コロナと311

311の時を思い出すことが多い。

あの地震のあと、私は怖くて怖くて、生きていくのも、死ぬのも怖くて、まともな生活が送れなくなった。

当時五歳だった娘と離れることが怖くて、幼稚園に行かせられなくなった。
そのくせ、娘の前で笑顔でいることもできなかった。
美味しいご飯を作ってあげようとか、楽しい気持ちにさせてあげようとかそんな余裕もなくて。
当時は近所にあった実家の家族と犬に、家事育児のほとんどを頼って、家で泣くだけの私だった。

いまも、生きて行くのも死ぬのも怖い。
収束を待ってはいるけれど、アフターコロナの世界がどうなるのか。
不安しかない。

でも今、ちゃんと生活してるな、って思う。
笑う、怒る、食べる、寝る、働く。
子ども達が楽しそうに笑ったり喧嘩したりしてる。

長女は、すっかり頼もしく、頼もしすぎるくらいに成長した。

「○○(末弟)が、どうしてもブランコに乗りたがるから、公園にいくとき、除菌ティッシュを持っていくの忘れないようにしなきゃ」とか笑
弟が不満げに「今日、せっかく公園に○○くんがいたのに、姉ちゃんが『挨拶だけにしときな』って、遊ばせてくれなかった」と報告してくる笑
娘がいるから、わたしは安心して仕事に行ける。

あのとき、311のとき、私は娘を、どうしても幼稚園バスに乗せてあげることができなかった。

それなのに、いまはその娘が、
「ママお仕事がんばって!行ってらっしゃい!!」って私の背中を押してくれるんだもの。
時間ってすごい。人ってすごいなぁ。

明日がどんな明日かわからないけれど。
前に進むのは、希望だ。

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