まきあーと1周年記念 三代そろい踏み「狂言の世界」 万作、萬斎、裕基さん出演
マルホンまきあーとテラスの開館1周年記念公演「狂言の世界」が28日、大ホールであり、抽選に当たった約750人が伝統芸能の世界に浸った。出演者は人間国宝の野村万作さん(90)、萬斎さん(55)、裕基さん(22)。昨年3月28日に予定されていたこけら落とし公演が、コロナ禍で延期に。当時、出演予定のなかった萬斎さんの都合がつき、親子三代そろい踏みが実現した。
冒頭、齋藤正美市長は「万作さんは35年前、石巻文化センター開館時もこけら落とし公演をしていただいた。めぐる縁に驚き、深い感動を覚える」とあいさつした。
最初の演目は裕基さんの「三番叟」(さんばそう)。五穀豊穣を願って演じられることが多い作品。三番叟にふんした裕基さんが、前半は厳かな儀式、面をつけた後半は躍動感あふれる動きで独特の世界に引き込んだ。
続く「靭猿」(うつぼざる)も大名狂言の名曲。猿をめぐる大名(万作さん)と萬斎さん演じる猿曳(さるひき)が軽妙なやり取りを展開。観客は、万作さんの老練な演技や飛び跳ねるシーン、萬斎さんの朗々としたセリフ術を堪能。万作さんの外孫にあたる三藤なつ葉さん(7)が演じた子猿のコミカルな演技でも楽しませた。
佐々木行子さん(77)=同市向陽町=は「万作さんが石巻にどんな思いで来てくれたのかと思うと涙が出た。素晴らしいものが見られて感動した」と話していた。【本庄雅之】
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