ダーリンと小さな魔法使いのおはなし
子供の頃
彼は
分厚い辞書のような宝箱を見つけました
何が入っているのか気になって
気になって
男の子は我慢できずに宝箱の蓋を開けました
本の表紙の様な蓋を開けると
中には可愛い人形が入っていました
男の子なのか
女の子なのか
どっちなのかわからない可愛い人形は
色白で
目はぱっちり
口元は微笑んでいて
今にも動き出しそうでした
隣には
真鍮製の砂時計
ビロードに護られるように包まれて
お人形と一緒にならんでいた砂時計を
男の子は慎重に取り出して
テーブルの上に置いてみました
真鍮の台座はそのままで
砂が入っている部分を
くるりと回す砂時計
男の子が
くるりと回すと
白い砂が
さらさらと
流れ落ちて行きました
男の子が前に見た事のある
砂時計と変わらない
普通の砂時計
どうして
人形と一緒に
そこに入っていたのか
不思議でした
それでも白い砂が
陽射しを受けて
きらきらと光る様子がとてもきれいで
男の子がじっと見つめていると
誰かが男の子の耳元でささやきました
「綺麗でしょ
僕もお気に入りなんだ」と
声の方へ振り向くと
箱の中のお人形が立っていました
箱の中にはちゃんと
お人形はあったのだけれど
お人形とそっくりな
お人形の様な男の子が立っていたのです
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愛してやまないこの曲 ↑ のMVからの妄想
another storyです
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