レンズ沼あれこれ:MEPRO-KOMINAR 55mm f2.8
今回は日東光学MEPRO-KOMINAR 55mm f2.8です。かつて、ソビエト連邦KMZ社のゼニットEという一眼レフカメラとセットで発売されたレンズ。ゼニットEは日本ではメプロゼニットの名で販売され、当時スーパーのダイエーで1万2800円ほどで売られていたという情報がありました。驚愕のロープライスですね。手許のMEPRO-KOMINAR 55mm f2.8は、カメラと同じ1969年頃のレンズかと推測できます。
ちなみに、激安メプロゼニットEがヒットしたかどうかはさっぱりわかりませんが、現在でも中古市場で流通しているようではあります。おそらくマニア向け珍品扱いかと思いますが、興味がある方は探してみてくださいね。
私はこれまでオールドレンズといえば絞りがオートのモデルを使ってきましたが、メプロコミナーはプリセット絞り。絞りリングが2つあり、「O-C」と書かれたリングはピント合わせの際に使います。Oはオープン、Cはクローズ。絞りを第1リングで決め、ピントは第2リングをオープンつまり開放位置にして合わせるという撮影法だったようです。ですから、第2リングを戻さなきゃ開放のまま。また、現在では常にC位置にしておかないと、あれ?ということになります。
マウントはM42スクリューマウント。そもそも写りがどうこうというより、ネタとして面白そうと思ったのがきっかけでした。もともとのカメラ、メプロゼニットEの値段からして、ちょっぴりお高い買い物だったでしょうか。レンズ内部にカビも見受けられました。2つの絞りリングも位置的に隣り合わせなので、つい一緒に回してしまいがち。プリセット絞りに慣れるのに時間がかかりそうですが、先人たちはこうして写真を撮っていたんだなと思いを馳せつつシャッターを切りましょう。
MEPRO-KOMINAR 55mm f2.8
マウント:M42スクリューマウント
レンズ構成:不明
絞り羽根:8枚
重さ(実測):106g
ブラックミスト、ノスタルトーンなどのふんわり系フィルターをお使いの方も多いかと思いますが、そんなのいらねーよというくらい、独特の超ふんわり系でした。おいおい、大丈夫か?というレベル。レンズの状態が状態なので、個体差なのかどうかは不明です。
なんともビミョーな写り。普通に街角スナップで持ち出してみましたが、これはこれで味があるといえばあるのかも。
あんまりふんわり系を生かしたリリカルな作例ではないのが申し訳ない。非常に現実的な日常の光景が、何の加工もなしに異世界となってしまうのには正直驚きです。シャープで高精細というトレンドとは真逆の方向性でしょうか。
手許のレンズの状態が状態ですから、もともとの写りではないだろうとは思いますが、かなりのキワモノであることは確か。重量はまさかの106グラム。合理化・簡略化のアイデアが集結した代物ともいえそうです。工業製品としてなかなか興味深い存在かもしれません。当面、よほど気分を変えたいときにしか出番はなさそうですけどね。
なお、レンズに関する記述や評価はすべて、素人カメラマンの個人的な感想です。誤った情報や評価などがあれば、ただちに修正していきたいと思っています。その点はご容赦ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。