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GPSの精度と原子の関係

こんにちは!

皆さん、Googleマップなどの地図サービスは利用されますか?

私は方向音痴なので、自分の位置がGPSでわかる機能をいつもフルで活用しています(笑)

特に食べログなどで気に入ったお店を見つけた際、GPSがあれば、何分かかるのかなどがすぐに分かり便利ですよね。

今日は、地図サービスの要であるGPSの精度に関してお話します。
これ、実は原子が非常に役立っているのですが、ご存じでしたか?

こんな人におススメ

・日常に関わる物理に興味のある方
・GPSに関して簡単に知りたい方
・物理に苦手意識のあり、解消したいと考えてる方

原子なんて、大っ嫌いと感じている方にも是非読んでいただきたいです。
最後までお付き合いください。

GPSの原理

突然ですが、皆さん、光の速さはどれくらいか知っていますか??

よく聞く例えとして地球7周半というのがあります。
もの凄く速そうですね(笑)

普通、物体の速度は状況によって変化しますが、
光の速度は絶対に変わりません。
(これはアインシュタインによって1905年に特殊相対性理論というもので照明済みです。)

そして、この法則は、GPSにおいて非常に大切です。

GPSでは、人工衛星と使用しているスマホなどの端末との距離を測ることで、現在地を特定します。

つまり、今知りたい量は「距離」なのです。

人工衛星から発信される光の速さが一定であるのならば、時間さえ、正確に測れば正確な距離がわかります。

距離の正確さ=時間の正確さなのですね。


では次にどのように時間を測るのかという問題が生じます。
正確な時計とは、何でしょうか??

(ここでは、簡単のため、GPSの要である一般相対性理論には触れません。また別の機会があれば投稿いたします。)


原子からできた時計

正確な時計とは、何でしょうか??

ストップウォッチなんかよりも、もっともっと正確なものです。

それは原子を使った時計です。

原子なのに時計??と思われるかもしれません。
文字盤などのない原子からどのようにして、正確な時間を調べるのでしょうか。

それには原子が光を吸収する性質を使います。

全ての原子は、その原子種に対応した、ある特定の周波数の光のみを吸収することができます。


以下に具体例を挙げてみますね。

ここでは、簡単のため、20Hzの周波数の光のみ吸収する原子があるとします。
(20Hzは光とは呼ばないというツッコミは許してください笑)

この原子に光を当てた際、吸収していることがわかれば、それは正確に20Hzということがわかります。100Hzはもちろん、19Hzの光でもの吸収は起きません。

正確な20Hzの光というのは、1秒間に20回光が振動しているので、一回の振動に0.05秒かかります。つまり、振動した回数を調べることで時間の測定が可能なのです。

この方法は、基本的に、周波数が高い原子の方が正確さの高い時計となります。

現在の1秒を決めているのはセシウムと呼ばれる原子を使ったセシウム原子時計であり、吸収する周波数は、9,192,631,770Hz(約9.2GHz)です。

一秒間にこれだけの数の振動があり、それを測定するというのは、驚くべき技術ですね。

この方法により、精度の高い時間測定を行い、現在のGPSの精度を保っています。

現在、セシウム原子時計は1万年から10万年に1秒のずれを持つといわれております。

これでも時計としては重武運すぎますが、東大の香取先生は、光格子時計という次世代の原子時計を発明しました。
これは300億年に1秒しかずれない時計です。(宇宙の年齢は168億年)

この光格子時計が進化を続けていけば、GPSの精度はより格段に上がり、生活がどんどん便利になっていきます。

光格子時計は、「次の世界の1秒の定義になりノーベル賞を受賞する」と期待をされています。是非興味のある方は、調べてみてください。

ありがとうございました。

#GPS #原子時計#セシウム原子時計#光格子時計

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