Spotifyとの付き合い方
普段Spotifyを使って音楽を聴いている。
ポッドキャストもよく聴くが、音楽に関しては生まれる前に流行った歌謡曲・演歌から最近のミュージシャン・アーティストの楽曲、それから十代~二十代前半に聴いていた大好きなバンドたちのアルバムまで、それなりに幅を持って聴いているつもりだが、困っていることがある。それはプレイリストが上手く作れないということだ。
例えば尾崎紀世彦の「また逢う日まで」を選ぶとアルゴリズムに従って他の曲がレコメンドされる。確かに自分の好きなタイプの曲が並ぶしそこから選ぶのは一端の楽しさがある。しかし一曲選ぶごとに三曲増えて際限がない。
もしかしたらZ世代以降の若いユーザーはうまくやっているのかもしれないが、僕のように十代の頃から新譜・中古を問わず何枚ものCD・レコードを買ってきた身からすると多くとも十数曲という枠で音楽を捉える癖のようなものがついていて、そこからなかなか抜け出せない。
今は亡きMDやiTunesを使っていた頃も、基本的には自分が購入した音楽という枠の中で選んでいたから選択肢のほとんどを把握できていた。だから一億以上の中から選べといわれるといまだに戸惑ってしまうのだ。
現在作っているリストは三つ。
まずは、どんな形でも活動を再開してほしいと願って止まない踊ろうマチルダ、中山うり、奇妙礼太郎など小さい箱で聴きたいミュージシャンのリスト。
これは選択するのにほとんど迷うことがなかった。ライブに行ったアーティストも多いしiTunesを使っていた頃にも同じようなリストを作っていたから。聴いていて深く沁みてくるような曲が多く、白熱灯のようなリストになった。
fox capture planやSPECIAL OTHERS、H ZETTRIO、Indigo Jam Unitなどの現代日本のジャズバンドの曲を集めて、主に移動中に聴くリスト。歌詞の言葉が鬱陶しく思えるようなときにも聴くことが多い。
もう一つは『仮面ライダー』などの特撮ものの主題歌たちのリストだ。子供時代、借りてきたVHSで特撮ヒーローを繰り返し繰り返し観ていた僕にとって自分を奮い立たせるというか、テンションを上げるのに一番効くもののひとつが特撮ものなのだ。
iTunes時代にはJUNK LISTと名付けて適当に好きな曲をジャンルも国も関係なく突っ込むリストを作っていたのだが、Spotifyでそれをするのは難しい。あれもこれもと際限がなく、途中で思い出した曲を忘れることもしばしばだ。
とはいえ基本的には楽しんでいる。Spotifyが作っているジャズ、クラシック、ブルースのリストもたまに聴くし、好きなアーティストのアルバムをそのまま聴くというのも当然する。十年単位で追うのをやめていたバンドの新譜が思いの外良かったりするのを発見することもあり、それはそれで面白いし、サブスクならではの気軽さだ。
昔から聴いている『バナナマンのバナナムーンGOLD』のポッドキャストや『佐久間宣行のオールナイトニッポン0』なども聴いている。
前述の悩みがあるし、山下達郎などの聴きたいのにサブスク解禁されていないアーティストのこともあるので完全にSpotifyだけでいいやとはならないものの、結構サブスクで音楽を聴くということに慣れている自分に少し驚いてもいる。