【プレビュー】vsヴィッセル神戸 飛車角替えのニューモデル目指す昨季王者同士の総力戦【FC町田ゼルビア2024年第8節 挑戦J1】
こんにちわこんばんわ、ひだりです。写真は以前撮った神戸の夜景を使った雑コラです。実は神戸は家族の縁ありちょいちょい行ってます。でもノエスタは未経験。
さて、今年初の国立開催。移動アレンジがやや大変。野津田開催のドアtoスタジアム車で25分の面倒なさを痛感する。
でも、普段もっと時間かけて野津田へいらしてる方もたくさんいるわけです。そう考えると、ホームサポ・アウェイサポ問わず日頃野津田に登城する強い気持ちのみなさんに拍手を送りたい。
ということで、ヴィッセル神戸戦プレビューはじめます。
どうぞよろしくお願いします。
ヴィッセル神戸の現状
ヴィッセル神戸は個の質こそ最大の武器という相手なので、まず選手一覧を置いておきます。
ヴィッセル神戸の選手(IN・OUT・一覧)
説明不要レベルの日本代表クラス多数、神戸ユース上がりで主力に成り上がった佐々木、ゼルビアとJ2でバチバチ対戦経験ある飯野、汰木、鍬崎、新井なんかもいますね。菊池流帆は黒田さんに恩返しとかいらんから。
基本布陣433
保持4123
基本フォーメーションは433、頂点の大迫筆頭に前33が攻守いろいろがんばって時々サイドを高徳が上がってくるサッカー。
ボール保持の第1手はロングボール。
大迫が前線でタメを作る間にウィングやIHが絡んで攻勢を強める。
セカンドボールやネガトラは中盤がストーミング気味のプレスをかけて即時奪回、波状攻撃をかける。機を見て酒井高徳・初瀬らSBが上がり高精度クロスを上げる。
非保持442〜4231
ボール非保持では、最終ライン4枚はラインを揃えてわりと引いた位置で攻撃に備える。仮にボールを失っても前線中盤のプレッシングが強烈なので、奪われた位置が敵陣深めなら最終ラインは落ち着いて後退できて簡単には崩れない。
ネガトラ時、前線3枚+αが激しくプレッシングをかけて相手の前進を遅らせているうちに、真ん中はダブルボランチになる。433のプレッシングそのままの流れで圧かけながら自陣で442ブロックに収束していく守り方。
個の質のある選手が全力で走って闘う
神戸が強烈なのは、元日本代表が多く並ぶ陣容で、質の高い個が全力で走り全力で闘い全力で守る部分。
球際激しく奪うプレス、ギリギリのラインであと一歩の足を伸ばす、ボールや相手と空いた距離をしっかり走る。
アスリート能力の高い個が全力でやるので、守備にガチガチの連携・緊密さはなくても個でスペース一気に埋めれて対応できてしまう部分が強さで怖さ。(個の強さも織り込んだ上で、という意味ではよく設計されている。)
大枠の戦い方はあるけど、ディテールはあえて決めず選手が個々で判断する余白を残してある感じ、ちょっと代表チームっぽい。
ロングボール前進、直線的にゴールへ迫るダイレクトアタックが特徴、だが……
ロングボールを大迫に当て、大迫のポストプレイを起点に両ウィング、IH絡めてゴールに迫る、直線的な攻撃が神戸の大きな特徴。
だが、マリノス戦での負傷により、大迫欠場となるとどこまで攻撃方法でいけるのかは不透明。マリノス戦の映像で見る限り、痛そうながら足首をそこまでガッツリひねっているわけでもないが……。
宮代の身長は178cm。184cmの大迫より身長は劣るが、地上戦であれば技術も強度も高く大迫と同じくらい球際強くボールは失わない。
他FW登録だと武藤が179cm 、ジェアンパトリッキ175cm、ともに万能型だが分類するならスピード突破タイプ。
この辺りに対してハイボール争いでは町田ドレシェビッチ(186cm)・チャンミンギュ(183cm)の優位性がやや広がる。
MF登録の佐々木大樹が180cmで競れるタイプなので、町田のサイドバックや最終ライン裏をめがけた放り込みで佐々木をポスト役にして、他選手の裏抜けや機動性を活かした戦い方にアレンジしてくる可能性はある。
大迫の状況については、情報戦な可能性もあるので完全に信じることはできない。
大迫がいてもいなくても(影響はデカいにしろ)敵陣に押し込む神戸の戦い方の根本が変わるわけではないため、ゼルビアもなるべく相手陣でサッカーできるよう、ブレずにこちらのやり方を押し付けたい。
遠目からの積極的なミドルシュート
バイタルエリア、ペナルティアーク付近でフリーな場合、積極的にミドルシュートを打っていく。
まず選手のキックの質が高く射程距離が長い。代表戦でも記憶に濃い山口蛍や井手口のミドル砲。
ゴール前でのセカンドボールワークも神戸の攻撃設計のひとつなので、ミドルシュートを打ってゴール前にボールがこぼれれば、そこには大迫(宮代)や武藤、佐々木がいる。
だからロングボールを入れていくのと同様の感覚でミドルシュートを躊躇なく打ってくる。
セットプレーの強さ
ゼルビアの全得点に占めるセットプレー比率が40%で、神戸はそれよりも高い45.5%とかなり高い値。
平均身長でも町田は神戸に上回られている。
町田は選手人数が多く平均身長は低い方に寄りやすい、実際の試合には大迫の出場有無が影響する部分はあるものの、実際、直近のマリノス戦でも宮代がマリノスの守備2枚を抱えてヘディングゴールを決めている。
CKの局面ではニアからファーから中央への落としなど様々な手を持っていた。前述の通り、こぼれ球からのミドルシュートも警戒しなければならない。シュートに逃げない身体の向き大事。
ゼルビア側も自軍のセットプレー攻撃とともにセットプレー守備も詰めて確認し、集中力高く対応したいところ。黒田さんの腕の見せ所。
ゼルビアの対策
基本的に特徴・戦い方の指向性が似ている両者なので、町田が嫌がりそうなことをされるのが神戸も嫌だと思います。
自由にボールを前進させない
質とハードワーク、ゴールに迫る意欲が強い相手なのでハンパに引いて構えるとボコボコに殴られる。
札幌の1-6敗戦は、札幌の中盤空洞を活かしたアタッキングスタイルが、神戸に対してオープンな展開を誘発し、裏目に出たものに見える。
力強く相手を塞ぎ続けられる広島、河原を中心に要所のスペースを抑えた鳥栖がスコアレスドローだったことに意味はあると思う。
互いに中央でやすやすと前進する自由を与えない。膠着戦に持ち込む試合運びを大前提にいつも通りセカンドボール争いで生まれた一瞬の隙を狙いたい。
縦のライン間スペース経由、中盤前線の連携で打開する
ロングボール志向の神戸の選手同士の縦の距離感はやや長め。ライン間のスペースを使った速い連携で守備の早い寄せをかいくぐって攻めたい。
狙い所は神戸ボール非保持時のダブルボランチ脇や裏。連携をスムーズ化させるタイプの仙頭・下田・安井あたりがうまく入り込みたい。
川崎戦の1点目のように、相手守備者の間のスペースをつないで縦や裏をスピーディーに突けると理想。
現実的に酒井高徳が塞ぐ右サイド攻略は簡単じゃないため、左サイド初瀬の裏あたりを突っつきたい。のだが、今節は右サイドに平河がいないのである。
スプリントと走行距離の担保
Football LAB の町田神戸のデータ比較で、トラッキングデータの項目を見ると以下の通り。
町田の方が総移動距離は長く、スプリント数は神戸が上回る。
ただ、この指標はチーム最長の走行距離を度々叩き出す藤尾、今季リーグトップのスプリント数を誇る平河を含んだ数字である。
U23アジアカップで両者が不在となると、移動距離の優位性はイーブンに、もともと上回られているスプリント数では更に圧倒される恐れが高い。
データだけで見ると、藤尾・平河の代替メンバーでこれらの指標を一定カバーできなければ、ピッチ上では神戸の躍動ばかり一方的に目立つ試合になってしまう。
藤尾平河離脱による前線守備の圧力強度
平河離脱による右サイドの突破
この2項を、人の入れ替えと戦い方の微調整、90分の試合の流れの作り方でカバーし、なんなら上回る新しいスタイルを作る。
結果的に総移動距離・スプリント数で神戸に伍するところまで持っていきたい。今節はそういうミッションです。
メンバー選定の見どころ
重要な前線2名の不在で、走力、強度をどう補うかを見据えた際
荒木駿太
高橋大悟
にかかる期待は大きい。
特にJ2での昨年、重要な試合で結果を出す町田のプレスコントローラー・高橋が試合に絡むと楽しい。時に見せる大悟のキレやアイデアはJ1屈指のタレント軍団の想定を超えられる質があると信じている。昨年の実績からはオセフン、デュークのプレスワークの質を補正する効果も期待できる。ベンチ入りもしていない難しい現状ではあるものの、大悟は台頭してきてくれないとチームが困る1人なのでぜひ食い込んでいってほしい。
荒木はハードワークと判断、走りの質も高く、前述の移動距離・スプリントの差を取り戻すには欠かせない存在に思える。スタメンか途中投入での状況改善も見込める選手なので最低でもベンチには入るだろう。
縦の槍としては藤本、ナサンホに期待がかかる。ポジション的に左サイド ドン被りなので同時起用はなさそうだが、後半からナサンホが出てくると相手の御しにくさはある気はする。そして右サイドを誰で組むか。
谷の赤色欠場もふくめ、今季ここまでのベストメンバー起用ができない分、今節出場する権利を持つメンバーで、表現できるサッカーを一定変えていく必要があります。もちろん強度ハードワークのところはブラさずに。総力戦ですね。
エリキやバイロン、禅斗など、無理のない範囲で怪我組誰か戻りませんかね。今季初国立、サプライズをなにか準備してるのではという気もします。期待しつつ様子を見ていきましょう。
セットプレー
結果的に今節の決定機になりそうなセットプレー。神戸より得点数こそ少ないものの、町田にとってもセットプレーは勝負のあやを持ってくる重要な要素。
神戸もロングスローあるようですが、左右どこからでも打ち出せるのは流石に町田の特質なので、ロングスローとCK、回数押し込んで、プレッシャー与える中で疲弊を誘いたい。
セットプレーの最後は中途半端にせずできればシュートで終えたい。撤退守備は引いて堅いがややカオス気味なので、遠めからミドルを打ち込める隙も時にはあるだろう。リフレクションしたボールがゴールに向かう流れも神戸相手にあり得る得点の形。
ロングカウンターを決め切る選手の質、スピードがある相手なため、攻撃終了せざるを得ない時はクリアしてゲームを切る、どうしようもなければタクティカルファウルはやむなく出てしまうかも。
ピンチ時への備えと、試合途中の強度出力にも影響が出るため、オンプレー中の不用意なファウルは避けて進めたい。
対戦相手と審判と、良いゲームを作ってほしい。
まとめ
平河・藤尾のU23代表での離脱は、今シーズンはじめからあらかじめ織り込まれたシチュエーション。その前提での今季のスカッドであり、他の選手たちもその国立に向けて準備・意識を高めて準備してきていると思います。
GK谷のレッドについては想定外ですが、ゼルビアにとっては正式なver.2の戦い方を見せるべき舞台です。
一方の神戸は前川・大迫の離脱(可能性)は完全な想定外。神戸は神戸でチームとしての真価が問われる時です。
チームへの影響度と他メンバーの総力で言えば、大迫が出場できなかったとしても、町田がやや不利な状況は変わらない気はします。
とはいえ、平河・藤尾の離脱をもって飛車角落ちとは言いたくない。このシチュエーションに熱量を高めている、昨季J1王者と戦えるだけの戦士が質も量も揃っていると思うので。
飛車角替えで、2024ゼルビアの新しいフォームを見せてくれることを楽しみに、国立へ向かおうと思います。
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