ロマンス詐欺の経緯詳細①アプリでの出会いとLINEへの移行

詐欺師リンヤンとの、出会いと経緯詳細をまとめます。

2021年12月。日本にいる友人との会話の中で、偶然ハロートークという語学学習アプリの存在を知った。

Youtube等でレビューを調べて、早速登録してみた。この時に既に、ハロートーク内で詐欺にあうことがある、ということはチラリと目にしていた。
 
※ハロートーク自体は語学学習ツールとしてとても便利なアプリで、私は今でも使っています。
 
登録するやいなや、何人もの日本語学習中という中国人から個別チャットが来た。そのうちの一人がリンヤンだった。
 
プロフィールの自己紹介もきちんと書かれている。タイムラインも、片言の日本語と共にいくつか投稿している。

食べかけの手巻き寿司の写真や自分のアバター画像の投稿、アボカドとレモンを切っている料理中の写真など、意識高い男子感を出していたが、親近感のある内容だった。

(CJ  Wangさんという、実在する台湾人俳優のインスタ写真を盗用していた。詳細はこちら↓)

「中国語ができるの?どこ出身なの?」といった、ほぼお決まりの出会いの挨拶から始まり、「あなたのプロフィール見たよ、いろんな国に行ったことがあるんだね。とてもパワフルだ。」

怒涛のチャット攻撃が始まった。
 
※この時点で早くも、ネットで紹介されていた『詐欺師を見抜くには、プロフィールを見ろ。自己紹介が無いまたは適当。タイムラインの投稿がない。そしてこちらのプロフィールは読んでいない。』という仮説から、外れている。詐欺師も日々進化している。
 
久しぶりの中国語でのコミュニケーションはとても楽しく、青春時代を思い出した気分だった。

その日だけでも10人以上個別チャットが来てすべて律儀に返していたが、リンヤンとの会話が一番面白く、長く続いた。

※ちなみにリンヤンの設定詳細はこちらをご参照ください。

その日の昼休みはあっという間に終わり、仕事の合間、そして帰りの車の中でもずっとチャットしていた。

お互いに音声メッセージも交えながら会話をし、チャット内で私が分からない単語は音声メッセージで発音してくれた。中国語の発音も声も、とても耳心地が良かった。
 
その日のうちに、すでに彼がIT企業に財務マネージャーとして勤めていて会社はメタバースに注力していること、その話の流れからデジタル通貨の話になり、投資の話も自然な流れで出ていた。ビットコインの単語が出た時に、詐欺を疑いGoogleで情報収集した。

『投資やビットコインの話が出たら確実ではないが、ほぼ詐欺だと思え』・・・うん、確実ではない、よね。可能性はあるけど。当時の私は思っていた。
 
その夜、すでに何十通もやり取りをした後、LINEを交換しようと言われた。

『ハロートークからLINEやワッツアップへ移行したがるのはほぼ詐欺だ』、とネットで読んでいた。やっぱり詐欺なのか?

「ハロートーク内で十分コミュニケーション取れるから、このままお喋りしよう。」はっきりと断った。

実は、リンヤン以外にも、LINEへ移行しようと言ってきた人は何人かいた。でも彼らはしばらくチャットをしたらすぐにLINEを聞いてきたし、断ったらそれ以来メッセージは来なくなった。

リンヤンからは、翌朝もおはようのメッセージが届いた。その日も、隙間時間にずっとチャットをしていた。

お互いのことを更にたくさん話した 2日目の夜。会話がすごく盛り上がった流れで、「ねぇ、やっぱりLINE交換しようよ。都合が悪いの?」

この2日間、本当にすごく会話が楽しかったので、悩んだ。詐欺だとしたら、とリスクをググった。悩みに悩んで、正直にこう答えた。

「ごめんねリンヤン。私は夫に変な誤解をされたくないの。語学学習目的とはいえ、知らない男性とLINEでチャットしていたら、ましてや彼は中国語が分からないから、焼きもちやくと思う。理解してくれると嬉しいな。」

このメッセージを送った後、どうなるのかととても緊張した。こんな長文送らずに、もっとサラリと断るだけでよかったかな。相手がただ単にLINEで交流したいだけだったら、生真面目でめんどくさい奴と思われたかも。と、後悔のような気持ちもあった。

もうメッセージが来ないかもしれない。こんなに話していて勉強になって楽しい人との関係が切れてしまうかもしれない。それでもいいや。ハロートークにはこんなにたくさん中国人がいるんだ、きっとまた、話が合う人が現れる。

(※結果、ここまで話が合う人は、一般人・詐欺師含め、それ以来現れませんでした。。)

そう自分に言い聞かせて眠りについた。リンヤンからは「わかった。あなたを理解します。おやすみ」とだけ、返事が来ていた。

翌日。

「おはよう。」

リンヤンから、何事もなかったかのようにメッセージが来た。安心したし、嬉しかった。

その日も、朝から夜まで、チャットは続いた。

「キミと話していると、なんだか昔から知り合いみたいな気がしてくる。僕達ご縁があるのかな。話が尽きないね。」

私も同じように感じていた。お互い、仕事に集中できないね、と笑い合った。

※詐欺師は大衆心理、女性を落とす方法等も、よく勉強させられています。単純接触効果もよく分かっている、息付く暇も与えない怒涛の連日チャット攻撃。相手を気遣い親近感を抱かせる質問。とてもマメです。彼は私にこんなに興味を持ってくれている?それは、育てる価値のある豚を品定めするための、情報収集です。辛いけど現実😭

その日の夜。メタバースの話から、中国のとある歌手の話になった。留学時代に好きな歌手だったので、よく歌ってたよ~と話を振ったら、その年代の歌手や好きな歌の話題になった。

「俺たち同世代じゃない?好きなものが、似てるね。」 ハロートークでは37歳くらいの設定になっていたけど、生まれ年を聞くと88年生まれの33歳だった。

(アプリで年齢詐称はよくあることかな?相手に合わせて設定年齢を変えているのかな?大したことじゃないか。)

違和感を無視して、その後も楽しい会話は続いた。

「今お風呂に入ってるよ。身体が温まる。『暖暖』。この歌、知ってる?」私はそうチャットを送った後に、その歌のサビを歌って音声で送ろうと、録音していた。

送信したと同時に、あちらからも音声メッセージが届いた。彼は、その歌の冒頭部分を歌っていた。

お互い同じタイミングで同じことをしていて、さらに女の人の歌だからか彼の声がちょっと裏返ってたのがすごく可愛くて、笑ってしまった。

「あんまりうまく歌えないなぁ。君の歌声はすごく素敵だね!」とメッセージが来た。

「今、お互い同じタイミングで同じことしてたんだね!😂」二人で笑い合った。

いつも23:00に寝ると言っていたので、そろそろ寝る時間でしょ、と送ると、

「あなたと話していると、全然眠くない。」

※その時の声と話し方は、彼のハロートーク内音声メッセージで、トップ3に入るお気に入りだった。。。

正直そう言われ、青春時代のトキメキのようなものを感じていた。優秀な彼は、絶好の攻めの機会を見逃さなかった。

「ひーちゃん。やっぱりLINEで話そう。キミと本当の友達になりたいんだ。キミの生活の邪魔はしないよ。」

その時、時間は深夜に近かった。

最近調べた詐欺師のマニュアルにあった。 

「夜は人は孤独を感じやすい、心を開きやすい。顧客が寝る前の空き時間を狙って、夜にディープで長い会話をするように」

今なら分かる。まさにこれだったんだ。

1日中楽しく会話をして深夜近く、 笑いあった直後。本当に楽しい、気が合う、似ている、縁があるのかも、と思わせた直後のシリアスな勧誘。

私はとてもドキドキしながら、一度スルーして別の話題を振った。彼もその話題に乗ってくれた。

その間も、私はまたネットでLINE交換のリスクを調べていた。そもそも、アプリを教えてくれた日本の友人も「仲良くなった人とはLINEやカカオトークに移行してるよ」そう言っていた。

どのみちハロートークでこれだけ話してるんだから、リスクが無いのであればLINEでも問題ないかも。そう思い始めていた。

しばらくして、またLINEの話に戻った。粘るなぁ・・・賢くて忍耐強い初代リンヤン。今振り返っても、本当に優秀だな。。

私はついに答えた。 「じゃあ、あなたのLINE IDを教えて。私が友達検索するね。」

こうして、リンヤンとのLINEチャットの日々が始まったのだった。

 

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