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アニソンは作曲家で聴け!♯7「前澤寛之」(けいおん!、ナナシス)
あなたは、あの大ヒット曲の作曲者を知っているだろうか。
歌ってる人は知っていても、
その作成者までは知らないということは多々あることではある。
作曲者というものは
個々の持つクセみたいなものはどうしても拭えないもので
意図的ではないにせよ
どうしてもどこか似た楽曲を作成してしまうこともあるだろう。
つまり、作成者を知らないということは
自分な好きな曲をみすみす見逃している可能性があるということなのだ。
だから、
こうして楽曲の作成者を知る楽しみが増えればいいな
という思いで、このシリーズを続けているのである――
前回からちょっと間が空いてしまいましたが、
今回はTom-H@ckを負かし続けた男、
前澤寛之氏の提供曲を紹介いたします。
please Don't say "Who is 前澤寛之"
今から10年以上前。
アニメ業界のみならず、音楽業界、ひいては楽器業界まで巻き込んだ
一大ムーブメントが巻き起こりました。
その作品は【けいおん!】。
いまだにアニメ史にて語り継がれる、京アニ最大のヒット作です。
中でも『Don't say "lazy"』はカバーも数多くされ
まさに近年アニソンで最大の知名度を誇るといても過言ではないでしょう。
その作曲者の名は前澤寛之、前澤寛之でございます。
名前だけでも覚えて帰ってください。
というのも、Tom-H@ckのように表立って発信する方ではありませんし
そもそもSNSのアカウントすらありません。
まさに"裏方"の人物。菊田大介ですらTwitterアカウント持ってるのに。
【けいおん!】及び放課後ティータイムにおいて
秋山澪(CV.日笠陽子)の歌唱曲のほとんどは彼の手によるものです。
作詞家の大森祥子とのコンビによる楽曲はすべて名曲ですね。
「Don’t say “lazy“ 」「Listen!」「No,Thank you!」「Singing!」すべて前澤寛之さんの曲です。特に「No, Thank you!」を書く時には、とっても悲しかった。これを書き終わったら、けいおんが終わるんだ。って思ったから。でも、曲が良いから、あっという間に詞ができてしまい…泣きながら書いた。
— 大森祥子 (@shokooomori) December 17, 2019
前澤楽曲の特徴として、とてもメロディアス。
……メロディアスとはいとも簡単に遣いがちなんですが
個人的には裏拍部分の音符の置き方が
ちょうど気持ちいいとこで跳ねてるイメージです。
楽譜で言うところのタイやスラーで繋がった二個目の音。
……逆に分かりづらいか。
彼の経歴をよく知らないんですが(※多分ベーシストではない)
これは結構ベーシストの作成する楽曲に多く見られる特徴です。
ラルクのtetsuyaとか黒須克彦、田淵智也とか例としてわかりやすいかも?
意図してか否か、それがつまるところ
ベーシスト澪歌唱の【けいおん!】のエンディング曲として、
ふさわしいと制作サイドが判断したからなんだろうなと思ってます。
~2009年 けいおん!以前
Warrior / 谷山紀章
今やGRANRODEOで気を吐く彼が
本人名義で残した数少ないシングルの表題曲を担当しています。
GRANRODEOと遜色ない佳曲。純粋にかっこいい。
ロデオはギターサウンド主体なので、
人によってはこっちのほうが聴きやすいかもしれません。
なかなか貴重な音源です。
明日のプリズム / 平野綾
平野綾の初期は前述の黒須克彦がメインコンポーザーなのですが
やはり親和性があるのか前澤も担当しています。
ちゃんとキュートでちょっとかっこいい。
このポップセンスは平野綾の魅力を損ないません。
後の『Don't say~』に通じる
ガールズポップロックの片鱗が見える楽曲ですね。
硝子のLoneliness / Riryka
私が作曲者紹介をすると必ずと言っていいほど出てくるRiryka。
彼女の元に私の好きな作曲人が集結してくるのです。笑
こちらは爽やかでクール。
エレピとシンセの調和が冷たくかっこいいです。
まさにタイアップ先のイメージにドンピシャ。
まぁ、当然のごとくこのゲーム知りませんが。
くちびる白昼夢 / 美郷あき
美郷あき楽曲の中でもシンフォニックな一曲。
相変わらず【ストロベリー・パニック】は知りませんが
私はこの曲で彼女を知って収集するようになりました。
余談ですがこうして過去の楽曲でも
惜しみなく披露してくれるこのチャンネル素晴らしいですね。
正直流行りの楽曲のカバーとかするよりこっちを聴いてたいです。
スケッチスイッチ【ひだまりスケッチ】
原曲は声優4人(阿澄佳奈・水橋かおり・後藤邑子・新谷良子)ですが
marbleがカバーしてるものを見つけたのでこちらの動画も。
上記の他の曲でもそうなんですが
編曲次第で違和感なく馴染むのが素晴らしいですね。
個性が強すぎないというのも前澤楽曲の特徴。
つまるところTom-H@ckとは真逆の作家ということになります。
2010年~ けいおん!以降
三位一体 / Little Blue boX
【ダンボール戦機】の主題歌のほとんど(全部?)を担当。
このバンド(ユニット?)のことなんも知らないんですが
CMかなにかで聴いて「なんかlittle by littleっぽい!」と思って
レンタルで音源片っ端から集めました。
バンドなんだから普通自分らで曲作ってると思うじゃないですか。
でも作曲クレジットを見て気づくのです。
――またおまえか。
前澤寛之の名前が完全にインプットされた瞬間でした。
Scarlet Emblem / 原田ひとみ
ダチャーンの楽曲はどれもかっこいい。
シングルに関してはほんとにハズレ無し。
そしてこのPVはちょいゴシカルで超好み。
中二病でいいですねぇ。
【けいおん!】EDのPVも要はそんな感じですよね。
Neo Image / 日笠陽子
日笠陽子はソロ活動するに当たって、
これまでのキャラクターソング等を担当してくれた作曲家に依頼する
というスタンスをとっています。
感謝の気持が強すぎる彼女らしいエピソードですね。
これって意外と実は、
他の声優の歌手活動には見られない特徴だったりします。
だいたいコンペかなんかで集められた楽曲で構成されるはずですから。
もちろん前澤寛之にもお声がかかり
期待に背かない仕事をしてくれました。
日笠陽子にはこういう曲を歌ってほしい、
そんなファン心理にがっつり応える楽曲に仕上がってます。
Say!"So Cool" / 流田Project
本人提供曲ということで公式オマージュとなっているこちら。
こういうのは何回コスってもいいものです。
彼らは全力でこういうコトやるから憎めない。
ある程度売れても忘れないDIY精神。
【ラブライブ】楽曲だけでアルバム発表するとか正気の沙汰じゃない。
TREAT OR TREAT? / 4U (Tokyo 7th Sisters)
正式には公表されてないのですが
777☆SISTERS関連楽曲に提供している
HiroyukiMaezawaが同一人物とされています。
でもたしかにこの曲を聞く限り、その説は正しいと思わざるを得ません。
思いっきり『Girls in Wonderland』辺りの曲調の特徴と丸被ってます。
Afterword
どうでしょう。
個性、という意味では
これまでこのシリーズで挙げてきた人物には引けを取ります。
が、このメロディセンス、随一でしょう?
職業作家としてはこれは優秀と言える活躍です。
なにも音楽家は個性的でなくとも評価される、
それを体現する存在ではないでしょうか。
Tom-H@ckがライバルと認めた存在。
いかんせんAKB48だったりavex(北乃きい)にも楽曲提供してますからね。
知る人ぞ知る作曲家なのです。
今後もそっと評価されるべき楽曲が聴けるのを楽しみにしています!
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![えいちびぃ](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/60795814/profile_f578141e92882d771730f20da51a81cb.jpg?width=600&crop=1:1,smart)