この冬、初めて酒粕を使った堆肥作りにチャレンジします!
こんにちは、岐阜県の飛騨高山で無農薬野菜を25年以上つくり続けている「飛騨高山橋本農園」です。
冬の訪れを感じる飛騨高山は毎朝霧に包まれ、晴れの日ほどモヤが強く出ます。そしてもうまもなく雪が降ってきます。降り始めると雪解けの春まで橋本農園の野菜作りはお休みの期間に入るのですが、そんな雪の時期、今年は新しい試みとして、橋本農園で作っている食用のお米を使って日本酒を造ることになりました。お酒を造ってくれるのは同じ高山に酒造場を構える平田酒造場さんです。
お酒に詳しい方はご存知かもしれませんが、通常お酒作りをする際の原料には酒米といって日本酒造りに適したお米を使用します。酒米は食用米に比べてタンパク質や脂肪が少なく、そのほうが雑味がなくスッキリしたお酒が出来上がるとされているからなんだそうですが、さてどんなお酒が出来上がるのでしょうか。今から楽しみです。
有機肥料をバージョンアップしてみます!
その日本酒についてはまた別の機会に詳しくお伝えしたいと思いますが、橋本農園がもうひとつ楽しみにしているのが、そのお酒を絞った後に残る酒粕を使った堆肥作りなんです。いままでは米糠となめこの菌床をベースに堆肥を作ってたのですが、それに今回の酒造りで出る酒粕と牛糞を混ぜてバージョンアップした有機肥料作りにチャレンジしてみようと思っています。
酒粕はたんぱく質・食物繊維・ペプチド・アミノ酸・ビタミンなど、米由来成分や麹菌・酵母が生産した代謝産物に富んで栄養価が高く、特にタンパク質中の窒素成分は物の生育に不可欠な栄養素のひとつなんです。何より平田酒造場の酒粕は絞り切らないので、酒粕自体がとても美味しい。人間が食べて美味しいものは、植物だってきっと美味しいに違いないと思います。
じんわりしみ込む雪解け水
これから本格的に雪のシーズンになります。飛騨高山は1月下旬が一番雪が多く、3月から徐々にゆっくりと溶け始めますが、この雪解け水が農園にとっては実はとても大切なんです。それは雪に含まれるナトリウムやミネラルなどの栄養分が雪解けとともに土の中にじんわり入っていって土壌の下の方まで栄養を行き渡らせてくれるのですが、このじんわり入っていくのが重要なんです。逆に雪解けのスピードが遅過ぎる時などは、炭を撒くことで太陽光の吸収率を上げて溶かすなどの工夫もします。
さらに美味しい野菜をお届けできるような土壌作りに励みつつ、少しでも多くの人に喜んでもらえるよう、来年に向けて何を作付するか考えながら新しい年をお迎えしたいと思います。
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