レンズ沼あれこれ:MC ZENITAR 16mm F2.8 FISH-EYE
今回はロシア製のフィッシュアイレンズ、MC ZENITAR 16mm F2.8 FISH-EYEです。当モデルの詳しい年代は不明ですが、ゼニターブランドですし、リアキャップなどのマークで確認できるとおりKMZ社製。海外サイトの情報によるとM42マウントモデルとしてスタートし、ソビエト連邦解体(91年)後も生産が続けられたとのこと。
私が所有するレンズにはmade in russiaの文字があり、ニコンFマウントモデルです。KMZマークのデザイン(矢印がない)を考慮すると、93年以降に生まれた比較的新しいレンズかもしれません。
割に流通数も多いらしく、お手頃価格で手に入れることができるようです。ただ、マニュアルフォーカスですしAPS−C機やマイクロフォーサーズ機だと超広角16mmの恩恵ももうひとつ感じられない。ということで、そのあたりは値段とトレードオフといった感じでしょうか。
実はもっとお手頃なオリンパスのフィッシュアイボディキャップレンズがあったりしますから、あくまでロシアンレンズ使ってみたい派の選択肢となるのでしょうかね、たぶん。
とはいえ、見た目はなかなかフィッシュアイらしい前玉なので壮観です。コンパクトながらずっしりと重さも感じられ、満足感はまずまず。たま〜に使ってみたい気になるから不思議です。
MC ZENITAR 16mm F2.8 FISH-EYE
マウント:ニコンFマウント
レンズ構成:6群7枚
絞り羽根:6枚
重さ(実測):299g
今日の撮影はこれ一本で…というわけにもいかず使いどころは難しいものの、発色については意外に好印象です。まずは視界が大きく開ける海岸に行ってみましたが、もっとパースがわかりやすい場所のほうがよかったかも。
こちらは還熊八幡神社の狛犬。天保6年との銘がありました。ほぼ200年前の石の質感はいかがでしょうか。
開放で撮影。ハイライト部分がだいぶ滲んでいます。ピント面を外れると写りがイマイチですし、拡大するとあまり美しくないバブルボケも見て取れました。やはりある程度絞って撮るタイプのレンズなのかもしれません。
次はモノクロで道後散歩。ほぼF8付近で撮影していますが、もっと絞ればパンフォーカスに近い撮り方も可能なようです。
道後温泉本館。モノクロだと工事中のコーンとかが目立たなくていいです。
湯神社の摂社、中嶋神社はもともとお菓子業者が勧請したのだとか。お菓子業界では知られた名前がずらりと並んでいます。
最短撮影距離が30センチくらいなので、頑張ればもっと近づけるはず。構図に遠近感を生かす工夫が必要ですね。
構図の中心がわかりづらくなりがちで、ピント合わせも難しい。シャープな表現も得意ではありません。また、撮影中にだんだん画角に飽きてきちゃったりもするので、まる一日これ1本で通すというのもなんだか辛い気がします。ということで私の場合、出番はそんなには多くありません。
それでもたま〜に散歩のお供に持ち出したくなるのは、やっぱり独特のビジュアル的な魅力でしょうか。大きく飛び出した前玉はなんかそそりますよね。お散歩レンズとしてアリといえばアリ?
なお、レンズに関する記述や評価はすべて、素人カメラマンの個人的な感想です。誤った情報や評価などがあれば、ただちに修正していきたいと思っています。その点はご容赦ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。