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アニソンは作曲家で聴け!♯9「高瀬一矢」(I've、KOTOKO)

みなさん、トランスミュージックは好きですか?

その昔パラパラというユーロビートの振り付けだったり
ビートマニアやDanceDanceRevolutionという体感アーケードゲームが
流行った時代がありました。

その中の一つの曲が、後に一大ムーブメントを美少女ゲーム界にもたらす
I'veという集団の発端なのです。


I'veとの出会い

インターネット黎明期、フラッシュを用いた"静止画MAD"と呼ばれる
素人によるショート動画投稿が流行っていた時期がありました。

そこでアニメや美少女ゲームに様々なジャンルの音楽を組み合わせて
こぞっていろんな動画があげられてたんですよ。

その中で特に気に入ってたものがこちら。

Shooting Star / KOTOKO

【こもれびに揺れる魂のこえ】というゲームに
【おねがい☆ティーチャー】の楽曲を合わせたものです。

もちろんどちらの作品も知りませんでしたが
あまりにも動画のデキが良すぎて
どんなゲームかものすごく気になったと同時に
楽曲のノスタルジーさに惹かれたわけです。

ちょうど【涼宮ハルヒの憂鬱】が流行っていたこともあり
いとうのいぢがキャラデザしているという点も
興味を惹かれた要因ではありました。


disintegration / Lia

もともと【Fate/Stay night】が気になってたこともあり
このミステリアスな楽曲との雰囲気がばっちり合致。
冷たいサウンドが英霊とのシリアスで過酷な運命に寄り添うようで
馴染みのない感触に当初は洋楽なのかなぁとか思ったりもしました。


MADに紛れてプロモーションMovieが流れたこともあります。

Face of Fact / KOTOKO

むちゃくちゃかっこいい動画……!
ただそれ以上に、楽曲がヤバイ。
怜悧なシンセの跳ねる単音とコードで鳴る電子音の洪水と
早口で捲し立てる歌メロがうねってでもメロディアスで
……琴線ド直球。最高すぎる!

と、この楽曲をどうしても手に入れたくなりまして
I'veコンピレーションアルバム「LAMENT」「OUT FLOW」を購入しました。

そしたら、MADで聴いたことのある曲いっぱい入ってる!?
要は浅倉大介で慣らされていた耳に心地よくフィットしたわけですね。

そこで気づくわけです。
あぁ、私はこの作曲者(集団)が好きなんだな、と。
そもそも作曲者が徒党を組んでるなんて知らなかったわけですから
カルチャーショックもいいところでした。
Elementd Gardenを知るより前の話です。


というわけで、この「I've」とやらのアルバムは全部集めてしまおう
と、どんどん手を出していくわけですが
そこで運命的な出会い――いえ、再会をします。


私は高校卒業間際に、とある美少女ゲーム2本を友人から
ドリームキャストごと渡されてやらされたことがあります。
プレステしか持ってなかったんですが、
どうしても私にプレイさせたかったようですね。

その友人の情熱は実を結びまして
私はその2本をいたく気に入りました。
もうそれまでの短い人生でこれ以上ないほど泣かせてもらったわけです。

それが

last regrets / 彩菜

鳥の詩 / Lia

そう、【Kanon】と【Air】。
教養の少ない私でも、葉鍵系と呼ばれる
いわゆる"感動系"美少女ゲームは嗜む程度に触れられたわけですね。

この、ニコ動では「国歌」とも呼ばれ称賛されている楽曲が
先述したI'veコンピレーションに含まれていたのです。

懐かしさと、意図せず手に入れられた喜びと、
改めて楽曲の素晴らしさに打ちひしがれながら
なんでこんなところに!?とクレジットを確認してみると

編曲:高瀬一矢 の文字。


これもオマエだったのか!?

どうやら私は随分と前からどさんこポップスに浸されていたようです。
てかこの2曲も上記の『Shooting Star』も折戸伸治作曲やんけ。
I've×key sound rabel最高かよ。

※折戸伸治も後ほど取り上げると思いますが、
この辺りはメロディというよりも編曲を気に入ってるので
今は高瀬一矢のターンということで割愛いたします。
あと『Face of Fact』はC.G. mix作曲です。あしからず。


高瀬一矢の主な作品

やはり何より、KOTOKOへの楽曲提供が鬼ほど多いです
静止画MADを漁っていたときは、作曲者は気づかなくとも
やたらとこのKOTOKOって人が歌ってる曲が多いな、と感じていましたし
やっぱり作成者の趣味に背かず私自身も彼女に魅入られていました。

Re-Sublimity / KOTOKO

KOTOKOは自身でも作曲もできる素養があったので
ソロワークスは当初シンガーソングライターとして
売り出そうとしていた
形跡があります。

だからこそ、とでもいいましょうか、
その中に高瀬楽曲が紛れることで
奇しくも「やっぱりこっちがKOTOKOっぽい」と
I'veサウンドの個性が際立つ印象となりました。

L.A.M -laze and meditation- / OUTER

それはそれはトランスからポップスまで
多岐にわたって色んなジャンルの二人の組み合わせがあるわけですが
私が推したいのはこの方向性のKOTOKO

KOTOKOが作詞する楽曲は意外と(?)内省的なものが多く
それこそヴィジュアル系顔負けの
ドス黒い感情を吐き出す表現も多用します。

それに高瀬が同調すると
こんなにも完璧なダーク&メロディアスが生まれるわけです。
『Collective』あたりの過激な歌詞の楽曲にも通じますね。


Red fraction / MELL

メジャーデビュー直後、各所で話題となり一気に彼女の名前が広まったのが
こちら【BLACK LAGOON】主題歌。

全英語詞でエフェクターで抑えた声質ながら
早口で情報量が多い無機質なAメロから
サビで一気にクリアになりメロディアスになる構成がカタルシス。

それをサイケデリックなデジロックに仕込んでおり
アニソンと教えられなければ一般層にも訴求しそうなシリアスな曲調が
まさに私の耳朶も叩きました。


WHEEL OF FORTUNE (運命の輪) / 島みやえい子

I'veのお母さん、ことえいこ姉さん。
今は彼女自身で作曲やプロデュースをしているので
そんなにI'veサウンドの申し子という感じはしないのですが
やはり要所要所で高瀬が関わってきます。

どうしてもI'veというと、
こういう仄暗いアングラ的なデジタルサウンドを奏でる
怪しい集団というイメージがどうしても残りますね。笑


音のない夜空に / IKU

彼女も北海道出身が縁でI'veから楽曲提供を受けました。

こちらもI'veではよくある穏やかトランスで
島みやえい子がまさに好きそうな声とサウンドです。

ただこの楽曲でも若干現れていますが
彼女は本来ファンタジー歌いの素質があったのか
Barbarian On The Grooveのほうが積極的でしたね。

暗さの残るポップス、という意味ではビーイングとの相性も良さそうです。


楽園PROJECT / Ray

彼女もI've所属ではありませんが北海道出身という共通項からか
I’ve所属作曲家からも多数提供を受けています。

こちらはアニメ【To LOVEる】へ提供されたもので
歌詞が思いっきりその世界観に沿っていますね。

ポップに振り切れば、それこそ
そのへんのJ-popと並べても遜色ないかも知れませんが
このこもったロウトランスがI've味といったところでしょうか。


X-encounter / 黒崎真音

黒崎真音はその時期によってサウンドプロデューサーが変わりますが
高瀬を中心にI'veが務めていた時期もありました。

その中で切られたこのシングルは、まさにザ・I've流王道シリアス楽曲
疾走感もあって一番多いテンポ感なのがこの辺りじゃないでしょうか。

打ち込みロックが主流の今では
その手法が如何に時代を先取りしていたかがよくわかります。
特にアニソンに於いては。


PEACEFUL DAYS / 飛蘭

好きな作曲家を紹介するとたいてい名前の上がる飛蘭。
高瀬も一曲だけ提供しております。

安定のトランスロックサウンドですが
こちらはあんまり個性が出てるとはいいにくいかもですね。
クレジットを見るまで高瀬だとは思いませんでした。

ただ聴き心地が良すぎて実に自然です。


嘘ツキParADox / 茅原実里

逆にI've過ぎて、これ別に茅原実里じゃなくてもいいのでは……
と思ってしまったのがこちら。

双方のファンである私には心地いいのですが
茅原実里のファンでこの曲が好き
っていう人はあまり居ないんじゃないかなぁ。

それが影響してか
もう一曲『TOON→GO→ROUND!』も提供してますが
今度は茅原側がアプローチを変えていて
鼻にかかったキャラソンみたいな発声で歌唱しています。
個人的にもソッチのほうが総合的には好みかな。


Get my way! / 川田まみ

川田まみには基本的には中沢伴行のほうが
メインソングライターとしてプロデュースされているのですが
一応高瀬楽曲も存在します。

こちらの楽曲は
高瀬とKOTOKOによるパンクバンド「OUTER」の色を感じますね
トランスを主軸としてますが
ギタリストであることを忘れてないという精神でしょうか。
爽やかI'veです。


Afterword

というわけで、
初めて作曲家集団という存在を意識したきっかけの紹介でした。

avex系統のトランスポップミュージックが好きな人に刺さると思うんで
変な色目なしに一度聴いてみてほしいですね。

個人的な趣味でシリアスなロウトランスばかりを紹介しましたが
割と幅広くてポップロックな楽曲も存在してますよ。

邦楽ロックが好きな人なら
こちらのギターサウンドのほうが好みかもしれません。


それと、今回I'veの中でも高瀬一矢にフューチャーしましたが
実は個人的ヒット率はC.G mixのほうが高かったりします

ただあまり彼は外部への提供は行っていないんで
この企画の趣旨に合わなかったのです。
せいぜい【BROTHERS CONFLICT】関連にしてるくらいかな。


私がPCゲームをほとんど嗜まないのに
どんなにマイナーな作品でも妙にアダルトゲームの曲を大量に聴いてるのは
確実にこの高瀬一矢及びI'veの存在が大きいです。

実際I'veが手掛けるだけで
ゲームの売上が変動するほどの影響力があった時期もあった
ようですし
その魔力にまんまと罹っていたというわけですね。

通称:エロゲソング
良曲、むっちゃ多いですよ。
タイアップ先を気にしなければ
ぜんぜん一般層に訴求できるクオリティだと豪語します


次回の更新は4/6(水)になります。

今回ちょっとMADについて触れたので
これで気に入ったものの紹介でもしてみましょうかね。
しないかもですが。

よしなに。


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えいちびぃ
最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!