲州街道だ。橋を渡ってガード下を抜け、南下していく。
上椚田橋と落合橋を渡り、52分経過したところで京王高尾線のガード下(トップ画像参照)にある高尾山口駅北交差点を通過する。交差点の名前からもわかる通り、最後の駅まであと少しだ。トリックアート美術館と氷川神社の鳥居の前を通り過ぎると右前方に駅舎が見え、高尾山口駅前交差点を右折。
ついにここまで来た。
58分経過、京王高尾線高尾山口駅前に到着。
これで終わった……わけがない。
最初に今回は4駅と言ったが、あれは嘘だ。このまま延長戦として、高尾山を登る。そう、ケーブルカーとリフトの駅があるのだから、通過しないわけにはいかない。
駅から延びる登山口への道を進む。高尾山には小学生の頃に2度来たことはあるが、あのころに比べるとだいぶ綺麗になってしまった。駅前を流れる案内川の工事をしているため、金網の仮囲いが川上へ延びている。
土産屋や飲食店が並ぶ通りを進んで1時間1分経過、ケーブルカーおよびリフト清滝駅出入口前を通過。そして高尾山不動院の前にある1号路の登山口へ進む。下から1号路を歩くのは初めてだ。小学生の頃はケーブルカーを使って山頂へ行き、帰りは6号路を下ったと記憶している。
登山口から50メートルほど上ったところで車両通行止めの柵があり、その横に登山者用の小さな入口がある。1号路は山上の薬王院を参拝するために整備された道で、舗装されているので歩きやすいルートだが、それなりに傾斜はあるので、長く勾配のある坂道を延々と歩いているような感覚だ。
1時間12分経過、関係者の車両が切り返しに使うと思われる、何かの碑がある広場からさらに傾斜が上がる。さらに3分ほど上ると正面と左に道が分かれる。角にある道案内によると、正面は「金比羅台をへて高尾山頂」、左は「高尾山頂・ビジターセンター 2.8km」となっている。
念のため、グーグルマップで確認。正面は傾斜の緩い遠回りで、左は傾斜のある近道といったところか。当然左へ入る。ちなみに、道案内によるとこの地点から高尾山口駅までの距離は1.3キロメートルだ。
途中でVの字に曲がり、1時間15分が経過したところで金比羅台からの道と合流。京王高尾線山田駅からここまで8キロメートルほど歩いているので少し足に疲労感が出てきた。
だが、少しも休憩を取りたいとも思わない。都内の至る所で勾配のある道を歩き、慣れていたからかもしれない。むしろ「余裕だ、もっと先へ進め」と歩みが止められなくなっている。頭の中では『ロッキー4/炎の友情』のサントラがずっとかかり気分が高揚している。
1時間19分が経過したところで左へ大きくカーブし、ひたすら上る。傾斜が緩くなってきたところで、左側下に建物が見えてきた。
1時間26分経過、リフト山上駅前を通過。
道が右へ曲がり、同駅へ下る階段を過ぎるとその近くに立つ「高尾山国有林」と書かれた柱を見つつ、さらにさを進む。このあたりから登山客が密集し始める。登山道だけでなく、ケーブルカーやリフトを乗ってここに来る人たちも合流するためだ。
2分後の1時間28分が経過したところで道が平坦になり、その先には飲食店が入ったかすみ台展望台が見える。その施設に差しかかるところで右側を見ると駅舎が見える。スロープを通りそこへ向かう。
1時間30分、ケーブルカー高尾山頂駅改札口前に到着。
これですべての都内の鉄道駅を踏破した。さて帰ろうか……と思ったが、せっかく歩いてここまで来たので、山頂まで行ってから帰ることにしよう。近くの案内板によると、山頂までは1.8キロメートル。それくらいなら余裕だ。
道はこのまま1号路を進むことにする。明らかに人混みの中を抜けることになるのはつらいが、最短距離なのは間違いはない。軽く水分補給をしてすぐに出発だ。
展望台を離れてすぐ、高尾山さる園・野草園の前を通過する。
さっきまでの上りに比べると明らかに緩い下りを進み1時間33分経過、薬王院の門を抜けると左右に分岐しており、左は階段の男坂、右は緩やかな上りの女坂となっている。ここは灯篭のある男坂を選んで進む。
階段を上るとすぐに緩やかな上りになってしまうので、少し拍子抜けする。1時間39分が経過したところで女坂の出口と合流する。
1時間43分、薬王院の山門前を通過。その横にある道から案内看板に従って有喜寺、本社・権現堂、奥之院不動堂の順番で一気に通過し、階段を上る。そして休憩所を兼ねた木製のデッキを過ぎると人混みが一気に減る。ただ、タイミングが良く人通りの少ない状態で歩いていることも否定できない。
また緩い道になったので、歯ごたえがないなと思っていたら、1時間50分が経過したところで急な下り坂になる。しかも絶妙にカーブしていて、先が見えづらいという少しスリリングなおまけも付いている。
坂を下り切った後は、長い上りとなる。この辺りからまた少しずつ人通りが増える。やっぱり、ここまでタイミングが良かったようだ。さらに進むと大きな公衆トイレがあり、遠足に来た小学児童や幼稚園児の集団が長い行列を作っている。
このトイレと遠足に来た集団、そしてありえないほどの人混み。これで山頂に近いことを確信。一気に進むと広い展望場へ出る。
1時間54分、高尾山頂標に到着。
人が多すぎる。山頂にたどり着いた達成感や余韻などなく、やっぱり山頂まで歩くんじゃなかったという後悔を強く感じつつ即退散。
それにしても、昔は何時間もかかったような気がするが、53分で登頂できたことに驚きを覚えている。別ルートで下山することを考えたが、さすがにいまの足の疲労から考えると厳しそうなので、素直に1号路をそのまま引き返し、実は乗ったことがないリフトに乗って下山しよう。
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都内の鉄道駅を通過点として歩く散歩は、特定の自治体内と制限をしてみると段々楽しくなり、気が付いたら2年近くかかっていた。今回でこの縛りは終わりだ。
鉄道駅をチェックポイントにした理由はあって、途中で足を痛めてこれ以上は無理そうだと判断したときに帰るための目的地としてわかりやすかったから。そういう意味では、終盤の駅間の距離があるバスが重要な自治体はそのバスの本数が少ないことが多いので、不安しかなかった。
路線全駅踏破は別として、自治体内にある駅を通過するラリーに関し、これまでの文でさらっと触れているが、実は細かい取り決めがあった。
・わかりやすい道順にする。(多少の遠回りはOK)
・なるべく人混みを避ける道を選ぶ。
・その自治体内から離れてはいけない。(隣の自治体との境を歩くのはOK)
・やむなき場合を除いて“同じ道”を引き返してはいけない。(大きな道路で歩道を変更して引き返すのはOK)
・小休止は軽い給水やトイレのみ。
と大きくはこんな具合。途中から気分で、過去の文中で通過(または下車)したことがある隣の自治体の駅からスタート駅へ歩くということも始めた。
月並みだが、長いようで意外と短かったなと。
これもまた月並みだが、散歩はまだ続く。