ザンギリ頭

調べてみた。初出とされる「日新堂刊行『新聞雑誌』二号(明治4年5月)」では「ジヤンギリ頭」となっていた。

どうやら流行ファションの記事だったようだ。当時の髪型は8つあり、これはそのひとつで威勢のよい擬声語なのだろう。後に「散切り頭」と字が添えられ、読みが「ザンギリ」に変わっていったと考えられる。

ちなみに、そのひとつ前に書かれた記事を要約すると「アメリカ人のドンさんが驚いたことは、日本に来てから人が鶏を飼うのをみて、その貧相さを大いに笑った。(食糧にするならもっと大きくせないかん)」といったものだった。

【記事全文】
近日、里俗《セケン》ノ歌ニ、半髪頭《ハン-ハツアタマ》ヲタゝイテミレハ因循姑息《インジュンコソク》ノ音ガスル、惣髪頭《ソウハツアタマ》ヲタゝイテミレハ王政復古ノ音ガスル、ジヤンギリ頭ヲタゝイテミレハ文明開化ノ音ガスルト。因《ヨツ》テ当時《こんにち》邦人ノ頭ノカタチヲ数フルニ、総ベテ八ツアリ。半髪[#ここから割り注]小鬢アルモノ[#改行]小鬢ヲツルモノ[#ここで割り注終わり]、惣髪[#ここから割り注]マゲヲ結フモノ[#改行]マゲヲ結ハズ後下[#ここで割り注終わり][#ここから割り注]ゲタル[#改行]モノ[#ここで割り注終わり]、ジヤンギリ[#ここから割り注]イガクリニテ髪短キモノ[#改行]ナデツケニテ髪長キモノ[#ここで割り注終わり]、冠下《カムリシタ》、坊主。又衣服ノ数、装束、仮衣《カリギヌ》、直垂《シタタレ》、鎧直垂、白丁上下、軍服、非常服、西洋服、羽織袴、平服、被布雨羽織、医者の十得、袈裟衣、腹カケ股引、トンビフランケツトヲ着ル者。又ハキモノゝ数、木履《キグツ》、下駄、雪駄、草履《ゾウリ》、麻裏《アサウラ》、草鞋《ワラジ》、沓《クツ》、西洋沓、藁沓。右等《これら》ノ外二モ、ヨク考察セバ、マタ数種アルベシ。

※記号は青空文庫形式に準じました。
※総べての漢字に読みカナが振られていますが取捨しました。
※句読点は拙者付記

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