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「クリシェ(音楽)」とは

割引あり

 こちらのワードも、よく曖昧な意味合いを持たされて「個々人の使い方」に分化したまま、全体としては放置され合っています。

 もうこの「クリシェ」という語に関しては、「本来の意味」などと語っている人間の方が間違い、とまで言い得るかもしれません。それくらいです。

( ↓ ちょうど “クリシェ” だらけなのでBGMにどうぞ。)

 しかし、それで困らない人間がごまんと居る(からこそ、このような状況になっている)一方で、そのような用語がこれからも飛び交い続けることで困惑する人間が居るだろうことも、また事実でしょう。

 私はこのコラムを通じて、「私が考える “妥当な” 意味」で世を征服したいなどと画策しているのかというと、一概にそうではない気はするのですが、ここではある程度の下調べや知識とともに「納得感のある説明」を目指して、試みることとします。


 ですので以下は、その意味では「説明してみた結果wwww」系コンテンツに過ぎません。



まず語源(飛ばしてもよい)

 少しググってみれば分かる通り、この言葉はフランス語です。
どうも英語「click」と同じような擬音語(由来の動詞の過去分詞の名詞化)であるらしく仮に英語の「click」と同じであると考えて良いならば、そのままマウスクリックの音や、舌打ち、そしてタイプライターを叩く音です

 「ステレオタイプ」という言葉があります。私もこの度、初めて知ったのですが、この「タイプ」って「タイピング」のタイプなんですね。
 というか「炎タイプ」「タイプ別診断」とかのタイプが、「タイピング」のタイプを元に拡張されたニュアンスだったようで、そもそも同じらしい。

 そして「stereotype」とは、かつて印刷に使った「鉛板」のことであり、要するに「簡単に量産できる」という点に注目して、今日使うような「型にはまった」の意味になっているようです。

むしろ「量産型」というコトバに(原義的には)似ている。

 同様に印刷業界のスラングに始まったらしい「cliché」も、ほとんど同じような言い回しであったようで、ボタン押下一つで簡単に量産できるようなもの、つまり「使い古された・陳腐なフレーズ」という意味合いだと理解できます。
 あえて「クリシェ」だと呼ぶときは、「否定的なニュアンス」で使われるということは重要です。

いらすとや 様より。

 …ただし音楽に於いては、いつもいつもその限りでもないでしょう。
一応「用語」の扱いになってしまっているためです。



私が理解している “元々” の意味

は、

「クリシェ」
【1】単一のコードが継続している区間の中で(諸説あり)
【2】構成音の1つ or 2つを(諸説あり)
【3】半音~全音で動かして、(諸説あり)
【4】「間を持たせる」テク。もしくはそれに依る、いくつかの定型進行。(諸説あり)

ソースは、もはや掲載しません。「ソースがある情報=正しい」と考える方が思考停止です。
明日にでも、今日いまこの瞬間にでも、意味は変遷しまくっている。

 藝大和声の予備知識がある方には、以下の説明を提案します。

「クリシェ」
:単一の和声上で、和音を構成する1声部あるいは2声部を転位修飾させることによって構築できる、いくつかの具体的な常套パターンの総称。

注:「転位」には、その下位概念として「変位」も含むものとします。

 ↑ 参考動画(視聴必須ではありません。)



実例

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