細菌から学ぶ遺伝子編集①

CRISPRという技術は太古からの細菌を研究することで見つかった。
まず、細菌とウイルスの違いから確認しよう。

1. 細菌とウイルスはどう違うのか

詳細な説明は専門文献に譲るが、雑に説明すると

【細菌は生き物で、ウイルスは生き物ではない】

ところでDNAという設計図がある。
この設計図は全遺伝子情報(=ゲノム)とも表現されることもある。
生物は皆、それぞれのDNAに従い、タンパク質を生成する。
まさに生物のそのものの設計図である。

DNAは細胞一つ一つの「核」と呼ばれる内部に収納されている。
細菌(細胞1個から成るものもいれば、複数の細胞から構成される細菌もいる)はこの設計図を参照しながら、細胞の中の様々な機能を働かせ、タンパク質を生成し、それらを機能させ、成長していく。

一方で、ウイルスとはこの設計図をタンパク質の殻で囲んだ物体である。

2. ウイルスは細菌(細胞)の力を借りて増殖する

ウイルスは自分でタンパク質を合成する能力を持たない(自分ひとりでは増殖することができない)ため、細菌に完全依存して【タンパク質を作ってもらう】のだ。

ここが面白いのだが、

ウイルスは自身のDNAを細菌のDNAに織り込む。
なんと細菌は気づかず、設計図通りウイルスが欲しがるタンパク質を作り、そしてウイルスの増殖を手伝ってしまう。

そして、必要な材料を手にしたウイルスはのうのうと細胞外へ出て、新たな宿主を探すのだ。




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