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【プレビュー】vsFC東京 立ちはだかる松橋トーキョー!ブレずに立ち上がれ【FC町田ゼルビア2025年J1 第2節 】

こんにちわこんばんわ、ひだりです。
この対戦、ダービーとは思っていません(いっそ青赤味スタ戦は故郷のお祭りにすら感じる)が、強いて言えば多摩ダービーよりは新東京ダービーがいいな。

FC東京戦、プレビューです。よろしくお願いします。


FC東京の今季

昨シーズンを7位で終え、1年半のクラモフスキー体制が終了したFC東京。今シーズンは新潟のポゼッションスタイルを進化させた松橋力蔵監督を招聘。町田・東京ヴェルディに後塵を拝した昨年からの雪辱を掛け、更なる上位を目指すシーズンのホーム開幕戦という今回、いきなり町田との対戦です。はえーよ。

なお新潟からの監督招聘は、クラモフスキー監督の前、アルベル監督(2022-2023シーズン途中解任)に続くもの。大枠で言えばクラモフスキー監督もポゼッション系にはあたるので、チームの方向性として持っていきたいのはそちら方向という気配。

新潟にポゼッションサッカーの種を蒔き、芽を育てたのがアルベル監督。そのスタイルを熟成、深化・進化させたのが松橋監督。
新潟がアルベルト監督(新潟時代の表記)のボールを大事にする心をそのまま引き継いだ一方、アルベル東京での仕事評価は青赤界隈でそこまで芳しくなかった雰囲気もあり、新潟・東京両者のチームビルディング推移を重ねるのは少し難しい感じもある。

それでも、開幕・横浜FC戦では、まだまだ「チームとしての完成度は入口部分(森重)」ながら、今年の東京が何にチャレンジしていくのか、しっかり感じられるプレイを見せました。

FC東京vs横浜FC戦

FC東京・横浜FCともに基本フォーメーション3421。横浜FCは昨年J2 2位の昇格組でスタイル継続。3421でのゲーム構築の習熟度としては横浜FCの方が一日の長のある状況。

FC東京は、前半・後半・ゲームの締めの時間帯でそれぞれ少し異なるアプローチが見られました。

FC東京vs横浜FC戦  スタメン / サブ

前半:前3枚への縦楔ロングボールで速い攻撃

前半は後ろでボールを動かしながら、機を見て前線(FWやIH)に速い縦楔やロングボールを入れる戦い方。
前線3枚が俵積田・マルセロヒアン(昨季鳥栖)・仲川と速く突破力があるタレントが揃っているので、そのタレントを活かしてシンプルに前にボールを当てて裏抜けやサイドへの展開で攻撃に持ち込んでいく形を志向。

開幕戦ということで先に失点したくない。うしろの枚数を残す安全な形で個でのアタックを仕掛け、相手の出方の様子を見る意図もあったのかもしれない。

後半:中盤スペース活かしたローテーション攻撃

後半からのFC東京は、比較的前に早めにボールを預けた前半から、前進の仕方に変化を加えてきました。

後半5分頃の動きのローテーションイメージ

右IHの仲川が半列〜1列降りてボールを受ける動き、合わせて右WB白井が内に入る動き、などIH・WB・VOで連携してスペースを共有する動きを見せる。
選手がポジション入れ替えてローテートしながら前に迫っていくスタイルは新潟時代から続く松橋監督らしさを感じるやり方。

逆側の左サイドも同様にIH・WB・VOが時折ポジションを入れ替える動きを見せたが、より活発な変化を見せたのは仲川・白井のいる右サイドだった。左の俵積田はドリブルでゴール前切り込める選手なので、右で作って左で仕留める想定があったかもしれない。

得点シーンはそんな右でのビルドアップの流れで得たスローインからはじまった攻撃でした。

仲川の裏抜けの動きで相手DFを釣り、わずかに空いたスペースへパスを通す白井。中央の小泉の落としから高の放ったクサビを俵積田がワンタッチでゴール前のスペースに落とし、WB位置から侵入した白井がそのままゴール対角にフィニッシュ。

流れの中でのゴールでこそないものの、松橋監督のサッカーのエッセンスがつまったようなファインゴール。

得点後〜ゲーム終盤:523ブロックによるクローズ

得点後はリードを取ったエネルギーを発揮し、ゲームを締めにかかる。
523ブロックでゴールを守りながら、チェイス役がボール保持者へ果敢にプレスを発動。ボールが動く度にボールサイドの選手がギュンギュンと飛び出す。前がかりに行かざるを得ない横浜FCに自由なプレイを許さず、うまくひっかけてボールを奪えると速攻のカウンターを繰り出す。

交代で入った佐藤恵充、相手がボールを後に下げると猛スピードで二度追い三度追いの勢いで突っ込んでて、あー終盤のコレ最終ライン嫌がるわーという感じ。ボールがあまり足に付かないのも含め富樫敬真を彷彿とさせますね……ハーフ・クォーター系あるあるでしょうか。

そのまま最後までゴールを割らせることなく試合終了。4231フォーメーションでのボールの動かしでは横浜FCの方が成熟を感じさせる一方、練習してきた形の一撃を決めたFC東京の勝利。


  1. 前半:前3枚への縦楔ロングボールで速い攻撃

  2. 後半:中盤スペース活かしたローテーション攻撃

  3. 得点後〜ゲーム終盤:523ブロックによるクローズ

と、時間帯・状況ごとに戦い方のプランを替えており、うち1・2 についてはまだまだシーズン初頭の立ち上げ期という印象のあるムーブではありましたが、結構楽しめる試合でした。(3. は、森重・長友を筆頭にFC東京って結構いつの時代も根本的にそういうチームだと思っているので、わりと見慣れてるやつです。)

なお、この試合、仲川は時には左サイド近くまで出張したり、守備時は2ボランチの脇までかけ戻ってサポートに入るなどピッチ全体を攻守に大きく駆け回り、76分の交代までの出場時間中、特に替えの効かない働きをしていました。

横浜FCでは今季町田から完全移籍したSJこと鈴木準弥も、いつも通りの鈴木準弥をしてたりもするので、ゼルサポ的にはわりと見所の多い一戦だと思います。
ぜひ味スタ行く前にDAZNで見てみることをおすすめします。

※東京サポのひかるさんのレビューを見つけたので載せておきます。

今週のポイント

  • 町田式3421の再点検

  • 町田に強い松橋監督に打ち勝つチャレンジ

  • ゾーンごと守備判断の整理

町田式3421の再点検

前節・広島戦はフォーメーション3421同士でのミラーゲームでしたが、広島はこちらが初フォーメーションを試すには相手の完成度がすこし高すぎる相手。強度も技術もスタイルも少しピーキーすぎると言うか。。

今回は新監督を迎えたFC東京と、現状育成途上のステップにあるチーム同士の対戦となるため、広島戦よりもオーソドックスに、今年のJ1基準に町田の3421をぶつけた時にどうなるか測れる試合にはなるのかなと考えています。

FC東京も3421をベース布陣としているので、今節も基本ミラーゲームの展開が見込まれます。まずは広島相手に良い戦いを見せた開幕戦前半のスタイルをぶつけてみてほしいところ。
ただし、負傷してしまったダビドリューホ、岡村大八なしであの戦い方が効果的かも探りながらにはなります。

FC東京の警戒エリアは中央

広島の場合、警戒エリアは右サイドでした。WB中野就斗のクロスからの得点率が非常に高いことから、町田側もこのサイドに中山・岡村大八を割り当てて対応を図った経緯がありました。

今節FC東京戦の警戒エリアは中央。
IHの仲川・俵積田、ダブルVOの小泉(あるいは橋本拳人)・高、この中央4人が創出したスペースにWBが絡んでチャンスを作ります。

そのため、FC東京が横浜FC戦後半のような人とボールを動かす仕掛けをしてきた際は、サイドの攻防を主戦場とした広島戦前半とは、また違う風景になるものと考えられます。

3421は本来中央に多くの人数を配置する、中央で組み立てやすいシステムである一方、サイドがWB1枚で手薄です。
そういう意味でも、町田としては強みであるサイド攻撃をあえて押し付ける形で相手を押し込む戦い方が適正そうです。
具体的には、右の望月、左の相馬をどれだけ高いポジションで機能させられるか。

前から圧力をかけることでFC東京に攻撃機会そのものを作らせないことがキモかなと考えられます。つまり広島戦の前半と同じです。

町田に強い松橋監督に打ち勝つチャレンジ

黒田体制の町田と松橋監督が率いた新潟との対戦は過去5戦。

  • 2023天皇杯ラウンド16 ⚫️町田0-1新潟

  • 2024J1 17節⚫️町田1-3新潟

  • 2024J1 28節△新潟0-0町田

  • 2024ルヴァン⚫️新潟5-0町田

  • 2024ルヴァン◯町田2-0新潟

衝撃的だったのはやはりルヴァン第1戦の5-0敗戦ですが、藤尾の退場の影響出てのものではあるので、個人的に印象が強いのは昨年のホーム野津田での3-1敗戦です。

結果論だが、ポゼッション率リーグ1位の新潟は「当然パスで展開してくる」と警戒していた分、中央をまっすぐゴールに向かうドリブル突撃は、結果として町田からすると「奇襲」に映った部分もあるかもしれない。

この試合、事前はボール保持リーグトップvs 非保持リーグ屈指の対決と目された1戦でしたが、新潟はショートパスでの町田陣内打開はあえて図りませんでした。
町田のプレス回避に選手のローテーション、ポゼッションを活用しつつ、攻撃はドリブルで町田の高いラインの一気の裏を突く「堅守速攻」に近いやり方で町田を撃破したのです。

松橋監督は「綺麗に崩す」以外の手も使う

松橋監督のサッカーは必ずしもポゼッションで相手を崩すだけではなく、突破力あるタレントがいるなら手数少なく一気に攻め切るやり方もしっかり備えています。2023年の天皇杯も試合終了間際、太田修介の突破〜最後町田キラーの小見ちゃんの詰めで屈した記憶があります。

FC東京のスカッド見ても仲川=太田修介、俵積田=小見ちゃんと入れ替えて考えてむしろスケールアップしそうな突破型人材がいます。
FC東京自体がそもそもフィジカルプレイをそこまで苦にしないアスリート的なカラーのあるチームでもあるので、今回ミラーゲームになることもふまえると、

  • 身体をぶつけあうことも躊躇せず、強気でグイグイと押し込む

  • 隙を見て町田の最終ライン裏を取って一閃

というスタイルを選択する可能性は結構高いかもなと思います。(これって、もろ町田の天敵がやってくるタイプのやつなんですよね……広島・栃木…)

そうなると、町田が敷いてくるハイラインは非常に狙い目になるので、町田の最終ライン裏を突く攻撃は中央CBおよびGKらがしっかりケアしていかなければなりません。

最終ラインの顔ぶれが変わった時に、広島戦前半のような最終ラインからのカチ上げ方が可能なのかは、やってみないとわかりません。

相手の出方にもよりますが、第2節時点でベストな選手を選んだ上で、攻撃および守備のバランスをどのように変えていくかは町田の見どころになりそうです。

ゾーンごと守備判断の整理

FC東京の自陣ビルドに対しては、当然、前からプレッシングで規制を掛け、楽にビルドアップさせない、ボールの奪いどころへと誘導していくアクションは、必須になるでしょう。
前へのフィードで一気にひっくり返すアクションもしてくるので、とにかく自由につながせないアクションが重要になります。

自陣ゴール前守備では適切な視野を保って正しくゴールを塞ぐ

一方、町田ゴール前でプレイする時間帯は、まずゴールを隠すアクションを冷静に遂行する必要があります。

FC東京の横浜FC戦での得点シーンのように、ポジション入れ替えを繰り替えすFC東京に対して相手について動きすぎると、結果として相手に絶好のパスルートを開け渡す結果になりかねません。

オフザボールの動きで守備者を釣る仕掛けが巧みなので、プレッシャー役としてプレスに出る1枚以外は、ボールと人を同一視野に入れながら、相手の出方をきちんと見てゴールをしっかり塞ぐ対応が重要になりそうです。(特に中央CB)

この辺の仕事では昨年だとアウェイ川崎戦でチャンミンギュとイボのコンビが非常に良い仕事をしていました。前に出る役・後ろをケアする役と良いコンビネーションで上手くやれていた記憶があります。
今年は3バックなので、WBとともに5レーンを埋めてしまえば、4バックよりは中央とサイドの間のギャップは埋めやすいと思います。

勝利を持ってくるために、耐える部分はしっかり耐える、を見せてほしい。

フォーメーション

前述の通り、町田・FC東京ともに3421のミラーゲーム。

まずは、今シーズン積み上げてきたやり方として、広島戦前半に見せたゲーム運びを、ぶつけてみたい。

広島戦レビュー記事より再掲。望月のマッチアップは長友。タッパで差は取れるが経験値は天地の差。届かなくても確実に体ぶつけてくるが、それでもいけるか。
CBからIH(相馬・西村)へのクサビや望月へのフィードなどWBの裏に突入していくアクション。

焦点はダビドリューホ・岡村大八が負傷離脱した状況で、あの強度による相手の攻撃封殺を実現できるか。
メンバー変更により守備の勘所も変わってくる可能性もある。前からの守備でハメていく方向にシフトする場合、サイド打開役も兼ねてバスケス・バイロンを入れておくのは良手だと思う。

相手の出方も見て、正しく水漏れしない守備を実行したい。

その他、攻撃で狙いたいのはFC東京撤退守備523を取った際のボランチ脇のスペース。
こうしたシーンでFC東京は、仲川が大きく下がって532のような形を取るケースが前節横浜FC戦でも見られた。
仲川を後ろに下げられれば、俊足を活かしたカウンターを受ける確率も低減できるので、それはそれで良い。

基本的には押し込んで攻撃。CKやロングスローを併用してなるべく敵陣でのプレイ時間を長くしたい。

まとめ

FC東京の現状を見るのがそのままプレビューになりそうだったので、そちらを厚めに。
最後駆け足になりましたが、フォーメーション3421同士、ミラーゲーム気味の展開が見込まれる状況でもあり、リーグ開幕間もない現段階でFC東京に特化した対策というよりは、まずは町田が町田らしい戦いを見せられるか≒
やはり球際、マッチアップで負けない・やらせないことが重要になる一戦です。

FC東京にはハッキリしたスキルや特徴を持った選手が多いので、相手の特徴を楽に出させず、かつ、自分たちのストロングを無理やり押し付ける勝負に持ち込めるのが理想でしょう。

めちゃくちゃ楽しみな試合なんですが、残念なことに味スタ戦当日は私、予定が入っており現地行けません。
当日の状況で見れそうならDAZNでリアタイ、または夜に配信でチェックする予定です。結果見ないでおくのが超大変なんだよな、Xもうかつに見れない。。

YASSカレーのスタグル ラストダンスの日でもあります……この対戦を選んで最後にするのは、ちょっとグッと来てしまいました。長年に渡り、本当にお疲れ様でした。またお店行きます!味スタ行かれる方はぜひどうぞ。

広島戦で見えた課題の上に積み重ね、勝利でチームのリズムを上げていく一戦にしましょう!共闘🔥

2/21(金)追記:4バック時の対応

3バック継続の頭で書いて公開した直後に、4バック回帰の話題が報道されました。

昨年のメンバーで、昨年からやっている4枚の形があるので、そりゃプランとしてはあり得るとは思うのですが、新加入2人を加えてはじめたプラン、2人抜けてできないと見切るのは、致し方ないながら切ないものがあります。。

ともあれ、プレビューというのに可能性見えてる部分フォローしないのもあんまりなので、4バック時のフォーメーション状況だけ軽くまとめてみました。いったん442を前提にしています。

442時の想定スタメン。左CB 中山→イボ/左SB 林→中山でも良いかもしれません。
442は3421に対して数的不利になりがち。去年さんざんやられたCB-SBのギャップ突く攻撃を自然と受けがちなのが危険。仲川に引っ張られて空いたスペースに白井が入ってくるイメージ湧きます。。
屈強3枚の跳ね返しで守備リズムをリセットできた3421の場合よりも
少し高い列で奪い切る設計が必要。中央で迫られるとCBの仕事やたら多くなるので、前線からサイド方向へ誘導して中盤までに取り切りたい。
CB2 :FW1と見ると、CBは1人浮ける。GKも関わって起点を作りたい。
サイドの配置的な厚さは4バックの方が担保しやすいので、大外エリアは狙っていくスペースになる。
浮いたCBがボールを前に持ち出しIHを引っ張り出せると、サイドやボランチ経由の前進ルートが見えてくる。
相手に5枚で引かれた場合も523の2ボランチ脇は使えるポイントになりそう。
一気のカウンターできそうな選手がFC東京に揃っているので、プレーは中途半端で終えず、シュートで終えたい。相手にあててCKやスローインを獲得したい。。

怪我が出たから4バックに戻す、となると、結局今年の方針ってなんなんだっけ……?よくわからなくなってきちゃうのが悲しいところです。
中村帆高入れて新しい4バック前進の形とか見られると嬉しいんだけどな……現状だとあまり想像つきません。

まあ情報戦的な雰囲気もあるので、全力で様子を見ていきたいと思います。

補足までお読みいただきありがとうございました!

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