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オタク生活55年が語る若きクリエイターを”AWAKING"=覚醒させるヒント⑯

マップが存在するゲームにおいてのストーリー進行の解析

最近、スマホのアプリが原体験になっている若者が増えてきたために、以前ほどではないが相変わらず”ゲームのシナリオが面白い”と言うゲームファンは多いと思います。いわゆるテキストを読むことでのストーリー進行(若干の分岐はあっても)するアドベンチャーゲームや、ほぼテキストでのストーリー進行にバトルが存在するゲーム(『FGO』など)の場合は、文学やマンガ、映像のように”与えられた物語進行が面白い”と言えると思う。(もちろん『FGO』におけるバトルに意味が無いと言っているのではない。むしろ僕は、当該作品はバトルや必殺技演出に関する気遣いが、その作品のガチャを引く同期になっていると思っています。)
また、すべてのアドベンチャーゲームが受動的ともいえない
明日の記事で取り上げるが、傑作と名高いやるどら『ダブルキャスト』は、山ほどの選択肢でストーリを紡いでいく作品であってADVではあるが、かなりの能動的な作品だと思います。(詳しくは明日だが、あの作品がすごいのは、選択肢を紡いで出てくる映像が、きちんと映像作品としてのカット割りや進行がなされていることだ。絵コンテを担当したのが川崎逸朗さん=後にアニメ『戦国BASARA』や『魔法少女 俺』の監督なので、当然と言えば当然なのだが)

一方で、マップ移動を伴うRPGなどに関して”ストーリーが楽しい”と話す場合は、能動的な選択が物語に影響を与えています。けど、(当たり前すぎて)そこに目を向けていないでゲームプランナーを目指す若者が、意外と多いのも事実だと思います。

例えば『ポケットモンスター』シリーズにおいて
①君は男の子?女の子? で、シナリオは大きく変わる
②衣装設定などで、目で見た自分の分身も変わっていく
 (ストーリーへの関与は少ないが)
③選んだ基礎ポケモンによって、ストーリー進行は同じであっても、
 初期のジム戦などの難易度が大きく変わっていく。
 (例)第一作において、ヒトカゲを選ぶかフシギダネを選ぶかによって
    ニビジム戦、ハナダジム戦における基礎ポケモンでのバトルの
    難易度は変わっている。
当然、ジム戦に至るまでにタイプの違うポケモンをそろえる必要がある。

そのゲーム進行に必要なポケモンを獲得したり、経験値を得るために、フィールドを探索する行為は”能動的なストーリーを紡ぐ行為”なのである。
(前職において、ゲームプランナー志望学生が、もっとも理解しやすい例示であった)この気づきを面白がってもらえると、マップ設計(モンスターの出現場所、出現率、出現条件などに加え、NPCの出現も)がRPGのシナリオを楽しむための重大な条件と理解するようになってくると思います。

ゲームクリエイターとして生活している人間にとっては当たり前の事実だが、逆に言えば”ゲームクリエイターは、プレイヤーに世界に没入させて探索させることが重要。作業と感じさせない事が重要。”ゆえに、職業特有の”当たり前の考え方”になっていくのだと思います。

ゲームクリエイター志望者が、マップの重要性に気づくことによって(システム系のUIだけでなく)マップ上の看板や穴、扉、行方をふさぐ岩なども”ストーリー進行を誘導するインターフェイス”であることに目を向けることが可能になってくると思います。
と、同時に”お化け屋敷”のアトラクションなども同じであることにも気がついてもらえると思う。(これまた個人差はあるのだが…)

RPGにおいて、詳細なマップデザインが、ゲームデザインやレベルデザインの核と結びつくことを、しっかりと認識することが、ゲーム分析からゲーム想像に取っての重要要素であることを認識して(指導者は、認識させて)欲しいと思います。

明日は、ストーリー系のゲームに関して話したいと思います。
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