ストーミングの中に
最近私は、ストーミングの真っ只中にある。
ストーミングとは
チームビルディングにおける用語である。
あまり日本で浸透している印象はない。
この言葉はタックマンモデルという
チームの成熟の流れを示すモデルとして扱われる用語である。
タックマンモデル
企業にいる数多のチームや団体は
タックマンモデルを実践していないと思う。
(そもそも実践する必要がないこともある)
タックマンモデルは
集団が高い目標を乗り越えるために、
集団からチームになっていく
道のりを示している。
しかし、タックマンモデルで
示されていることは、
多くの人の直感に反すると思う。
タックマンモデルでは
まずは話しやすい関係性を作り
コミュニケーションの絶対量を増やす
これはフォーミング期(形成期)としている。
そして、フォーミング期で
やりとりの絶対量が増えると
集団の個々人の価値観の違いや
前提の違いが顕になり、
意見がぶつかり合いが増える
これをストーミング期(混乱期)と
表現している。
ストーミングのミスマッチ
1:調和とストーミング
ストーミングを耐えるのが
多くの日本人は得意ではない傾向にある。
「和」を重んじる文化的な特徴があり、
ぶつかり合うことを回避したり
回避させたりすることが多いだろう。
(私もあまり得意ではない)
しかし、ぶつかり合うほどの
本音の先にしかチームの最適解が得られない
というのがタックマンモデルの
言わんとすることなのだと思う。
要は、本音で話したり、
納得のいかない話・意見を納得いくまで、
ぶつけ合わないと腹落ちしない。
その結果、個々人がチームとして
ガッチリ連動しない
ということなのだと思う。
2:ストーミングと心理的安全性
「心理的安全性」という用語が
ビジネス界隈の頻出単語となって
久しいと思う。
「心理的安全性」は
"話しやすい環境を作ろう"
ということではあるが、
その言葉尻や目的が"優しさ"や"調和"などの
ニュアンスを想起させると思う。
そのため、心理的安全性を構築した集団が
その先に、ストーミングを迎える
可能性を持っていることを
イメージしにくい状況を
作っている気がする。
ストーミングで得られたもの
ストーミングにあるチームでは
仲間からのフィードバックによる
アンラーニングが起こると思う。
(柔軟な考え方さえ持ち合わせていれば)
本音を擦り合わせるので、
自分の価値観や前提を
見直せる機会が創出されることを
今回のストーミングで体感できた。
ストーミングと新規事業
このように調和を重んじる
多くの人にとって
ストーミングは直感に反するが、
漫画、ドラマ、映画など多くの作品では
異なる価値観や意見を持つ人の
ぶつかり合いと協力が
心地よく描かれている。
つまり、実はみんなストーミングが
理想的だという潜在意識があるが
ストーミングを避けたいという
トレードオフな願望を持っているのでは?
トレードオフな願望を叶える先に
イノベーションがあるということを
破壊的イノベーションの理論では
言っていたので
新規事業にいいかも?
って思ったりしている。