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トゲナシトゲアリの「棘ナシ」は作曲家で聴け!【ガールズバンドクライ】

皆さん、トゲナシトゲアリの2ndアルバム棘ナシ」は一通り聴き終わりましたでしょうか。
2024年春アニメで話題をかっさらっていった【ガールズバンドクライ】で使用された楽曲を詰め合わせた、ベストアルバムともオムニバスアルバムともとれる内容で
ニワカにガールズバンドブームがキテる!という最近の風潮に一石投じるアイテムになっているんじゃないでしょうか。

ただ、ガールズバンドとは言っても自然発生的にできたバンドではなく
大手企業のオーディション企画から始まったバンドなので、
楽曲は自分たちで作成してるわけではありません。
息のかかったレコード会社ぐるみの組織から楽曲提供を受けています。
色々登場した劇中歌も漏れなく。

というわけで今回私が注目したいのはその楽曲制作陣。
【ガルクラ】は楽曲の良さで話題になった側面もあるので
その”中の人”をフューチャーしてみましょう!


大濱健悟

雑踏、僕らの街

視界の隅 朽ちる音

【ガルクラ】の顔となるオープニングナンバーと
新川崎(仮)初のライブハウスでの披露曲を作詞作曲したのが大濱健悟。

この名前、なんかどこかで見たことがあるなと思って調べてみたら――
なんとあのウルトラタワーのフロントマンではないですか!
ウルトラタワーといえば、アニメファンからすればあの【食戟のソーマ】の主題歌ですよ!

希望の唄 / ウルトラタワー

これは意外過ぎました。だってウルトラタワーってそんなに早口でまくし立てる楽曲なかったじゃないですか!
トゲトゲはどちらかと言えばアップテンポで言葉数が多いのが特徴じゃないですか。こういう曲も作れるのかと感嘆です。

調べてみると最近はちょこちょこ楽曲提供もこなしてるようで
声優の増田俊樹へ提供したこの楽曲はとてもウルトラタワーっぽいです。

ブリキの花 /  増田俊樹

そして【ガルクラ】より一足先にアニメタイアップを勝ち取ってました。
中国産の3Dアニメ【烈火澆愁】のエンディングテーマです。

声のカケラ / 安田レイ

いつのまにか二次元ライクな活動に積極的になってたのですね!
この傾向は是非とも歓迎したい方向性です。

【ガルクラ】の中でも特に象徴的な作曲を担った大濱健悟さん。
現在組んでるバンドshannons.でもアニメタイアップを勝ち取れる日が来るのでは?と期待したいところです。


遊部優介

誰にもなれない私だから

【ガルクラ】エンディングテーマを担ったのは遊部優介。
優しい曲調がノスタルジーを感じさせ、【ガルクラ】最終話以降のメンバーを描いたであろう動画と合わさっていてエモいです。

おそらくまだ新鋭の作曲家で、この楽曲意外に確認できるのは一曲だけ。

マボロシマジック / 岡咲美保

【転生したらスライムだった件】で有名な岡咲美保への提供曲。
こちらではデジタルなアップテンポな楽曲なので
別段バラードが得意、というわけではなさそう。
これからの活躍が見込める逸材ですね。


南田健吾

空の箱

ETERNAL FLAME ~空の箱~

まったくのノーマークから【ガルクラ】を一気に”注目作”へと評価を押し上げた第一話の挿入歌。
【ガルクラ】にて終始取り沙汰されるダイヤモンドダストからの楽曲で
作中でもかなり重要な位置であるこちらを手掛けたのが南田健吾。
主に【アイカツ】を中心にアイドルソングやアニソン・キャラソン等で長年活躍している名作曲家です。
アニソン的には水樹奈々LiSAに提供してる辺りが売れっ子ですね。

Dreaming bird / ななせ from AIKATSU☆STARS!

【アイカツ】って女児向けアニメにしてはかっこいい曲多くないですか?
この曲も普通にシンフォニックポップスとして好んで聴いてます。

さて、以前結束バンドに楽曲提供していることは二度記事にしました。
そこでもう一歩注目したいのがこちら。

Change the Future! / 佐々木李子

佐々木李子といえば最近Ave Mujicaのボーカル&ギターに抜擢されました。
と、いうことは、ですよ?
ちょっと飛躍的な考えであることは重々承知ですが【ガルクラ】【ぼざろ】【バンドリ】この3つに関わっている作曲家ということなのですよ!!
大ガールズバンド時代、とは【バンドリ】の中での造語ですが
にわかにリアルでも盛り上がってきていると感じる昨今、
この3作品が交われば熱くないですか!?
そんな夢のある作曲家、それが南田健吾なのです。


大西省吾

声なき魚

新川崎(仮)としての一発目の披露曲であるこちらを作成したのが大西省吾。
仁菜歌唱オリジナルの一曲目ということでこちらも印象的です。
これが聴きやすくてトゲトゲの曲でも一番好きという人もいるんじゃないでしょうか。

彼の名前は作曲家というよりは編曲家でよく名前を見るというイメージです。あとバンドマスターとか。

彼の名前はずばり水樹奈々で覚えましたね。

悦楽カメリア / 水樹奈々

オリジナルアルバムのリード曲だったのかな?
和風メタルで超絶かっこいい!
演歌も得意な水樹奈々にこれでもかとフィットした曲調で感動です。

そして大型アニメタイアップもございます。

アオイトリ / fumika

BLEACH】という大型アニメのタイアップということで知ってる方も多いのでは?
fumikaは良い楽曲が多い!というか楽曲提供者が強い!
それを歌いこなす歌声も素晴らしい!

南田健吾さんと並んで作曲陣の中ではベテランである大西省吾さん。
ここに名前があることでの安心感が半端ないです。


okoge

心象的フラクタル

beni-shougaが発表した楽曲として流れた楽曲。
これボーカルにSynthesizer Vを使用してるらしいのですが
それを意識してなのか作詞作曲にもボカロPであるokogeを採用。
こだわりの布陣ですね!

okogeさんは今でも活発にボカロ曲を発表しています。
私も今回初めて知って漁ってみたのですがこの曲が気に入りました。

リコネ / 初音ミク

アニメに起用されたのは大抜擢だったんじゃないでしょうか。
agehaspringsはどういった基準で起用したんでしょうね。
ボカロ曲を探っていてここに辿り着いた経緯を知りたいな。
これをバネに是非活躍してもらいたいものですね。


永澤和真

空白とカタルシス

運命の華

物語もクライマックスに入ってきて、須らく視聴者も楽曲への期待がいやがおうにも高まってしまっているアニメ終盤の最重要曲のこの2曲。
初の大型フェス披露曲でそれまでのメンバーの歴史を背負わされた『空白とカタルシス』に、メジャーデビュー曲にしてラスト、桃香の葛藤と希望が詰め込まれた『運命の華』。
こんな難しいテーマを担ったのが新進気鋭の永澤和真という男。

アニソンファン的には【チェインソーマン】でもその名前を確認できます。

Deep down / Aimer

【チェインソーマン】もだいぶ大役なんですが
これのちょっと前にドラマ主題歌も手掛けてるんですよね。

Not the End / 安田レイ

調べてみると2020年にagehaspringsに入社しているので
ほんとに新人作曲家だと分かるのですが
この堂々たる制作姿勢と実際大型タイアップを勝ち取ってることからかなりの将来有望株です。
そりゃ【ガルクラ】でもかなり重要な楽曲の製作にも望めるというもの。
今後さらに飛躍すること間違いなしでしょう!


古賀頌哉

アニメ内では唯一確認できるダイダス現存メンバー以降のオリジナル曲。
普通にこちらもいい曲なのよね。
そんなにいうほどアイドルバンド然としてないけど、
たしかにトゲトゲに比べると煌びやかかも?

そんな曲を料理した古賀頌哉さん。SNSをやってないので全然情報がありません。苦笑
僅かに確認できる楽曲はこちら。

暁歌 / Mia REGINA

閃乱カグラ SHINOVI MASTER -東京妖魔篇-】関連曲。
かっこいいじゃん!
Mia REGINAはアイドルではありませんがボーカルユニットとしてシリアスな音楽性で活動してるので、ダイダスの曲とも親和性を感じますね。

One-Way / HIMEHINA

V-tuberというかV-singerというか、にも楽曲提供。
やっぱりかっこいいじゃん!鍵盤ロックが得意なのかな?
HIMEHIAも勉強不足で素性は全然知らないんですがいい曲多いなと感じて集めています。メロディアスでポップでとても聴きやすい音楽してますよね。
なるほど売れてる設定のダイダスに宛がうには適した人選かもしれません。

自分の手元にはもう一曲、【ゼノンザード】のキャラソン
Black & White / アッシュ・クロード(CV.梅原裕一郎)があるのですが
こちらもかっこいいんで、数は少ないですが要注目の作曲家の一人ですね。


misty mint

闇に溶けてく

「棘ナシ」収録新曲その一。
そこにmisty mintを起用するとはトゲトゲファンのことをわかってる!
としか言いようがないです。
なぜなら、YouTubeでトゲトゲ史上圧倒的な再生数を誇る『爆ぜて咲く』の作曲者なのだから!
気鬱、白濁す』も人気なイメージがあります。
なので2ndアルバムにも彼を起用しない理由がないのです。

この方も新鋭なのでしょうね。
2022年以降にしかクレジットを見かけません。

Maze / ASCA

つい先日発売されたばかりのASCAの新譜のカップリング。
表題曲がアニメにむっちゃ沿ってる歌詞でいいんですよね。
そのB面ということなのかこちらもなかなか意味深な歌詞が並んでます。
ふ、不思議な曲だ。

Noise in Silence / VESPERBELL

今調べて初めて聴いてます。
編曲次第なだけでこれは早口でトゲトゲとも親和性ありますね。
やっぱかっこいいな。misty mintさん、これはちょっと要注目ですね。
agehasprings所属なだけあってAimerにも楽曲提供してるし
これからも名前見る機会が多そうです。
トゲトゲとの相性も一番いい気がしてるし!


葉上誠次郎

アルバムラストを飾るのは桃香から仁菜へのラブソング。笑
アコースティックバラードが新鮮なナンバーです。
こういうのもトゲナシトゲアリの曲として昇華できるのが一つのバンドとして確立するという強い意思表示とも取れます。

こちらを作曲した葉上誠次郎さん。
……彼もすみません勉強不足であまり知らない作曲家さんですね。

手元にあるのはOLDCODEXだけです。

Blow Away / OLDCODEX

やっぱりバラードか。こういう曲調が得意なんでしょうか。
OLDCODEXはヘヴィなサウンドばかり聴いてるので正直印象ありませんでした。苦笑

調べてみたら花澤香菜が歌ったものもあるようです。

東京Friday Night / Joint Beauty

やはり穏やかな曲調ですね。
花澤香菜の癒しボイスが活きるチップチューン。
なんだか懐かしい曲調ですね。
しかしこことトゲトゲを掛け合わせるとは……結構大胆な組み合わせに感じます。


Afterword

というわけでトゲナシトゲアリの2ndフルアルバム「棘ナシ」を作曲した方の他の曲を添えながらレビューしてみました。
確かに尖った方向性の1stの「棘アリ」に対して
ある意味聴き馴染んだ曲で構成されてる2ndを「棘ナシ」と称するのは
なるほど、と納得するラインナップとなっているのではないでしょうか。

ぶっちゃけ大濱健悟、つまりウルトラタワーが楽曲提供してる!?
ってとこだけに驚いて書き始めた記事
です。
あと大西省吾が見知った名前だったのと
永澤和真が気になるなぁという時期だったのとで。
あとmisty mint注目だよねって書きたくて。
そのくらい『爆ぜて咲く』が好みなのです。

今回タイムリー(とはいえちょっと乗り遅れてますが)だったので
「棘ナシ」を取り上げましたが
「棘アリ」をやっても面白そうなんですよね。
結束バンドの『ひみつ基地』作曲した吉岡大地がいたり
結束バンドの『ドッペルゲンガー』作曲した飛内将大がいたり。
どっちも【ぼっち・ざ・ろっく】やんけ!っていうね。
けっこう共通してるのかな?絡まない手はないよね?
MyGO!!!!!の次は結束バンドと絡めるといいね、
なんて期待するアニメバンドファンの一人の意見です。

キーボードとドラムが体調不良を理由に活動休止中なのが心配ですが
どうかトゲトゲには今後とも活動してもらって
アニメも第二期を期待したくなるというものです。

一緒に応援しましょう!


最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!