本の紹介をしたい
これまでにも僕はたびたび、小説家の森博嗣さんの著書を引用しながらnoteを書いてきた。この引用スタイルは森さん自身の作品の構成に寄せているものだという説明もしたことがある。
最近のだと、これだ。
これもそうだし、今まで引用してきたものは、自分で思ったことを書いてみた後に、引用できそうなものを探すパターンだった。でもそれだと、尊敬する心の師匠である森さんの作品を、僕のnoteの引き立て役に使っているみたいな気がしてしまった。
今度は逆のアプローチで、印象的なフレーズを抜き出して、そこからインスパイアされたものをアウトプットしてみようかなと思う。それが、森さんの作品を紹介することに繋がるんじゃないかと。
実のところ、このスタイルも森さん自身の作品である「君の夢 僕の思考 You will dream while I think」から着想したものである。
( ↑ コレ、値段がおかしい。)
この作品は、過去の森さんの作品(主に小説)から、担当編集者が気になったフレーズを抜き出し、それに対して森さん本人が一言コメントと、自身で撮影した写真を添えたフォトエッセイになっている。
森さんの言葉には、たくさんの「気づき」がある。本当にクリアで無駄が無くて、美しくて、彼は世界の真理を悟っているのではないかと思える程に、全ての表現が的を射ている。
群体としての「文章」ではなく、抜粋した「文」だけで一つの強固な世界観を構成し得る力を持っているというのは、尋常ではないことだと思う。
そんなわけで、この「君の夢 僕の思考」は僕にとってのバイブルなのだけど、畏れ多くも、その教典の真似事をしてみようというわけだ。
毎回毎回書けるわけではないし、不定期アップになるとは思うけど、やってみたい試みとして宣言しておこうと思った(今まで通りの引用スタイルと何が違うのかと問われると、僕の意識の問題でしかないのだけど、とりあえずタグか何かで、区別できるようにはしておくつもり)。
上述の「君の夢 僕の思考」は、その序文を↓以下の投稿で引用したことがある。
これを読んでもらうと解るのだけど、森さんは「自分の言葉が正しく伝わる」とは考えていないようだ。言葉の力を信じるライターでありつつも、「伝わったら良いな」ぐらいで構えているように見える。
僕もおそらく(というか絶対に)、彼の言葉を彼の意思通りに理解できたとは思わない。だからこれから書く紹介文は、あくまでも僕の感想文に過ぎない、ということは予め断っておきたい。
その上で、それを読んだ人にも、僕の心の揺らぎが伝わってくれたら嬉しいなと思う。
君と僕との間に、それがあるね。
夢と思考の間にも。