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【プレビュー】vs 東京ヴェルディ 東京クラシックJ1上陸。データ・コメントに見るヴェルディの終盤力 【FC町田ゼルビア2024年第15節 挑戦J1】

こんにちはこんばんわ、ひだりです。写真は去年の風景(勝った方)です。

次第に悪化していく天候下、スタメンにサブの選手、コーチ・スタッフ、サポーターまで、チーム全員がやれる仕事を最大限発揮し、勝利を掴んだセレッソ戦。
今週末、町田は週中に続くホーム連勝を狙う戦いです。首位・神戸を追走、喰らいついていくためにも、J2馴染みの相手に勝ち切り、来週につなぎたい。

そんなシチュエーションでの東京ヴェルディ戦、プレビューです。東京クラシックを、ついにJ1でやれる日がやってきたこと、とても光栄に感じます。
どうぞよろしくお願いします。

東京ヴェルディの現状

負けないヴェルディ、ここ11戦無敗を継続中。(3勝8分)

https://www.football-lab.jp/tk-v/match より引用

引き分け多くなかなか勝ち切れない側面もありつつ、終盤まで続ける脅威の粘りで勝ち点拾い続ける仕事、さすが城福さん、情熱のムービングフットボール老師。

町田からすると、帰せずして更新続いているヴェルディのチーム連続無敗記録をストップさせるチャレンジです。ウチのせいじゃないけど勝手に因縁深まる。

選手〜IN・OUT・選手一覧

https://www.footballchannel.jp/tokyoverdy-transfer-2024/ より引用
https://www.jleague.jp/club/tokyov/player/ より引用

東京ヴェルディの戦い方ざっくり

ヴェルディについては既に昨年以前の対戦でも都度都度書いています。
昇格の結果も出て監督・中心選手は大筋継続なこともあり、やり方の大枠は変わっていません。

まとめなおしもわりと飽きるので、、ざっくり箇条書きでまとめます。

  • 442ミドル〜ハイプレスで中盤敵陣で奪って前に速く攻めるチーム

  • ボール持った相手選手に激しくプレスを仕掛ける。コンパクトな陣形でボールが動けば二度置いor次のプレスが飛んでいく。粘り強く動いて塞いでを繰り返して相手の前進を妨げ、奪いに行く。

  • ボールを奪ったら素早く前へ。サイドにつなぐショート〜ミドルパスも一気にFWへ当てるロングパスも使う。パス技術のベースが高く相手プレス耐性高め。

  • 異質なリズムを加えるジョーカーを活かした攻撃が怖い。
    齋藤功佑が筆頭格だが、そこに見木友哉・翁長聖と曲者気風のある選手が加わったのはデカい。どちらもいやらしいポジショニングを取り、パスやキックで決定的な仕事できる選手。

  • 前線は染野唯月(鹿島)・木村勇大(京都)・山田楓喜(京都)のU23代表レンタルトリオの存在感激強。

現在の町田と東京ヴェルディは、そこに至る哲学およびプロセス・アプローチは異なれど、結果としてわりと似た形のサッカーを志向していると思います。

24/05/16午後 補足)
ヴェルディサポのリア友L-eye氏のヴェルディの戦い方見立て。参考に追記しておきます。thx!

なぜ東京ヴェルディは終盤に強いのか

しかしヴェルディ、アディショナルタイムに強い。

開幕直後は終了間際に点を取られるケースも目立っていましたが、ここに来て終盤に取り返す側のイメージがすごく強くなってきています。

ポポさんのゲーム終盤クローズへの既視感は置いといて、このヴェルディの終盤力の強さの要因はどこにあるのか。

注目集めるヴェルディ劇場の理由をおぼろげでも理解できないかと、Jリーグの公式データ「J1.LEAGUE STATS」や選手、X上のサポの言説等もあたって読み解いていきます。

公式データに見る東京ヴェルディの攻撃構造

パス総数では中盤 森田・見木、CB林の3名がトップ3
敵陣でのパスに限定すると、森田、見木にFW染野が絡み、CH稲見と続く
総スプリント数:FW 染野・木村が1,2トップ。前線からのハードワークでチャンスを作る
シュート総数:2FWがどんどんシュートを狙う。合間をうかがう見木が神出鬼没に現れゴール狙うシーンは町田もジェフとの対戦で散々見てきた
平均チャンスクリエイト数:自分でのフィニッシュだけでなく中盤と連携してのチャンスメイクにも積極的に関わる染野。そして翁長、セットプレーも含めてのカウントでしょう。

想定されるヴェルディの攻め手

  • 前線から攻守で積極的なスプリントをかける

  • 中盤は森田をメイン、見木をサブにパスで前進・展開を図る

  • 二列目選手のポスト役を担いつつ、染野・木村が積極的にシュートでのフィニッシュを狙う

そんな試合運びが、おおまか読み取れる。

「それがサッカーじゃん」「ふつーじゃん」と言えばまったくそうなのですが、判断に長けた中堅・ベテランが中盤差配して若いアタッカーの個や伸び代活かすやり方は、わりとずっとヴェルディらしさ、伝統でもあると思います。当たり前を当たり前に、手抜かりなく遂行しようとするのが個性かなと。

良質なプレースキッカーの存在

  • 見木友哉

  • 山田楓喜

  • 翁長聖

高精度なキックを持つプレースキッカーが揃っている点はゲーム終盤の厳しい時間帯ほど生きる。
山田楓喜の左足は先日のU23アジアカップ決勝・ウズベキスタン戦での活躍も記憶に新しい。

対戦相手の証言

以下は5/15でヴェルディと対戦したガンバ大阪DF中谷進之介の言。

染野選手に食いつくか、僕と福岡(将大)で木村選手に付くかは、ハッキリしないといけないと思いました。後半に入って見木(友哉)選手が入ってくると、自分の脇を走ってくるので、その対応がちょっと難しかったですね。そこに僕が食いついちゃうと、木村選手と福岡が1対1になっちゃうので、そういうところが今日は引き込むなかで難しかったです
:
さらに相手ボールになった際にも、「すぐに撤退してしまう。逆にヴェルディは、すごくプレッシャーをかけにきて、陣地を回復させないような戦い方をしてきたので。あれを僕らもやらないといけないし、もうちょっと全体的に運動量を増やさないといけないかなと思います」

強力2トップをフックにしながら森田がゲームメイクし、見木が隙間を刺す準備を続ける。

またネガトラでの即時奪回は守備の約束事(および攻撃の初手)として約束づけられており、終盤ヴェルディがリードされている攻撃的に出ている展開であれば、より激しいネガトラ対応に来る様子はイメージしやすい。

城福体制で繰り返してきた「最後まで諦めない」ことによる成功体験

戦術的知性+モチベーターとしてのカラーも色濃い城福監督のもと、最後まで諦めない。

そして実際に、諦めずに90分+αを戦い続けることで多くの成功体験を得てきたことが大きい。(Xのポストにもある通り、その成功体験の中には間違いなく昨年国立開催の町田戦も含まれている)

諦めなかったから勝ち点を積めた、引き分けに持ち込めた、昇格できた〜ブレずにやり続けることで得た成功体験が合理的根拠となって、選手たち自身がみな、最後の笛がなるまでやり続けるという意識に腹落ちしている。

推論:ヴェルディの終盤力の正体

この辺の話などふまえ、おぼろげに浮かんでくるヴェルディの終盤力の要因を推定してみると

  • 前線のハードワークと隙を狙って刺す中盤

  • セットプレーや波状攻撃で活きる伏兵的プレイヤーの存在

  • 攻守に戦い方がハッキリしているから90分+αやり方がブレない

  • ブレずに続けて多くを得てきた、J2時代から続く成功体験

ヴェルディの、ハードワークを軸とした自分たちのやり方を90分+α ブレずに続けていく姿勢が、疲労の濃い時間帯、リードを守るべく守備的になった相手チームからすると、非常に抑えづらいのではないだろうか。
若手とベテラン融合して、強気に攻めてくる、終盤でも攻撃パターンが多岐に渡り読みづらいのもキツい。

裏返せば、当然J1級の対戦相手に、守備の初手から結構な勢いでボールホルダーにつっかけるやり方で、選手たちが負う負担は重い。厳しい時間帯には相当に心身に迫るギリギリの対応が求められ、ハードワークゆえの重さが、たまにある最終盤での劇的失点にもつながっているようにも感じる。

この、点を取るも取られるも表裏一体のギリギリを行く。端から見ている他サポすらハラハラする、いまのヴェルディのサッカーのひとつの魅力かもしれません。


そんなことをデータ睨みながら考えていたら、城福さんのコメント記事が上がってきました。

  • 前線から全員守備でのハードワーク・敵陣高めでサッカーをする

  • 自分たちのやり方を信じる気持ち

「ふたつの要因」それはウチの話か?とすら感じてみたり。

5/17 こんな記事も出ていました。いまヴェルディの「負けなさ」は、考えたくなりますよねどこも。あわせてどうぞ。

翁長聖が漂わせる異質なアクセント

閑話休題。さて、上記のデータを見ても明白ですが、町田サポみんな大好きな大恩人・翁長さん、ヴェルディでも安定の大活躍中。

  • 献身的で粘り強い守備対応

  • 相手の隙間を突いて攻撃に絡むセンス

  • 90分ハードワークできる心身の強靭さ

  • ロングスロー

  • セットプレーキッカーとしての精度の高さ(ゴラッソ属性もあり)

漢としての信頼度が圧倒的に高いんよ。とても楽しみな対戦ながら敵にするのが非常に怖い相手。

翁長右サイド起用が多いようなので、おそらく私たちの“ネクスト翁長”林とのマッチアップです。熱い。

ゼルビアの戦い方

プレイ局面ごとに緩急つけて時間を支配する

基本的にヴェルディの攻撃・守備はスピード志向。相手との距離をガンガン詰めて、奪い、そのまま素早くゴールに迫りたい。

だからこそ、時に展開を遅らせたい。相手に居心地の良いサッカーなどさせない。
ゲーム内の様々な局面での緩急を操り、ゲーム全体の時間感覚を町田のペースに持っていきたい。

  • ロングボール&セカンドボール回収

  • ロングスロー

  • セットプレー

  • ゴール前でのプレス回避

長く蹴ると思わせて短くつなぐ。長く蹴ると思わせて実際長く蹴る。プレスに来させて逆に振る。ロングスローやセットプレーも時間をかけたりクイックリスタートしたり。ゲーム全体の流れの中でリズムを取り、ホームの拍手と雰囲気の中、町田のリズムでゲームを進めたい。

前半0-0が理想の運び

ネガトラ時のゴール前を隠す守備を徹底し、良い形の前半0-0で進めたい。

パス技術高くスペース打開に長けた相手なので、コンパクトな442守備で危険なスペースを使わせない。
サイド展開には高速スライドでボールサイドの規制をかけつつ、CBがしっかりゴールを隠す。
前がかりな場面でボールを奪われたら切り替え0秒で全力帰陣。
走るべき局面では相手のスピードをしっかり上回って走りたい。

0-0で後半に入れれば、町田はアラート状態を継続しながら後半に臨めるし、ヴェルディのリバウンドメンタリティーを過度に刺激しないで済む。ジリジリした接戦はしっかりとした接戦にさせて「勝負の一瞬」を待ち、機会を逃さず一閃したい。

90分+α、武器を突きつける

最近の「DF要員の少ないベンチ」は、とうぜん局面状況を変えられるアタッカーを多く揃えたい意図は明白だが、町田の生命線が「前からの守備」にあることもふまえての選択だとも思う。

スタメン・サブを含め、槍・ハイタワー・スペース侵入すべての攻撃をちらつかせ、積極的に前からの圧力をかけ続けたい。
90分+α、ずっと危険な武器を突きつけ続ける戦い方を、いまのゼルビアの陣容なら実行できる。

オセフン・デューク・エリキ・ナサンホはもちろん、今節はやはりバイロンに活躍してもらいたい気持ちがある。

とはいえCBにドレシェビッチorチャンミンギュを入れるようなら、外国人枠的に厳しいか。昌子+ジュラトやMDなど、日本人CB構成も取れると凄く大きいのだけども。

まとめ

冷静に隙を突いた方が勝つ

町田とヴェルディ、ここまで得点数は同じ20点。

https://www.jleague.jp/sp/standings/j1 より引用

一方、失点数では町田11、ヴェルディ18と町田優位。

https://www.jleague.jp/sp/standings/j1 より引用

ヴェルディ失点の内訳で見るとセットプレー直接以外全ての形の失点があり、その数も満遍ない。

https://www.football-lab.jp/tk-v/preview より引用

つまり、どこという偏りはなくとも隙は存在する。
相手に隙を与えず、相手の隙を見逃さず突くことこそ重要。

昂りやすいシチュエーションに流されず、冷静な頭で、粘り強く相手の嫌がることを「徹底」する。
どこで生まれるかわからない相手の隙を見逃さず「百戦百打一瞬の心」で決めきる。

結局は、それが今節も勝ち筋に思います。

DAZNも今週のピックアップマッチにこの対戦を取り上げており、通常より30分早く拡大版で配信だそうです。

来れる方は現地で、来れない方はDAZNまたはABEMAでどうぞ。
今週末も楽しみましょう。共闘🔥

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