記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。

ラストマイル考察&感想(⑤やっちゃんは山崎佑の父!?⑥2.7m/s→0 70kgの意味)

⑤やっちゃんは山崎佑の父!?
これも、前述のYouTube【さけねこの映画チャンネル】さんの受け売りなのですが。
佐野親子ドライバーの話に出てくる『やっちゃん』は山崎佑の父親ではないか。という【さけねこの映画チャンネル】さんの考察です。
これにもなるほど流石と大いに唸りました。

そうすると、山崎の父親が「あんたのせいだったんだろう!」と冷たく筧まりかを突き放したことも理由がつきます。
下請け運送の立場でデリファス社を訴えるような事をすると、唯一の職を失うかもしれない。
そうなると、この年で再就職となると、植物状態の息子の治療費を払い続けていくような職には就けないかも知れない。
息子のためにも、ここは大人しく引き下がってこの職を続けていかないといけない。
父親にはそういう苦しい胸の内があった、そう考えると確かに腑に落ちます。

⑥山崎佑が「2.7m/s→0 70kg」と書き残し、飛び込んだ理由
ベルトコンベアの速度2.7m/sが耐重荷70kg。
すでにコンベア上に乗って回っている荷物が常にあるから、山崎佑の体重(50~60kgでしょうか)が加われば、ベルトコンベアは止まって、2.7m/s→0になる。
「2.7m/s→0 70kg」はきっとそういう意味だろうと思います。
しかし、普通はそのために自ら飛び込まないと思います。

ベルトコンベアを止めるのであれば、誰にも見つからずに取り除くことが困難な場所をじっくりと探し、そのベルトコンベア上に50~60kgの物を置けばよいのです。
そして、通常の判断能力があれば、ベルトコンベア上から50~60kgが取り除かれれば、すぐに稼働すると分かっていたはずです。

なぜ自ら飛び込んだのか?
それが通常の判断ができる状態ではなかった。すでに、過労で判断能力を失っている危険な状態だった。ということを表しているのだと思います。
過労で鬱状態に近いような精神状態の中、何か重要な真理を得たような思いで「2.7m/s→0 70kg」とロッカーに書き示し、その足でベルトコンベアを見下ろす位置に行き、机の上に上がり、助走のため後ろに下がる。その時の山崎佑さんの表情は口元だけは少し笑っているように見えるのです。
いい方法を見つけたぞ、これしかない!と、答え見つけて無邪気に喜ぶ子供のように、意気揚々と机上に乗って。
ベルトコンベアが止まることで、配送ドライバーである父(やっちゃん)の事も、楽にしてあげられるという喜びもあったのでしょう。
表情をほぼ失くしていた山崎さんの口元だけに笑みがこぼれたのではないかと思います。

その後、虚ろな目ですぐに稼働したベルトコンベアを見ながら、病院のベットに横たわりながら、パンクしてた思考能力を少しずつ取り戻していき、「ばかなことをした」と気付いた。
その時にはもう遅く、山崎さんの体はもう起き上がることはなかった。

そういう背景で「2.7m/s→0 70kg」と書き示し、飛び込みに向かっているのだとしたら。制作陣は追い詰められパンク状態になってしまった人物の描画が、あまりに的確過ぎると思いました。
人は追い込まれてパンク状態になっているような時でも、自分でも気付きにくいものです。少しずつ少しずつ蝕まれていくので、判断能力や思考能力が普段と変わっている事にも気付きにくい。
私たちの暮らす日常では、そうなる前に誰かに相談できるようであれば、そうなる前に気付いてあげられる誰かがいれば、とそう願います。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?