私の思い人。
ふと、思い返す人がいる。
その子は同い年で、同じ大学を目指していて、同じ予備校に通っていて。
1年近く同じ教室で過ごしていたのに結局話したのは受験1ヶ月前くらいだった。
そこから昼休憩で話すようになり、お互いの印象だとか、好きなカフェだったりとか話す様になった。
先生から教えてもらった美術展に2人で足を運んだ事もある。
でもまだ私も未熟で、ライバルだから、と。
友達とは呼べなかった。
入試の日をよく覚えている。
母親と門の前で別れ1時間ほど時間があったので購買をうろついていたところに彼女がいた。
2人でどんな試験がでるか、どこの教室かと一通り話した後、彼女が
「もっと早く仲良くなっていればよかった」
とこぼした。
その言葉は以前から、初めて話した日も言っていた様に思う。
友達の少ない私は彼女のその言葉に嬉しく思いながらもきっと受験の不安から出たんだろうなと、考えていた。今思えば自分の劣等感からそう考えようとしていたのかもしれない。
結局2人とも現役では受からず、私は留学し、彼女は浪人すると言っていた。
しばらく連絡は取っていたのだがある時私が携帯を落としたかで彼女と連絡が取れなくなってしまった。
受験に集中するから、とSNSを使っていなかった彼女にその他の連絡の取り方がわからず今に至る。
同じ仕事を目指したらいつか会えるかなと淡い期待を持ち留学後もデザイン系の専門学校に入学した。
今年に卒業するが未だ会えていない。
本の装丁を見る度、一緒に行ったときに買ったポストカードを見る度、彼女を思い出す。
彼女は頑張りすぎてしまう子だから時々誰かに頼ってほしいなとか。
今どんなものを作っているのかな、とか。
次会う時はまず、1番会いたかったと伝えて次に電話番号を聞き、会えなかった時の話を笑ってしたいな。
きっと嬉しくて泣いてしまうだろうけど。