[物理雑学]重さの校正と一次標準(その1);☆物理学者が考えた1Kg☆
突然ですが、我が家の体重計は壊れています。
なぜ、そんな確信が持てるのか??
乗るたびに体重が変わるからです(笑)
乗って降りて乗ってを繰り返すと、2~3Kgの変化が毎回起こります。こうなってしまえば、もう捨てるしかないですね。
では、皆さんの家にある体重計は、本当に皆さんの体重を表示していると、確信を持って言えますか??
どのようにしたら、確証を持てますか?
例として、5Kgのダンベルを載せて表示が5Kgか確認してもよいと思いますし、家に体重計が2つある方は、両方に乗って体重が変わらないかを比較してもよいと思います。
ズレがないかを調べ、ある場合は修正する。このことを「校正する」といいます。
この記事では、重さの定義とどのように校正するのかに関して投稿します。(ここでは、2018年11月以前のキログラム原器までの話をメインで載せ、新しいキログラムの定義に関しては控えます。)
だいぶニッチな話ですが、1Kgの歴史なんて知っていたら、なんだかかっこいいですよね!!
こんな方におススメ
・単位について知りたい方
・日常に関わる物理の雑学に興味がある方
・物理の歴史に興味のある方
上におススメ書きましたが、別に物理苦手でも大丈夫です。
気楽に読み進めてください。楽しめるような文章になってます!!
質量の歴史
皆さん、kgという単位はいつごろから使われていたかご存じですか?
正解は18世紀末のフランスです。
フランス革命後、グローバルな貿易を視野に入れてたフランスは、世界中の単位を統一したいと考えておりました。
そこでまず作り出した単位がメートルです。物の長さの単位を統一することが、商売やモノづくりに最も大切と考えたからです。
そして、それは重さの単位を定義するのにも役立ちました。生活で馴染み深かった水を、一辺10センチの升に入れ、それを1Kgと決めたのです。つまり、1リットルが1Kgです。
単位の統一という近代化の試みにより、広い範囲での貿易が劇的に拡大していきました。
しかし、時代が進むにつれて、より正確に重さを測りたいと考えると、困ったことが起きました。
それは、水が基準だと、温度変化による体積膨張や不純物の混入により、不確かさが大きいことです。
そして、次第に新しい定義の必要性が問われるようになりました。
最も正確な1Kgを求めて
水は体積変化するから、金属にするぞー!!
といったモチベーションでフランスの科学者たちは新しい定義を金属によるものに決めました。
そこで作られたのが、「キログラム原器」という合金から成る分銅です。
分銅って、小学校の理科の実験で使いましたでしょうか?
天秤に乗せて、粉の重さとか測るあれです。
キログラム原器は、劣化や摩耗がほぼない設計で作られたため、正確な1Kgを維持することに長けており、定義として優秀でした。その結果、1889年から2018年11月までの130年間にわたって、世界の1Kgの重さを決めていました。
以下の赤枠内がキログラム原器の写真です。
村上衡機製作所のキログラム原器のレプリカ
本当にただの分銅ですね(笑)
まわりのガラスは、外部からの衝撃や酸化から守るためだけにあります。
でも、ガラスで厳重に囲ったら、重さ比べられなさそうですよね…。
以前の定義であった水はすぐに手に入るため、升さえあれば、誰でも1Kgの重さを測ることができました。
せっかくキログラム原器を作ったので、その正確な重さを、どうにかして広める方法が必要になりました。
まとめ
タイトルにも
[物理雑学]重さの校正と一次標準(その1);☆物理学者が考えた1Kg☆
とあるように、次回に続きます。
以下に「どのように正しい重さを伝えるのか」について述べたその2)のリンクがありますので是非そちらもよろしくお願いいたします。
ここまで読んでくださり、ありがとうございました。
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