Apple Vision Proを体験してきたが想像より凄かった話

「VRは80年代にジャロン・ラニアーが提唱したアイデアから、まったく進
化していない」と私が敬愛する高城剛は語っていたが、私はこれまでVRのことを舐めていた。

Oculusを初めて使ったときは画質の微妙さに気がとられたし、Beat Saberで遊んでいるときは「これが未来か⋯⋯」と落胆した。

遊園地でVRによるジェットコースターに参加したときは少し凄いと思った。映像はアニメ調だが、高所から落とされるときは確かに怖くタマヒュンしたし、高所恐怖症の友達は絶叫していた。だがVR作品の作りが甘いようで、映像内で自分の足にジェットコースターのレールがぶつかって何も感じなかったとき、所詮バーチャルだなと冷めてしまった。


さて今年の2月、Apple Vision Proが発売された。かのAppleが手掛けた製品であるため注目が高かった(値段も高かった)が、現在10月になると話題を聞かなくなったように感じる。

「やっぱりVRは時代が早いのだろう」と個人的には思いつつ、最近東京に行く機会があったので、Apple Storeでやっているデモに参加してきた。ネットでは値段が高えとか、機能がショボいなどと炎上しているが、やはり実際に利用しないと分からない。

デモは30分ほどあり、私は映像中心の内容をスタッフにお願いした。ゴーグルの調整をしてデモが始まったわけだが、タイトルにもあるようにまあ凄かったわけだ。

まず純粋に映像がキレイだし、そのおかげで没入感がある。山頂や氷河の映像を見たときはマジでここに居るじゃんと感じさせれた。これまでのVR機器で見た映像も確かに没入感はあるものの、画質の粗さが足を引っ張り、心の中で「でもやっぱりバーチャルだな」と思ってしまう部分があったのだ。

また空間撮影による映像も凄かった。文字通り写真や映像が立体的に見えるわけだが、こればっかりは体験したものしか分からないだろう。1つ言えるのは「眼の前にある」ということだ。3Dメガネとかの子供騙しな立体視ではなく、マジであるのだ。友達との思い出を今撮っておき、老後に見たらおそらく私は泣くだろうと確信できる程度には眼の前に存在している。もちろん全くアラがないと言えば嘘になるが、それでも現時点の技術でこの立体視レベルなら、数十年後には現実と見分けがつかなくなるだろうと感じさせられた。

最後にApple Vision Proによる映画鑑賞も良かった。もちろん映像のキレイさもあるが、没入感があり集中して映画を鑑賞できる。私はストリーミングなどでアニメや映画を視聴するときは大抵1.5倍速以上にし、他の作業をすることもあった。だがApple Vision Proをつければ自分は映画館に居るときと同じ状態になり、集中して作品を楽しめる。今後の映画館はIMAXなどの大画面か、体験型しか生き残らなそうだ。

こうして30分のデモは一瞬で終わり、私はApple Vision Proが欲しくなっていた。この製品に未来を感じたのだ。

私のようにVR機器を舐め腐っている人は、ぜひApple Vision Proのデモをオススメする。これはもっと話題になっていいはずだ。

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