『listners』(2020年、毎日放送ほか)雑感
たまにはアニメの話でもしてみようかと。
アマゾンプライムで1シーズン一気に見てしまったのが『listners』(2020年)です。ネットでは悪評紛々でしたが、個人的には好評価でした。
ストーリーは人間とミミナシが対立する架空の世界で展開されます。主人公の少年、エコヲ・レックの救世主的な活躍により両者が通じ合うまでの過程が描かれています。
プレイヤーがアンプにジャックインするとロボットが起動。そんなスチームパンクっぽさにも何やら心躍りますが、そこかしこにロックへのオマージュやモチーフが散りばめられているところもクスリとさせられました。
ただ、ストーリー終盤のやたらと光線銃が飛び交うシーンにはちょっと辟易。もっと表現として工夫が欲しかった気がしますよね
それはさておき、主要登場人物の名前だけを追ってもこんな感じ。
エコヲ・レック=ギターのエフェクター
ミュウ=アナログアンプの真空管でいう増幅率
ジミ・ストーンフリー=ジミ・ヘンドリックスとその曲名
ニル=ニルヴァーナを想起
殿下=ストレートにプリンスを指す
エコヲが作ったアンプはVOXのAC−30、エコヲの姉が経営する居酒屋はオアシスだし、エース元帥が乗った電動車椅子は英映画『さらば青春の光』(1979年)に登場するバイクの形なんですね。
こいつぁオジさん世代向けなのか?
他にも初見では気づかなかったアイテムが多数存在すると思われます。ですが、こんなアイテムばかりに気を取られていると、ストーリーが頭に入ってこなくなるのでほどほどに。
要はミミナシとの対立・隔絶をロックのパワーで共存・共感に変えるというのがテーマ。誤解を恐れずにいうと、ミミナシが得体の知れない黒い塊として描かれているのは、黒人差別をイメージしているからなのかもしれません。
両者の間に違いがないことを本当に理解したのはジミヘンで、彼に憧れた少年がやがて共存・共感の世界に導く。細かいことは抜きにして、それでイイじゃんとオジさんは思うわけです。
Rock and roll's gonna save the world(Y&T)
たまにはこれくらい脳天気でもいいさ。
でも若者には響かないよな、たぶん。
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