Netflixドラマ『メシア』シーズン2中止が発表される
残念なニュースが発表された。
2020年1月に配信がスタートしたNetflixのドラマ『メシア』（英題：Messiah）シーズン２の中止が発表されたようだ。コロナウイルスの流行により世界各地での撮影が難しくなったことが表向きの理由とされている。
でも実のところはドラマの内容が物議を醸していることが中止の理由のようだ。
批判が多いポイントの1つは登場人物の名前。Mehdi Dehbiが演じる現代のメシアとされる人物には『Al-Masih（アル・マスィーフ）』という役名がつけられている。アラビア語で「メシア」を意味しコーランにも登場する。文脈を全く理解しない日本人にとっては、批判や反感を買う理由は正直思いつかない。
しかしイスラム教徒にとってこの名前は全く別の意味を持っているようだ。
『Dajjal（ダッジャール）』イスラム教における偽救世主、偽預言者。キリスト教における反キリストに相当する邪悪な存在だ。この人物のフルネームこそが『Al-Masih ad-Dajjal』なのだ。それがあろうことかメシア、神の子として描かれるのは大いなる冒涜とされている。
予告編が公開された時点でこの名前は炎上しており、change.orgでもボイコットを呼びかける運動が展開され5,000人の署名が集まっている。Netflix側は「このドラマはフィクションです」で押し切る考えだったが、批判の声が大きくなるにつれ妥協せざるを得なくなった。
そして配信開始前からイスラム教、もしくはアラビア語の背景がある人々からは「名前からしてネタバレしてない？」という声が上がっていたそうだ。
『メシア』シーズン1ではストーリーが進むにつれて突然現れたカリスマが本当にメシアなのか？いわゆるメサイアコンプレックスなだけでは？という疑念が大きくなっていく。そして彼を乗せた飛行機が墜落し死んだかと思われたのだが、驚くべき”奇跡”によって謎がさらに大きくなっていくはずだった。
せめてスクリプトだけでも書籍化してくれないかな。本当に残念。
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