憧れの軍艦島へ(一人旅6日目 in長崎)
サンライト号という高速バスに揺られること約4時間。別府から離れ、九州をぐるっと西へ移動し、目的地の長崎へ。
この高速バスの中で僕が何をしていたかというと、「ゼルダの伝説 ティアーズオブザキングダム」のラスボスを倒し、感動のエンディングを迎えていた。
ゲームでラストを迎える時は「夜に」「テレビ画面で」派だった僕の謎のこだわりは、ここで「ちっちゃい画面でもまぁ良いじゃないの」に切り替わることになる。
いや、できるならテレビの大画面に越したことはないけども。
18時頃、長崎駅付近に到着。
まもなく日が暮れ始めたので、この日は駅周辺を軽く散歩するに留まった。
ところで、ここまで鹿児島、宮崎、大分と九州を放浪してきてどこでも目にしたのが、「you me」と書かれた濃いピンク色? のロゴの建物だ。
ここまではなんだあの施設、と遠目に見ていただけだったけど、長崎でもやっぱりお迎えしてくれた。
なるほど、イトーヨーカドーやイオンのような大型スーパーのようである。これまでの生活圏ではついぞ目にしたことがなかった。
てか「you me」で「ゆめ」って読むんだ…「OIOI」を「マルイ」と読めずに恥をかいた、十数年前の何とも言えない気持ちが蘇る。
翌日、長崎の中華街をぶらぶら観光しつつ、お昼は
「らーめん柊」へ。こってりしたトマトのスープが麺によく絡んで旨い。トッピングの焼きナスもトロっとしていてアツアツ!
もう一回長崎に行く機会があったら、ぜひもう一回行きたい。
さてここから向かうところが、長崎での最大の目的地。え、ハウステンボス? 1人で行っても悲しいだけだろ
端島(はしま)。通称「軍艦島」である。
元々は良質な炭坑の島として、主要なエネルギーが石炭だった時代には、多くの労働者がこの島で石炭の採掘を行なっていた。
島一周で約1,2kmしかない大きさの中に、学校や病院、アミューズメント施設まであり、最盛期には東京の約17倍の人口密度となっていたそうな。
歴史を調べると、戦争に関連する栄枯盛衰があるのだが、その辺りは調べればいくらでも出てくるとして。軍艦島のすっかりすたれた外観は、妙に自分の興味関心を刺激してくれる。
「九龍(くーろん)城砦」という、かつて香港にあった巨大な集合住宅地をご存じだろうか。興味が無くても、名前くらいは聞いたことがあると思う。
過去にタイムスリップできるとすれば、絶対に見に行きたいスポットである。九龍城砦といい軍艦島といい、コンクリートの密閉感の中にあった大勢の人々の暮らしと、衰退に向かう寂寥感に惹かれるのかもしれない。いや単純に廃墟が好きなのかもしれない。
予約していた軍艦島コンシェルジュさん経由で、いよいよ乗船。周りの方はやっぱり海外観光客が多かった。
船の上から見る海にテンションが上がっていると、間もなく島が見えてきた。
すごい、の一言である。
島の上に、すっかりすたれ切った建造物が残っているだけなのに、どうしてこんなに惹かれるのだろう。
さて。ここから運の要素が入る。
軍艦島は必ず上陸できるわけではない。2020年からは安全のため、気象や波の高さなどの条件によっては上陸できない場合がある。今日も出航前の注意事項で「波の高さによって上陸できない可能性がある」とはアナウンスを受けていた。
上陸率は約60%ほどのこと。果たして今日は…..
「波の高さが0.5メートルを超えていたので」上陸不可とのこと。
かぁーやっぱりそうか! 昨日雨が降り続いていたのでなんとなく覚悟はしていたけど、上陸できないかぁ…。
添乗員の方も非常に心苦しそうに案内してくださったが、まぁ自分たちの安全のための規則なのだからしょうがない。
軍艦島内の建物も老朽化が進んでおり、上陸そのものが禁止になる日もいつか来るはず。それまでにはリベンジに訪れたい。