人を大切に
human rightsについて、いささか齟齬がありそうである。
人権にも段階があり、権利の幅は次第に拡大して来た。現在の世界人権宣言に悖る国際人権の考え方は今のところ私的には最高法規として足りているが、この後の未来も蠢き形を変えていくことだろう。
その国際人権と日本で風潮として受け止められている人権とで、齟齬がありそうだ。
頂き女子リリちゃんの件が最近気になっている。
1948年に国際連合で当時の加盟国が賛成してつくられた世界人権宣言は、「すべての人民とすべての国とが達成すべき共通の基準として」の人権とは何かを示しています。世界人権宣言の前文では、「人類社会のすべての構成員の固有の尊厳と平等で譲ることのできない権利とを承認することは、世界における自由、正義及び平和の基礎である」といいます。そして「加盟国は、国際連合と協力して、人権及び基本的自由の普遍的な尊重及び遵守の促進を達成することを誓約した」のです。それぞれの国や地域の事情で異なる人権があるのではありません。世界の「共通の基準として」の人権があるのです。
世界共通の人権意識が例え白い人たちの頭の中で形成されたお花畑意識だとしても、現在のところ私は賛成である。
人が生まれながらにして持つ権利である。
頂き女子リリちゃんの件で、多様性なき司法からくる判例の少なさ、国際基準とかけ離れる日本の姿、裁判官の思考の浅さや女性差別など、注視すべき点が山ほどあるニュースではあるが、
ここで一つ違和感を持ったのは、被害男性の言であった。
男性が4,000万ほど貢いだそのお金を全額返して償ってほしいとのこと。
これには驚く。
リリちゃんの人権を丸無視した発言であるからだ。
オレオレ詐欺や振り込め詐欺とは違って、男性はリリちゃんと恋人だと感じるだけの時間と行為と営みがあった。
詐欺はもちろん犯罪として裁かれるべきだが、一方的にお金を騙し取られた詐欺と違い、リリちゃんは自らの時間をある程度男性に使った。この費やした時間は事実である。
被害者男性は、全額返還してほしいと。それはつまり、リリちゃんが彼のために費やした時間すらも亡きことにしようとしているということだ。
これは日本政府や産業経済界の方々が隠しもしない「人権軽視の姿勢」が与えた国民への影響そのものではないかと、空恐ろしくなった。
人が費やした時間を軽視する誤った新自由主義の浸透、これは紛れもなく政府の仕業である。
日々国会を眺めていると感じる。
この国は人材育成の視点が欠けている。
そして人権について国連でコンセンサスを(形だけでも)得ている感覚とかけ離れている。
その場をとりあえず収めること、自らのインセンティブを得ることに必死すぎて、その軽く考えた思いつきのような政策が10年後、どんな影響をもたらすのかを考えない。(ように見える)
長期的まで行かない、中期的視点すら欠如しているから、役に立つとか稼げるとかそんな小さなことに振り回されて、大切なことを見失っている。
人を大切にしない国は退廃する。
ちなみに大切にされていないのは市民だ。
声をあげないと。
この国の権力者の目指すのはとどのつまり「貧しい軍事国家」なのである。
東京都の非正規公務員として児童生徒や保護者からの悩みを聞いて支援してきたスクールカウンセラー(SC)から、3月末で「雇い止め」に遭うとの訴えが労働組合に相次いで寄せられている。2日までに33人の都SCが相談した。労組の担当者は「10年、20年と経験やスキルを積んで学校長の評価が高いSCが本年度で切られ、子どもや保護者への影響が大きい」と指摘する。(畑間香織)
◆公募試験を受け直したら「不採用」
相談を受けたのは、SCや心理職らでつくる労組「東京公務公共一般労働組合心理職ユニオン支部」(豊島区)。1月29日、校長の評価が良く勤務に関し指導を受けたことがない人の不採用撤回や、採用基準の明示などを求め都教育委員会に団体交渉を申し入れた。
都SCは、全員が非正規の公務員。契約を1年ごとに区切る新しい人事制度が2020年度に全国の自治体に導入されたのを受け、それ以前から勤めてきた都SCは、23年度に都教委の定める契約更新の上限に達するため、24年度も働くには公募試験を受けなければならなくなった。
1月中旬に試験結果が出ると、「校長からの評価は良かったのに不採用だった」などの相談が都SCから労組に寄せられた。このうち都SCとして15年以上働き、今回不採用になった50代の女性は、自傷行為をする児童生徒の相談、関係性が悪い担任教員と保護者の間に入っての対応など、経験やスキルが求められる事案を担当してきた。校長に結果を伝えると「良い評価を出したのに納得できない。困る」と言われたという。女性は「更新上限がある単年度雇用では、雇用が不安定で安心して支援を続けられない」と話す。
◆「自分の仕事を軽くみられている…」
労組は1月29日から、24年度の採用状況についてSCにアンケートを始めた。都内の公立学校へのはがきとインターネット上で実施し、2日時点の集計で330人が回答。雇用継続を希望した勤続年数が1年以上の人で、「不採用」または補欠に当たる「補充任用」となり、4月から正式採用されなかった人は計91人いた。自由記述では「不採用だったことよりも、自分の仕事を軽く見られていることに憤りを感じる」などの意見が寄せられた。
東京公務公共一般労組の原田仁希(にき)氏は「SCは児童相談所や医療機関などの機関と連携するためスキルが問われる。更新上限をなくして安心して働けるようにしてほしい」と話す。
都教育庁の石毛朋充勤労課長は「団交の申し入れは地方公務員法などのルールに基づいて対応する」とコメントした。
大阪府豊中市は、2024年度から市内全ての小学校で、午前7時から校門を開放し、登校時間まで児童を預かることを決めたことが分かりました。
子どもの小学校の入学に伴って、保護者が仕事をしにくくなる「小1の壁」への対策で、豊中市によりますと、関西では初めての取り組みだということです。
市の教育委員会によりますと、4月の始業式以降、市内すべての小学校で午前7時から校門を開放し、児童は登校時間の午前8時までは体育館などで自習をして過ごすことになります。
教員の長時間労働につながらないよう、各校には民間の見守り員を2人ずつ配置するということです。
豊中市は、現在行われている市議会に、見守り員に係る費用として約7千万円を計上していて、3月21日の閉会日に採決が行われます。
また、豊中市は防犯対策として、校門などに配置している警備員の勤務時間を変更し、午前6時半からの勤務とします。その一方で、午後の勤務時間を見直すことで、警備員に係る費用は増加しないとしています。
■『小1の壁』とは…
子どもが小学校に入るまでは、幼稚園や保育園の延長保育を利用することで両親が共働きできていたものの、小学校入学と同時に預けられる時間が短くなり仕事を続けにくくなる問題。
早朝の出勤や夕方以降まで勤務していた保護者にとっては、勤務形態の変更を迫られるなどの対応が必要となり、共働きの子育て世帯が働く上で大きな障害の1つになっています