レンズ沼あれこれ:AUTO YASHINON-DS 50mm F1.9
今回はヤシカAUTO YASHINON-DS 50mm F1.9です。1973年に発売されたヤシカFFTというカメラのセットレンズとして世に登場。単体では発売されなかったという情報もありました。75年には株式会社ヤシカが経営破綻しており、つまりヤシカ最晩年の作ということになるでしょうか。中古市場では穴人気高評価のレンズであります。
ヤシカと言ってバレーボールを思い出す人は今どきいないと思いますが、かつて女子バレーボールの強豪チームを持ち、五輪代表に選出された選手もいらっしゃったんですよ。それはさておき、そんな一流アスリートの手が加わったかどうかは定かではありません。すでに富岡光学を傘下に収めていた時代でもあり、富岡光学製の可能性もあるのだとか。
ちなみにヤシカFFTは発売当時、それほど先進技術が盛り込まれた機種ではなかったようで、価格は不明ながらちょっぴり時代遅れのカメラだったそうです。確かにデザイン的にもイマイチかな?画像は森のカメラ館でご覧いただけます。ヤシノンDS50mmf1.9が装着されているのがおわかりいただけるかと思います。
AUTO YASHINON-DS 50mm F1.9
マウント:M42スクリューマウント
レンズ構成:4群6枚
絞り羽根:6枚
重さ(実測):187g
触った感じの質感は悪くありません。ただ、金属筐体の割にはかなり軽量化されており、少し安っぽさを感じさせます。また、レンズ内にチリの混入が見受けられ、レンズ本来の写りは期待薄。ということで、もし人気レンズと知らなければ、あまり所有欲を刺激されないかも。
とはいえ、実際に使用してみると、コンディションの悪さをあまり感じさせない画を出してくれるので、この点には非常に驚かされました。シャドウ部の重さやクラシカルな空気感が魅力的。
開け気味で撮った時のボケ感や、あっさり過ぎずこってり過ぎない色乗りもいいのではないかと思います。とても軽いので、取り回しは非常に楽。最短撮影距離はだいたい50cmくらいです。花びらの水滴に寄れないかと思いましたが、これが限界でした。
逆光での反射・6本の光条、派手なゴーストもいい感じかと思います。うまく光をとらえられれば、虹も出ますね。
ヤシノンといえば、オールドレンズ好きからすると国産メーカーではタクマーの次にくるくらいのブランドとなるでしょうか。広角〜標準〜望遠までさまざまなタイプのレンズを生産しており、中古市場では比較的お手頃価格で手に入るのも魅力。
それぞれ状態の良し悪しがあるので、一概にこのモデルが一番!と言い切れないところもオールドレンズならでは。よって、ついついあれもこれもと集めてしまいがちなんですね。沼と言うべきか、落とし穴と呼ぶべきか。
私が所有する50mmF1.9、実は買って失敗だったかなと思ってあまり出番がなかったレンズ。とはいえ、使ってみるとなかなかの実力派だったので驚きました。50mmというのも気軽に持ち出せていいです。
なお、レンズに関する記述や評価はすべて、素人カメラマンの個人的な感想です。誤った情報や評価などがあれば、ただちに修正していきたいと思っています。その点はご容赦ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。