カバー曲を視聴する際に感じる敬意と自己主張 -BREAK to stereotypes-
日本で音楽が生まれて幾星霜。
よくもまぁこんなに常に新曲が発表され続けてるなぁと
感心するばかりです。
そんな中、ときおりカバー曲で注目を集めてしまうアーティストもいます。
『ゴールドフィンガー』の郷ひろみとか、
『亜麻色の髪の乙女』の島谷ひとみとか。
皆さんはカバー曲を発表するアーティストに
どういう感情を抱くのでしょうか。
>どんな曲であれ好きなアーティストが発表する音源なら聴いてみたい。
>原曲のイメージを壊してほしくないからできればしてほしくない。
大まかに分けるとこの2種類のどちらかですかね?。
カバー曲に対する個人的見解
私は断然前者です。
しかも、原曲をぶっ壊してるくらいのアレンジが好きです。
もちろん原曲へのリスペクトは忘れてはいけません。
カバー曲を気に入ったらレンタルでもサブスクでも
とりあえずは一回は原曲にも必ず触れるようにしています。
その違いを楽しむのも一興。
逆に完コピしてるのもそれはそれで面白いです。
モノマネレベルであっても。
一番よろしくないのが、
アレンジもそこそこで歌唱もぎこちないもの。
敬意も感じないしカラオケで十分やんとなってしまう印象があるので……
いや、好きなボーカリストだったらカラオケでも聴きたいですけどね。
リミックスやコラージュは9.9割好まないことが多いですが
リアレンジやリレコーディングは大賛成派です。
近年は"歌ってみた"の流行もあり
気軽にカバーが聴けるいい時代にもなりました。
有名な曲は、歌う人のルーツを垣間見れますし
逆に埋もれ隠れた名曲を発掘して歌ってくれる猛者がいたら尚良い。
つまり、カバーを否定する要素が私には見当たりません。
良い曲だったらbrand new!じゃなくても新作に違いないのです。
というわけで今回は、
最高すぎて衝撃を受けたカバー曲をいくつか紹介したいと思います。
好きなカバー曲10選
▶君をのせて / SeanNorth【原曲:井上あずみ】
驚異の900万再生。たぶん年内に1000万再生も超えるでしょう。
ただでさえ浮遊感溢れる壮大な楽曲なのに、
ケルト風アレンジで
それを大地に染み渡らせるような穏やかさに昇華しています。
というかこのアルバム自体が神アレンジ満載。
『さんぽ』がもっともケルト味を感じます。
……最近SeanNorth宣伝ブログみたいになってますが気にしない。
純粋に良い曲を好きなように紹介したいだけです。
もっとケルト風J-POP流行れ。
▶残酷な天使のテーゼ / A(エース)【原曲:高橋洋子】
あまりにもカバーされすぎているこの曲で
最も異彩を放ちつつ超絶好みなアレンジが施されているのがこちら。
……まぁ上記SeanNorthと同じ人がアレンジしてるので
当たり前かもしれませんが。
オープニングをバイオリンで行くとか斬新且つ効果的。
ちゃんとゴスペル歌唱も入れてるし、
ジャズメタルっていうもう訳解んないアイディアが最高。
ロックアレンジとして一番ふさわしい姿だと思ってます。
(あとAも何回紹介してんだっていうね。)
▶愛の讃歌 / Les MAUVAIS GARCONNES【原曲:エディット・ピアフ】
だいたい大仰なシンフォニックなバラードでカバーされがちなこちらを
大胆にもパンク風にアレンジされたこちら。
桃の天然水のCMに起用されたので聴いたことある人も多いでしょうか。
この曲が好きすぎてレモ―ヴェギャルソンヌ自体を気に入ってたんですが
大した活動もせず解散してしまいました。残念。
唯一残しているミニアルバムは全部、
この曲のような稀代の名曲を
ソフトパンクアレンジしたもので占めています。
どれも軽快で聴きやすくおすすめですよ。
▶フライングゲット / Acid Black Cherry【原曲:AKB48】
国民的有名曲の大胆ヘヴィロックアレンジ。
原曲の雰囲気がどこにもないので、元をそんなに聴いてない私には
これがABCの新曲だと言われても信じてしまいそうです。
カバーアルバムを4枚も発表しているんですが、
実はバンドアレンジしてるものそんなに多くなく
それでもよりによって一番重いのがこれというのが面白いです。
他の曲もこのくらいアレンジしてくれればもっと熱心に聞くんだけどな……
他には久宝留理子の『「男」』もだいぶかっこよく仕上がってます。
▶命に嫌われている / まふまふ
カバーで今はこちらを取り上げないわけにはいかないですよね。
2021年最終日に大注目を集めたまふまふ。
まさか自作曲でなくボカロカバーを選んだのはびっくりでしたが
そのメッセージ性を重視した選曲と命を削った絶唱は
ちゃんと楽曲を聴く人にとってはとても刺さったと思います。
外野の声なんて気にすんな。
センショーナルな歌詞ですが、
つまり何よりも生きたいという願いが凝縮された曲なんです。
命に嫌われている = もっと命に好かれたいという願いの裏返しです。
▶orion once again / MAHONE×平賀優介&響(摩天楼オペラ)
【原曲:DELUHI】
こちらはアレンジとかではなく、まっとうな完コピ。
逆にこういう再現性難度の高い楽曲は
完成度が高いほど楽しくなります。そこ真似できんのか!っていう。
むしろシャウトに関しては本家でやってない種類の発声を駆使してるので
プラスアルファで面白くなってます。
他にこういう正統派の例だとシドの『優しい悲劇』(黒夢)や
12012の『Winter, again』(GLAY)なんかが相等しますね。
▶GONG / 赤飯【原曲:JAM PROJECT】
団体お一人様。歌ってるの一人ですよ。びっくりでしょ。
驚異の歌いわけで5人分の声色を再現しています。
(ちなみに二十数人分の声を出してる曲もあります)
当時ニコ動でそれはもう話題になりました。
文字通りそのへんのモノマネ歌手が束になっても叶いません。
これが一般からでてくるんだからネットってすごい。
(※素の歌声は影山ヒロノブっぽい)
いまではメジャーデビューしてミクスチャーバンドやってるんで
もちろんその動向は追ってます。
▶Beauty&Stupid / たむたむ【原曲:hide】
ちょっとモノマネの話が出たので
現在私が一番似てると豪語しているのが彼、たむたむ。
デフォルメ過多なこの業界に於いて、まっとうに声を似せてきております。
もちろんネタらしく遊び心もふんだんに使用してるのですが
声だけはガチです。
ファミマの入店音をLUNA SEA風にアレンジして歌唱したものが最高。
演奏も自分でこなしてるし才能が渋滞していて尊敬しかありません。
……なんか最初書こうとしていた記事とズレてきましたね。
真面目路線に戻します。
▶誘惑 / ハードオフ店員【原曲:GLAY】
真面目とはなんだったのか。
いや、モノマネじゃないし。
そしてこの永田さんという方は大真面目ですし。
そもそもの楽器の演奏能力もさることながら
バスドラをドッチボールで、スネアをモデルガンで表現するとか
天才でしかありません。
最後ちょこっとだけ歌ってますが
この動画以降はボーカルも全て自身で歌唱するようになります。
YouTuber全盛の昨今ですが
こういうニコ動初期を思わすようなDIYが多分好きなんだろうなぁ自分。
▶アンパンマンマーチ / 雌豚閣下【】
大人も子供も知ってる超有名曲の短調アレンジ。
通称「ローゼンメイデン風アンパンマン」。
アレンジ次第で楽曲を楽しめる幅が無限であるということを知らされた
そのきっかけの曲です。
これを15年前に聞いて育ち、
その当時の歌い手さんが活動を再開してこうして歌ってくれるなんて……
閣下、感無量でございますぞ!
(※アレンジしたのはこの方ではありませんが
彼女がALI PROJECT風に歌ったことにより爆発的に広まりました)
一番カバーされている曲は?
完全に余談ですが、多分同一曲で一番多く所持しているのが
『残酷な天使のテーゼ』です。
『魂のルフラン』も多いな。エヴァ強し。
次点で大きく離れて『1/3の純情な感情』や『そばかす』のるろうに勢か。
どっちも16曲くらい。
Afterword
最近小松未歩のセルフカバーに関する見解を読む機会が増えたことで
ちょっとカバー曲の概念について語ってみたくなってしまった。
……はずでした。
最初のメモではZARDの『異邦人』とかDの『月下の夜想曲』とか
まともに紹介しようとしてたんですが
気がついたらニコ動黎明期の懐古厨みたくなってしまいました。
まぁでも動画は自分の記事にしては近年のものが多いんで赦して。
新作が発表されることはそれはとても喜ばしいことです。
されど、昔の曲にもまだまだ良い曲が潜んでいて
それを一回発表しただけにしておくにはもったいないのです。
もしくはCUNEを発掘したhitomiのように
埋もれゆくまだ知られてない名曲を広めるのも
現代に生ける音楽家にしかできないことではないでしょうか。
というわけで。
今ぱっと思いついたのがこの辺なので、あとで「あれもあったわ!」
と頭を抱えることは目に見えてますがとりひとまずはこの辺で。
ちょっと前のV系提供のアニソンでも
ひとり大好きな人忘れてたわーって落ち込んでましたのよ。
まぁある程度溜まったら
また第2段として放出するのでその時をお楽しみに。
もしくは「このことについて語ってほしい」とかリクエストがあったら
応えていきたい所存です。
天の邪鬼なので正面から受け取るとは限りませんが。笑
次回の更新は2/2(水)です。
よしなに。