漢が愛するヴィジュアル系、ギルガメッシュを刻みつけろ! -engrave to girugamesh-
解散から6年。
それまで沈黙を貫いてきたギルガメッシュが
昨年末こんな動画を発表していました。
復活か!?
完全新曲、『engrave』発表
おそらくレーベル40周年記念に合わせての限定的な解禁。
まさか6年経ってまたギルガメッシュの新曲が聴ける日が来るとは……
ミクスチャーラウドロックよろしく、
特に後期に見られたデジロック要素が強めに押し出されつつ
ヘヴィなサウンドを主体に進化したデスヴォイスが衝突する、
まさに2022年版ギルガメッシュの正当進化曲に仕上がっています。
メインコンポーザーであるЯyoが
FEST VAINQUEURの音源に絡んでるのは知っていたので
まさにそういうサウンドだなといった感想。
感動、の一言です。
ギルガメッシュのサウンドとは
コンセプトに「男魂」を掲げていた通り、
結成当初からV系では珍しい男性受けのいいバンドを目指していました。
『Vermillion』
実際そのラウドな方向性は当時のV系界隈ではなかなか受け入れられず
こういうサウンドを好む海外で火がついて
なんだかむしろそこからの逆輸入の人気で
日本でもようやく注目されたきらいがあります。
ミクスチャーをいち早く取り入れたバンドでもあり、
ヘヴィなサウンドにデジタル音と
ガナリ気味のチャラくないラップが多いのが特徴です。
今ではこういうバンドいっぱいいますけどね。笑
当時はギルガメとlynch.、それに派生したDEATHGAZE、
DuelJewelもちょこっとだけそこに加わるかなぁ?くらいでした。
『Break Down』
一応メジャー流通でCDを展開し始めてからは
ポップな方向にも舵を切った時期がありました。
これには古いファンからは中々厳しい声も飛んでいましたが
ロックサウンドは残しつつも日本人馴染みのメロディセンスで
むしろセールスは伸ばしていたと思います。
『arrow』
個人的にはむしろ好きな曲が多くなったので、
セルアウトしたとは特に思ってませんでした。
やっぱりダウナーよりメロディアスな曲のほうが好きなんですよ。
黒夢が『BEAMS』とか『優しい悲劇』とか出してたのと変わらんて。
バンドの継続にはある程度売れることも必要なのよ。
これと上記の曲はV系を聴かない人にもお安心して聴かせられます。
『crying rain』
とくにこのロックバラードが美しくてですね……
当時めちゃくちゃハマって聴いてました。一番好きな曲かも。
PVもフードさじんが超かっこいい。
そしてこのあとから徐々にデジタル音を多用し始め
一回超絶チャラい曲も挟まったりもしましたが
その時期の音楽がギルガメッシュの到達点と言ってもいいでしょう。
2022年に発表した音源と感触がほぼ変わらないサウンドを仕上げています↓
『gravitation』
ちなみにこのバンド。
あんまりメイクしないです。V系なのに。
PVでだけしてるとか。
実際はライブでもしてるんだろうけど、
いわゆる芸能人がテレビ出るときに施されている程度のもので
そんな皆がV系と聞いてイメージするようなものではけしてなかったです。
V系って一体なんだ……
とりあえず。
活動時の最後に発表したPVのこちらから『engrave』への流れは
何も変わってないギルガメの魂を感じられる一曲だと思います。
『wither mind』
ほんとは優しいギルガメッシュ
ギルガメッシュで個人的な推しポイントは、歌詞。
とにかくラブソングがほとんどありません。
だいたい「強く生きてくれ」
「わかる、しんどいよな。でもここで終わる俺達じゃないだろう?」とか、鼓舞する内容のものが多いです。
今回新曲を踏み出すに至ったのは、
まさしくコロナ禍で疲弊した状況に一発"活"を入れる目的は
多分にあったと推測できます。
というのも、東日本大震災の際にはこのような曲を発表しています。
この楽曲は配信でのみ販売されどのアルバムにも収録されていません。
売上はすべて寄付されたと聞いています。
有事の際には必ず音楽で応える、
そんなアツいハートを持った男たちなのです。
もちろんそんなことが起こらなくても、
生きることに対しての情熱を歌った曲は多いです。
『イノチノキ』
これなんか超J-popっぽい。
LUNA SEAでいうところの『SHINE』に相等する大衆性を感じています。
そう、ラウドな楽曲を主体としているので「怖い」と思うかもしれませんが
こうして様々な音楽性を
臆することなく展開できるのが"ミクスチャー"なのかもしれません。
私がカラオケでよく歌うのは、ヘヴィだけどアニソン的な要素も入った
なんだかちょっとおもしろい歌詞のこういう曲ですし↓
『斬鉄拳』
逆に純邦楽ロックっぽい。
タイトルからしてちょっと遊んでます。おちゃめやなぁ。
そして活動休止や充電といった表現ではなく、きっぱりと解散宣言。
そんなところも男らしいです。
そうして最期に発表した新曲は
そういう人間らしさと初期の衝動と後期のデジタルさ全てひっくるめて
periodという形で終幕。実に潔かったですね。
『-period-』
静かにきれいな音色だけで終わらないのが彼ららしい。
そして『engrave』はこの曲以来の新曲ということになります。
余談ですが、こうして解散したあとでも、翌年発売された
盟友ムックのトリビュートアルバムにはバンドでちゃんと参加する男気。
もう活動全体に一貫した気概が見えて気持ちいいバンドでしたね。
Afterword
今が旬!ということでギルガメッシュについて書けるだけ書いてみました。
ちらっと書きましたが、大好きなバンドに違いはないんですが
ダークな、あんまりメロディアスな曲の多くない時期のものは
少なからず熱心に聴いてない曲もそこそこあったり。
最後のミニアルバム「鵺 -chimera-」ですら
『wither mind』『Horizon』『END』は好きだけど
もう過半数はほとんど聞いてないもの。苦笑
これを期に履修してみようかなとは思ってます。
最後に。
こういうサウンドを求めてる人って居ますかね?
私がもっともギルガメッシュに近いサウンドだと思って愛聴していた
EAT YOU ALIVEというバンドが居るんです。
もう解散してますが
音源は結構残してるので良かったら聴いてみてください。
次回の更新は2/4(金)です。
よしなに。