『家業から企業へ』
今年9月に、社長に就任して11年が経ちます。早い・・・。
当時、僕が社長に就任したという事は、
単に代が変わったという事ではなく、
「家業から企業へ」のステップを登り始めるという事を意味していました。
金融機関の方と面談していた際に、今期の経営方針説明会でのプレゼンで、ひだまりほーむがしっかりしたビジョンを持ち、確実に一歩一歩進んでいる企業であることを再認識したとの言葉をもらいました。
特に、各事業部長の方針発表に感銘を受けたそうで、各部長が「当事者意識」を持っており、内容もしっかりと考えられていた。との感想でした。
そこで気づいたのが、ようやく我々も「企業」になりつつあるという事。
「企業化」させるためには、社員が自立をし、自ら考え、自ら行動するといった、トップに依存する風潮を払しょくさせなければいけない
との思いで、「組織化」と「権限移譲」を試行錯誤しながら行ってきました。
私も、元来が「自分でやった方が早い」というたちの為、どこまでを任せて良いものかのさじ加減がわからず、随分と手探りの中、時間だけが過ぎ、思うような形には中々出来ませんでした。今なお、そのさじ加減には苦労しています。これが難しい。
しかし、今になって考えると、生みの苦しみとはこういうものかと思っています。
社員が一致団結し、甘えの構造を払しょくし、やるしかない状況に追い込まれたことにより、みんなが本気になって来ました。「当事者意識」「自分事」を皆が共有したという事です。
ある方のコラムに、
『家業から企業への転換において、企業はすべからず同じようなプロセスをたどる。それは、一旦は谷底に落ちるということ。そこを耐えられるかどうかが、分かれ目である。』
との内容です。
大抵の場合は、耐えることが出来ずに、元の木阿弥となり、トップダウンでの組織に逆戻りするそうです。
僕の場合は、耐えることには耐性があり、苦になりません。5人兄弟の一番下というのが功を奏しているのでしょう。
耐えることも僕の仕事。そう考えていますので、この「苦」を耐えることが出来るといってもいいのかもしれません。
昨期最後の数ヵ月、営業部を中心に目標達成のために必死になっていました。
結果、目標を達成し、その際に私が鷲見部長にその要因を訪ねた際に帰って来た答えが、
「社長が笑っていたから」ということでした。
正直、意外でした(笑)。
今思っても、当時は良い意味で緊張感がありませんでした。
恐らく覚悟が決まり、後はやるだけと、シンプルに考えていたからでしょう。
特に、幹部のメンバーが2回りも3回りも大きく成長をしてくれました。
自分で考える力がつき、自分で判断する力がついてきました。
少々時間がかかりましたが、ようやく企業化へ一歩前進をし始めました。
僕の方針や考え方を理解しようと努めてくれて、本当に感謝しています。
大事なことは、この会社を自分が操縦しているという「当事者意識」を持てるのかどうかという事。
以前から僕はメンバーに、
「会社を良くするのは、現場の人間であり、僕ではない。」と
話をしています。その真意は、当事者意識と自分事で会社を良くしていくということ。僕の責任放棄ではありませんので悪しからず(笑)。
まだまだ未熟で、出来ていないことの方が圧倒的に多く、満足をしているわけではありませんが、今のひだまりほーむを作り上げてきたのは、まぎれもなく、社員一人一人の力です。
実のところ僕は何もしていません。ただ方針を出すだけです。
私たちは、長い時間をかけて、やっと、「家業から企業へ」のスタートを今まさに切り始めました。
まだまだスタートをしたばかりです。
社員一人一人の高い志と猛烈な熱意、そして、優れたプロフェッショナル魂が必要です。
現状に満足することなく、もっともっと高みを目指し、社員と共に切磋琢磨してまいります!!
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