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結束バンドの「We will」は作曲家で聴け!【ぼっち・ざ・ろっく!】

たかが美少女アニメの企画バンドと侮るなかれ

アニメ【ぼっち・ざ・ろっく】から飛び出した結束バンドが
ツアー中のタイトルを冠したミニアルバムを発表。
今週11/6(水)がフィジカル盤の発売日ということで
今回はこちらを取り上げてみようと思います。

4曲収録でボーカルが全部違い曲調もバラバラで
これまでのアルバムとは全く聴き心地が異なる作品となっていて
最小曲数ながら最もバラエティに富んだEPと言えるでしょう。

本作は最初から公式で作曲者をフューチャーしたプロモーションを展開したので既知の方も多いとは思いますが
改めて聴くべき楽曲を独断と偏見で並べてみました。
これを期にバンドに興味を持って聴いてみるのも一興だと思いますよ!


Saucy Dog

喜多郁代(CV.長谷川育美)の歌う『milky way』を提供したのは
Saucy Dogの石原慎也
今回の4個曲の中で最もポップで喜多ちゃんのイメージにぴったりです。

紅白にまで出場したまさにビッグネームと言える彼ら。
バンド界隈でも話題をかっさらってる結束バンドに楽曲提供という特大の大役、しかもメインの長谷川育美歌唱曲に起用するというのは間違いなく期待されている証。

代表曲はおそらくYouTubeでも一億回再生を越えているこちら。

染みるバラードです。
サウシーサウンドど真ん中といった具合の楽曲。

サウシーには正直そんなロックバンドというイメージは薄いんですよね。
ヒットしてるのもバラードばかりですし。
それでもこの曲は好きでした。

メッセージ性の高い歌詞が売りだと思いますが
途中入る叫びと共に言葉が突き刺さってきます。
やっぱりバンドマンは熱唱してナンボでしょう!?

最近まではアニメ【烏は主を選ばない】の主題歌を歌ってました。

超かっこいい!
正直彼ら史上一番好きな曲になりました。
こんなアップテンポな曲も作れるんだ!知らなかったです。笑
もうわかりやすくアニソンしてくれてるってのもあるかもしれませんが
最もメロディアスな気がしてます。

トリオのバンドで女性ドラムってのも珍しいですよね。
多くはないけれどコーラスに女声が入るのもエモくて大変好みです。
シナリオアートまでとは言わなくても凛として時雨やそこに鳴る、Hello sleep walkerくらいは歌っててもいい気がしますが。
今後の展開としてどうでしょう、サウシーさん?笑


ACIDMAN

山田リョウ(CV.水野朔)が歌う『惑う星』を提供したのが
ACIDMANの大木伸夫
いかにもACIDMAN!といった感じのセカイ系で
ミステリアスなリョウのイメージにぴったりです。
ヴァイオリンが入ってるのが個人的に超推しポイント。
ベースソロまであるのがもう最高。このEPでダントツに一番好みです。

今回の楽曲提供陣の中でもとりわけキャリアの長い彼ら。
代表曲というか、メジャーデビューからいきなりスマッシュヒットしたというイメージです。

わぁ、懐かしい。
一番カウントダウンTVを熱心に見ていた時期なので
むちゃくちゃその当時の空気が蘇ってきます。

当時はそんな言葉は存在してませんでしたが、
「エモい」という感情を凝縮したような楽曲です。
この曲はインディーズから存在していたらしいので、もうこの曲がデビューに繋がったと考えても大げさではないんじゃないでしょうか。

そして結束バンドPVでも意識されてると言われているのがこちら。

the band apartでも聴けるのですが、この単音テンテケギターが当時流行ってた気がします。
もしかして日本ではACIDMAN発祥?くらいの影響力もありそう。
サビで一気にメロディアスになるのがカタルシスありますよね。

ACIDMANは正直あまり大ヒットしたという記憶もないんですが
ずっと安定してちょっと売れてるってイメージですね。
長く続けていられる秘訣がそこにはありそうです。

そんな彼らを改めて最近意識したのがこちら。

実写映画【ゴールデンカムイ】主題歌。

かっこいい!好きな作品に好きなアーティストが好みの曲調で楽曲提供するとかなんという僥倖。
惜しむらくはなぜ続編がWOWOW独占放送ドラマ化なのかってとこですよ。
せっかく映画で見て感動してたのにあんまりだ!私はTVを持っていない!

ACIDMANは主軸として2本立ててると思ってて、
こういうシンプルなエモロックと、
2013年から2016年頃に発表していたちょっと不思議な浮遊感のある世界観
宇宙とか惑星とかなんか壮大な表現。
今回提供したのはそんな後者の雰囲気を感じるんですよね。
アニメ関連に提供するということでひょっとしたら意識したのでしょうか。
結果弦楽器も入って私好みの楽曲に変貌しました。
らしさと新機軸いいとこどりな楽曲。美味しいですねぇ。


04 Limited Sazabys

伊地知虹夏(CV.鈴代紗弓)が歌う『UNITE』を提供したのが
04 Limited SazabysのGEN
フォーリミらしさを少しもブラさない疾走感溢れる楽曲で
虹夏ちゃんの元気いっぱいのイメージにぴったりです。

彼らはもうインディーズの頃から破竹の勢いで売れていきましたね。
私もTSUTAYAで注目アーティストというところからこの『monolith』を試聴してそこから好きでずっと聴いてます。

この疾走感!最高!
少年のような、ともすれば女性ボーカルとも聴き紛うような
この芯のある高音キンキン声も武器。
まさに少し前に提唱した「特徴のある歌声」に数えていい歌声ではないでしょうか。
むしろ今回女性声優に楽曲提供したことでちょうどいい塩梅に。
インディーズの曲なのでもう今はやっててないのかなと思いましたが
この前JAPAN JAMで生で聴けて嬉しかったです。

そして結束バンドPVでも意識されてると言われているのがこちら。

てことは『swim』が代表曲って認知されてるってことなのかな。
運よくインディーズから知ってるので
彼らがイマイチどこで売れたのかわかってないんですよね。
ゲーム【SHOW BY ROCK】でも04Tobizbitsとして多数楽曲参加してますし。そういうタイアップ構成があってもなくても曲調に変化は感じられず
ずっと変わらない味を提供してくれる安定感があります。

そして待望のアニソンにもついに参加しました。

弱虫ペダル】主題歌。
ドライブ感のある楽曲といいポジティブな歌詞といい、
実にタイアップに自然と適した楽曲で聴き心地がいいです。
ぜんぜんアニメに寄せてなくていつも通りの彼らって感じですけどね。

てかこのアニメ、いい感じにポストロックばかり起用しますよね。笑
ROOKiEZ is PUNK'DとかDIRTY OLD MEN(MAGIC OF LiFE)とかLASTGASPとかRhythmic Toy Worldとか。全部アニソン歌うのか!とびっくりするメンツ。
ロードバイクという泥臭くスピードを競う作品として
そういう音楽が似合うもんだから素晴らしい起用だと思います。

フォーリミは基本的にどの曲もキーが高いので
今後も是非女性ボーカルに提供してみてほしい組み合わせですね。
違和感少ないと思います。
だって今回ドラマー虹夏ちゃんのキャラクター性、しっかりを表れてると思いません?ベストな組み合わせですよ。
彼ら自身いろんな企画モノに参加する傾向も強いので
他ジャンルとの交流も消極的ではない気がしてるんですがどうでしょう。


きのこ帝国

ラストは後藤ひとり(CV.青山吉能)が歌う『夢を束ねて』。
ついにぼっちちゃんにカバー曲ではなくオリジナル楽曲が宛がわれました。
こちらを提供したのがきのこ帝国の佐藤千亜妃
ネガティブなぼっちちゃんのイメージにぴったりなミディアムテンポな楽曲です。

今回の楽曲提供陣では唯一活動休止中のバンドで、
いまはソロ活動のほうが中心ですね。

検索してトップに出てくるのはこちら。

きのこ帝国は全体的にこのミディアム調の楽曲が主体です。
一貫して抒情的な曲調・歌詞
むしろソロのほうが色々実験的で面白みがありますが
バンドはこの変わらない世界観が人気な気がしてます。

そして結束バンドPVでも意識されてると言われているのがこちら。

1500万回再生を優に超えています。ということは代表曲になるのかな?
個人的にもこのアルバムから聴き始めた感じです。
ここは世間の評価と一致してますね。珍しく。
でも調べてみたらこの頃はまだインディーズだったみたい。

いやぁ、ほの暗いですねぇ。
アップテンポな曲が皆無なので正直個人的な琴線にはあまり触れませんが
こうしてたまに聴いてみるとたまにはいいかもなと思える落ち着く曲調。
ぼっちちゃんの孤独を担わせるには適した組み合わせかもしれませんね。
歌詞も内省的ですし。fra-foaとかなんだかその辺りを彷彿とさせます。
いや三上ちさこには一時期ハマってたのでちゃんと聴けば自分もハマるのかな……沼は深そうです。笑
奇しくも一番奇抜な格好をしている青山吉能がこういう感傷的な楽曲を歌うのも、なんだかあべこべで面白いですね。


Afterword

というわけで4者4様の楽曲おさらいでした。
どのバンドも”らしさ”を存分に発揮した良質な楽曲提供ではないでしょうか。サウシーだけちょっと自身のバンド曲よりポップに仕上がってるかもとは感じますが。

レコード会社の思惑としては、ツアーに向けて長谷川育美以外の歌唱曲を増やしたかった、というのもあったかもしれませんが、
企画盤としては大変面白いEPになったと思います。
むしろ一人一曲歌唱を詰め込んだCDというのは美少女アニメのキャラソン集に最も近い感触のような気もします。笑
『カラカラ』といいなんだか山田リョウ楽曲が妙に刺さってます。

いやぁ、アニメが終わってからも【ぼざろ】は継続して音源を供給してくれて嬉しい限りですね。キャラソンはなんぼあってもいいもんですよ。
それがロックを基調としてるなら尚更ウェルカム。

今度はガールズヴィジュアル系バンドでもアニメ化して現役V系バンドが楽曲提供とかしてくれませんかね?
あ、それが【マガツノート】か。もっと大々的に流行ってくれ。
アニメ化したらワンチャン?

というわけで声優ファンとロックファンの垣根を超える良企画を私は支持します。こういう異種格闘技大好物ですよ。ジャンルの壁なんてぶち壊せ!
そのためには声優が歌唱するのが一番軋轢が少ないと思います。
声優さん、応援してます!!

是非売れたアニメの企画バンドを深堀りする楽しみを
皆さんも知ってみてくださいませ。

ではまた更新した際はよしなに。


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えいちびぃ
最後まで長文お読みいただき誠にありがとうございました。 つっこみどころを残してあるはずなので 些細なことでもコメント残してくれると嬉しいです!