見出し画像

オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"=覚醒させるヒント⑰

ストーリー重視のADV 分岐シナリオに求められるもの

今回の扉絵の写真を見て(右側の青は、別の攻略本をめくった表2である)”おっ!”と思った方は同士である。多分”赤坂美月”に”惚れた”あるいは”何度も殺された”である。そう、画像は、やるどら『ダブルキャスト』のヒロインを演じた平松晶子さんと、キャラクターデザイナー・後藤圭二さんのサインである。いつの日か、ディレクターを担当した西久保瑞穂さん、絵コンテ・シナリオを担当した川崎逸郎さん、そして、この作品が初のゲームミュージックの担当であった梶浦由記さんのサインを、表3、表3対向に入れたいと思っている。(実は、アニメーター分野には、更に相当な大物が入っている。原画のトップはIGが誇るスーパーアニメーター黄瀬 和哉さんで、なんと新人動画マンとして『進撃の巨人』『サイコパス』のキャラクターデザイナー浅野恭司さんの名前がクレジットされている。)
この投稿が目に入って、PS4で遊べるようにして欲しいなぁ…(マジにIGポートに行くかなぁ)

さて、数あるアドベンチャーゲーム、数ある”やるドラ”の中で『ダブルキャスト』に衝撃を受けたのは、アドベンチャーゲームのシナリオにおいて難しいとされる”選択肢を選択した直後のシナリオ、および本流に戻すシナリオにおける『整合性』が、映像演出レベルに至るまで出来上がっている”からです。もしかすると、この視点は映像業界からゲーム業界にシフトした僕だから持っているかもしれないですね。あまり、この話題をキャリアの中で語った気がしない。(赤坂美月のカワイサしか語っていない気がするぞ…)

最近のアドベンチャーゲーム(と、言わないでノベルゲームと言うのは自覚があるからだと思うが)は『探索』『選択』『分岐』の面白さが減ってきていると思います。それはそれで”小説に声と挿絵がついているわけですよね”と新しいエンターテインメントとしては認めます。(GAMEのそもそもの意味=勝負からは離れていると思いますがね。)
このノベルゲームのシナリオは、むしろ小説の作り方、見せ方の方で論じた方が良い(テキスト系のゲームゆえに、一行の文字数やフォントサイズなどのゲーム特有の部分はありますが)と思います。この辺は、名著があるので今回は深堀しません。

逆に、昨日のマップデザインにおけるストーリー進行で語ったように”ストーリーを自分で紡ぐ”行為をシナリオに求める場合に一番重要なのは”整合性”だと思っている。(書かないと言ったけど、この部分はノベルゲームでも一緒かな。アマチュアのシナリオでのやりがちな失敗は、作者サイドが分っている事実を提示しない事で、読者・プレイヤーが置いてきぼりにされるケースが多い)
RPGのフィールド上のNPCとの会話と言ったイベントにおいても、整合性は必要です。しかし、RPGの場合は各イベントの後で”自分で行動を選択してキャラクターを動かす”のでプレイヤー自身が”進行の担い手”になります。この場合は「あれ?あの布石や、伏線って何だったんだ?」”と思うことはあっても、進行中の違和感にはならない

ところが、アドベンチャーゲームのシナリオにおいて選択肢を選んだ後に
*選択肢に関するレスポンスのセリフ
*レスポンスに続くシナリオおよび、そこにつなげるセリフ 
が、違和感のある物だと、一気にプレイヤーは没入感から引き戻される

だから”整合性”は絶対に重要な要素だ。
その重要な”整合性”を『ダブルキャスト』は映像レベルで行ったのです。
例えば”主人公とヒロインの出会いのシーン”において「赤坂美月」の名前を思い出すまでの「住所は?」「生年月日は?」「スリーサイズは?」において、正解ルートにシフトしても、ループルートに入っても映像として見て整合性が取れています。(同じ絵を使いまわしている事は仕方ないが、そこを除けばリプレイモードで映像作品として見たときに違和感を感じません)

ゆえにゲーム『ダブルキャスト』の本当の立役者は脚本・絵コンテを担当した川崎逸郎さんだと思います。川崎さんが様々なケースにおいて”整合性”を取りつつ、その後のストーリー展開の布石になる”シーン構築”を行ったことが最大の面白さを生みだしたと思うし、ゲームシナリオを目指す人には”整合性”へのこだわりを感じて欲しいと思います。
(直接、お伺いしたわけではないのだが、川崎さんが「ダブルキャスト」終了後にゲーム『アークザラッド』『ワイルドアームズ』『戦国BASARA』のアニメ化作品の監督を務められたのは、コンピューターゲームの面白さを理解している映像作家だからではないかな?と思っています。これコロナ関係が落ちついたら一度、お伺いできるように動こうっと!)

今日は、指導法を語ると言うよりも、作品を事例にしての指導になってしましまいました。でも、傑作の解析は重要だと思っていますので、この際に記事としてまとめました。良ければ、コメントやシェアお願いします。

さて、週末は、僕のオタク史です。2日間かけて”洋画ファンとアニメファンを結びつけた『声優』という存在”に関して書きたいと思います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?