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なぜ勉強しないの?
今回は「なぜ勉強しなくなってしまうのか?」というお話です。
勉強しない理由はいろいろあると思います。部活で疲れちゃう、めんどくさいなど。
ただ、ぼくが見てきたなかでは、根本的にはこれが大きいのではないかと考えています。
それでは始めます。
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中学に入学するとき、高校に入学するとき、子どもが抱える不安で圧倒的に多いものが2つあります。
それは、友だちができるか?授業についていけるか?この2つです。
この2つは子どもにとっては死活問題かもしれません。存在意義がかかってるって感じ。
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ここでは、後者の勉強についてお話します。学校の授業についていけないと、
「授業中に先生に指されたらどうしよう」
「答えられなくて友だちにバカにされたら…」
こう思って、ビクビクしながら授業を受けている感じになることがあります。
また、受験生になると「行ける高校がなかったらどうしよう?」と不安になることもあります。
(だから親や先生にそうストレートにいわれるとグサッとくるんですね)
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学校の授業がわからないと自分で気づいたとき「何とかしなくちゃ!」と思っているうちは大丈夫です。
でも、それでもわからない、どうしたらいいかわからないとなったときが心配です。
そうなってしまうと、なんだか自分が否定された気持ちになってやる気が下がる子が多いです。
「教え方が悪い」とか「つまんない」「数学なんて将来使わないし」とかいって、反発してしまうこともあります。
こうやって自分の心を守ったり、自己正当化しているんですね。
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授業がわからない状況が続くと、追いつくのは簡単ではありません。
勉強は続き物です。途中でつまずくと、その先が理解できません。
例えば、中学生で数学が苦手な生徒さんを見ていると、小学校でやった足し算・引き算の繰り上がり・繰り下がりや、分数・少数の計算が苦手なことが多いです。
公立中学で平均点くらい取っている生徒さんでも、まったくわかっていないわけではないけれど、スラスラできなかったり、最初、間違えて、説明すると思い出したり。
この、スラスラ、当たり前に、気持ちよくできない感じがあると、次にちょっと難しいことをしたときに、脳がアップアップしてしまいます。
そして、それが積み重なってできない、わからないになってしまいます。
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また、小学校の内容はクリアしていても、中学で最初に習う計算でつまずくと(プラス、マイナスが出てきます)、xやyといった文字を使った計算、その次の方程式ができません。
方程式がわからないと、それを使った関数がわかりません。
中学1年の内容がわからないと中2もわからない…こんな感じで、みんなつながっているんです。
だから、途中からがんばろうにも、がんばれない。
連続ドラマを途中から見てもぜんぜんおもしろくないのと同じです。
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でも、学校の授業はどんどん進んでしまうし、集団授業の塾の場合、中1や小学校まで戻ってやり直してはくれません。
自分でやり直すのは具体的な方法もわからないし、かなりの意志力が必要です。
それができなくて止まってしまう。そして、時間だけが過ぎていく。
取りあえず黒板をノートに写すだけになってしまう。よくいう「お客さん」という状況。
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今回は「なぜ勉強しなくなってしまうのか?」というお話でした。
もしこのケースにあてはまるかもと思った場合は、これを知るだけでも、お子さんに共感できて、今後の対応が変わると思います。
人はわかってくれている人には心を開きます。時間はかかるかもしれませんが。
それでは今日のお話は以上です。最後まで読んでくださってありがとうございました。