レンズ沼あれこれ:SIGMA MIRROR-TELEPHOTO 600mm F8
今回はシグマのミラーレンズ、SIGMA MIRROR-TELEPHOTO 600mm F8です。焦点距離600mmのレンズですから、仮にマイクロフォーサーズ機に装着するとなんと驚きの1200mm。完全にロマン砲の域ですね。
レンズについての詳細は不明なものの、発売当時、3種類ラインナップされたシグマのミラーレンズシリーズのうちの真ん中の焦点距離で、おそらく1980年代中ごろのレンズと思われます。
かつては光学系各社ともミラーレンズを発売していましたが、現在国内ブランドではケンコートキナー1社だけになってしまったのだとか。というわけで、そんないにしえのロマン砲を中古市場で求める人間は少なからず存在し、状態はさておき、けっこうな値段で取引されているようです。私を含めて、物好きな人がいるもんです。ま、道楽とはそういうものか。
SIGMA MIRROR-TELEPHOTO 600mm F8は、私が所有する唯一のミラーレンズ。比較的使用感も少なく、美品の部類でした。構造上カビやすいのかどうかはよくわかりませんが、ヤフオクでは見るからにカビだらけのレンズも出品されていましたから、美品が手に入ったのはラッキーでした。
ちなみに仕組みは、鏡筒奥のドーナツ型の鏡に一旦反射させた光をもう一度カメラ側に反射して像を結ぶもの。ゆえにF値は固定のものが多く、AF化も難しいのだそうです。
SIGMA MIRROR-TELEPHOTO 600mm F8
マウント:ニコンFマウント
レンズ構成:4群7枚
絞り羽根:なし
重さ(実測):955g
見た目は片手に余るほどの太い筒。フォーカスリングを回すのも大変です。そしてご想像の通り、被写体をフレームに捉えるのすらままなりません。まして動きモノにピントを合わせるなんて至難の業。手ブレ補正に頼ったとしても手持ち撮影は難しく、三脚・一脚が必要。使いどころを見出だせないないまま手放してしまう方がいらっしゃっても、批判はできませんよね。
さて、夢の1200mm(APS-Cだと900mm)。何撮るよ?となりますが、言ってみれば望遠鏡の類。割り切って主役のみを捉える形となります。まずはいつもの庭園で植物を。手持ちでチャレンジです。色あいは意外なほど品があって悪くないです。解像感は低く独特のふんわりした写りで、ファンタジックな世界。
近所に水鳥たちがたくさん飛来していますから、ちょっくらモデルになっていただきました。一脚を使用しています。上からオオバン、カワウ、ヒドリガモ、イソシギ。ブラウザで見るくらいであればそこまで気にはなりませんが、やっぱり輪郭がぼんやり。記録系には向きません。
美しさに目を奪われたカンムリカイツブリ。大きな群れをつくる習性があるのだそうですが、このときは1羽だけでした。はぐれた?
定番のリングボケも検証。背景がかなりざわついてますね。2枚目はモズの写真ですが、もはや油絵の域。
普通のレンズの600ミリに比べれば全長は短く、持ち運びは楽かもしれません。一方、個体差なのか解像感はさっぱりですし、太く重たくF8固定でシチュエーションや被写体もかな〜り限定的にならざるを得ません。普段からこれを愛用している…というような方はそうはいらっしゃらないでしょうねぇ。結果、出番がなくてカビつかせちゃったてなケースが多いのかも。想像ですけど。
ロマン砲はやっぱりロマン砲ってことで。とにかく奇跡の一発に期待しましょう笑
なお、レンズに関する記述や評価はすべて、素人カメラマンの個人的な感想です。誤った情報や評価などがあれば、ただちに修正していきたいと思っています。その点はご容赦ください。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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